
歯の痛みが起こると応急処置として「冷やすべきか温めるべきか」は悩みがちなポイントです。適切な方法を選ばなければ、痛みが悪化する可能性もあります。歯の痛みに対して「冷やす」ことが効果的な理由についてご説明します。
歯の痛みは冷やすべき?温めるべき?

歯に痛みがあるとき冷やすべきか温めるべきか?これを間違えてしまうと、かえって痛みが強くなり悪化してしまいます。
歯の痛みは冷やすのが効果的な理由
歯の痛みは温めず、冷やすべきです。
歯に痛みを感じるのは、その部分が炎症を起こしているから。炎症を起こすと血液の流れがさかんになり、神経が圧迫され、痛みにつながっているのです。
炎症とは
生体が微生物の侵入や物理的・化学的刺激などを受けて、発熱・発赤・はれ・痛みなどの症状を呈すること。
引用 コトバンク
逆に考えれば血液の流れを落ち着かせれば痛みはおさまってくるということ。したがって、歯の痛みには冷やすのが効果的だと言えるのです。
冷却が炎症を抑えるメカニズムとは?
冷やすことで痛みが軽減される理由は、冷却によって血管が収縮し、炎症の進行を遅らせることができるからです。炎症が原因で発生する腫れや圧迫感が和らぎ、神経への刺激が減少するため、痛みが緩和されます。
どのような痛みに効果がある?
冷却が特に効果的な痛みとして、歯周炎や歯肉炎による痛み、知覚過敏、歯の破折による炎症などが挙げられます。一方で、虫歯が進行して神経まで達している場合や、内部で感染が起きている場合には、冷やすだけでは十分な対処にならず、虫歯や感染に対する治療が必要になります。
冷却が適さない場合
冷やすことで痛みを一時的に軽減できるケースが多いものの、冷却が適さない場合も存在します。例えば、冷たいものが原因で痛みが悪化する知覚過敏のような症状の場合は、冷やすことが逆効果になることもあります。こうした場合、適切な治療を受けることが重要です。
歯の痛みを温めてはいけない理由
では逆に、なぜ温めると歯の痛みが悪化してしまうのか?
お風呂に入ると身体が温まり、全身の血行が良くなりますよね。それと同じで、歯の痛みがある部分を温めると血行が良くなります。血行が良くなることで歯の痛みが出ているので、さらに温めてしまっては逆効果です。
冷やすことによる効果
1. 炎症を抑える効果
歯の痛みが炎症によるものである場合、冷却は以下のような作用をもたらします。
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血管を収縮させる
冷やすことで血管が収縮し、炎症部位への血流が一時的に減少します。これにより、腫れや痛みを引き起こす物質の流入が抑えられ、症状が和らぎます。 -
神経の興奮を抑制する
冷却によって神経の活動が低下し、痛みの信号が脳に届きにくくなるため、痛みの感覚が軽減されます。
2. 感覚を麻痺させる効果
冷やすことで患部の温度が低下すると、周囲の感覚神経が一時的に麻痺状態になります。これにより、痛みの刺激が鈍化し、不快感が軽減されます。特に、急性の歯痛には即効性があります。
3. 炎症による腫れのコントロール
虫歯や歯周病による炎症が原因の場合、冷却は腫れを抑えるのに効果的です。腫れが軽減されることで、周囲の組織への圧力が減り、痛みが和らぎます。
4. 体の自然な治癒を促進させる
冷却は、一時的に炎症を抑えることで、体が回復しやすい環境を作ります。冷却によって炎症がコントロールされると、体が修復プロセスに集中できるようになります。
歯の痛みに効果的な冷やし方

歯の痛みがある部分を冷やすとき、注意したいのは痛みがある部分を直接冷やさないことです。
氷を直接歯に当てるのではなく、タオルで包んだアイスパックや冷えたタオルを頬に当てることが推奨されます。また、冷やす時間や頻度についても注意が必要です。一般的には、20分程度冷やしたら、同じくらいの時間を空けてから再度冷やすと効果的です。
また何事もやりすぎは禁物。冷やしすぎに注意しましょう。冷やしすぎると血行が悪くなり、かえって治りを悪くする可能性があります。氷を使って冷やす場合は、氷をタオルで包んだり、様子をみながら冷やすようにしましょう。
余談ですが、砂糖が多く使われたお菓子や、レモンなどの柑橘類を口にするのは避けたほうが良いでしょう。神経を刺激しやすく、歯の痛みが強くなる可能性があります。
冷やす際の注意点
冷却は痛みを和らげる一時的な対処法であり、根本的な治療ではありません。適切に使用するためには、以下の点に注意してください。
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冷やす場所と時間
- 冷たいタオルや保冷剤を患部に直接当てるのではなく、タオルや布を挟んで頬の外側から当てる。
- 10〜15分を目安に冷却を行い、その後10分程度休憩を取る。
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冷やしすぎに注意
冷やしすぎると血行が悪くなり、逆に治癒を遅らせる可能性があります。また、凍傷を防ぐためにも冷却には適切な間隔を空けることが大切です。 -
痛みの原因を確認する
- 冷やしても痛みが続く場合は、歯科医の診断を受けて原因を突き止める必要があります。
- 特に虫歯や歯周病が原因の場合は早期の治療が必要です。
冷却と併用すべき対処法
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鎮痛剤の服用
市販の鎮痛剤(例:イブプロフェンやアセトアミノフェン)は、炎症を抑える効果があり、冷却と併用すると効果的です。 -
患部の清潔を保つ
痛みがある場合でも、やさしく歯磨きを行い、炎症の原因となる歯垢や食べ物の残りを除去します。 -
刺激を避ける
冷たいものや熱いもの、甘いもの、酸っぱいものは痛みを悪化させることがあるため、避けるようにします。
歯の痛みの種類・原因
歯が原因であったり歯茎が原因であったり、それ以外が原因であることもあります。
▼歯の痛みの種類・原因はこちらでまとめています。
https://matsumoto.or.jp/toothteeth/pain-cause-10/
歯の痛みを冷やすのはあくまで応急処置

歯の痛みを完全に抑えるためには、痛みの原因を特定して適切な治療を受けなければなりません。
歯の痛みは冷やすのが効果的ですが、あくまで応急処置であることを忘れないでおきましょう。
一番ベストなのは歯科医院にかかって原因を特定し、適切な治療を受けること。夜間で歯科医院がやっていないときや時間がなくてかかれない時などは、冷やしてみると一時的に痛みがおさまるかもしれません。
▼冷やしても痛みがおさまらない方はこちらも参考にしてみてください。
https://matsumoto.or.jp/toothteeth/antipain-method/
歯の痛みが取れない場合の対応
歯の痛みが続く場合、以下のような可能性があります。
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虫歯の進行
冷却や鎮痛剤では治らない場合、神経に達した虫歯が原因である可能性があります。 -
歯周病の悪化
歯周病が進行すると歯茎や骨に炎症が広がり、冷やすだけでは改善しないことがあります。 -
親知らずの炎症
親知らずが原因の痛みも冷却だけでは解決しないことが多いため、早めの受診が推奨されます。
まとめ

歯の痛みに対して「冷やす」ことは、炎症を抑え、痛みを軽減する効果的な応急処置です。しかし、冷却は根本的な解決策ではなく、一時的な対処にすぎません。痛みの原因が炎症、感染、または他の要因であるかを特定するためにも、早めに歯科医院を受診することが重要です。
また、適切な冷やし方や注意点を守りながら冷却を行うことで、より効果的に痛みを和らげることができます。日頃からの口腔ケアや定期的な健診を通じて、歯の健康を守り、痛みを予防する習慣を心がけましょう。