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歯石は取り方によっては痛い?歯石を取るべき理由

歯石は取り方によっては痛い?歯石を取るべき理由

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

歯石除去は歯や歯茎の状態によって痛みの感じ方が異なります。特に歯石が多く付着している場合や、歯茎が炎症を起こしている場合は、痛みを伴うこともあります。歯石除去時の痛みの原因やその軽減方法、歯石を取るべき理由についてご説明します。

歯石を取るときは痛い?

結論から言うと、歯石を取ること自体は痛いことではありません。しかしこれは歯や歯茎の状態が良い場合。歯石が多くついていたり歯茎が腫れていると、歯石を取るときに痛みを感じやすくなります。

歯石は取りは痛いときもある

歯石を取る際の痛みの有無は、以下のような要因によって異なります。

歯石の量や付着場所

歯石が歯の表面だけでなく歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)に付着している場合、深い部分を掃除する必要があるため痛みを感じることがあります。

歯茎の健康状態

歯周病が進行していると、歯茎が腫れたり敏感になっていることが多く、この場合、歯石を取る際に痛みを伴うことがあります。

使用する器具や方法

  • 手で使うスケーラー(手動器具)の場合、歯石を削り取る感覚が不快に感じられることがあります。
  • 超音波スケーラー(電動器具)を使う場合、振動や音が気になる方もいますが、比較的痛みが少ないと言われています。

患者さんの痛みへの感受性

痛みを感じやすい方や不安が強い場合、歯石除去自体を「痛い」と感じることがあります。

歯石の取り方で痛いのは

歯科診療室
  1. 歯茎が腫れているとき
  2. 歯周ポケットの奥深くに歯石がいるとき
  3. スケーラー(器具)による痛み

1. 歯茎が腫れているとき

歯肉炎・歯周炎などによって歯茎が腫れている場合は、歯磨きでさえも痛いですよね。この状態のときに歯医者で歯石を取るとなると、痛みが出やすいです。

▼歯肉炎・歯周炎・歯周病の違いはこちらでまとめています。

https://matsumoto.or.jp/toothteeth/toothbrushing-pain/

 

歯石(しせき)とは

歯垢が長期間のうちに石灰化したもの。下顎の前歯の内側,上顎の臼歯の外側に沈着しやすい。口腔に露出している歯面に付着している歯石は,淡黄色ないし黄褐色を呈していることが多いが,まれに黒緑色ないし黒色を呈する歯石が付着していることがある。

引用 コトバンク

もととなる歯垢(プラーク)=細菌の塊です。ゆえに、歯石がついている=歯茎に炎症が起こっていると言えるでしょう。逆に言えば、歯石をとれば歯茎の炎症が収まるということです。

歯石は歯医者でしか取ることができないので、歯石がついている限り歯茎の腫れは完全にはおさまりません。しかし歯医者に行く日までに毎日しっかり歯磨きを行い、可能な限りで歯茎の腫れを抑えて行くようにすると、多少痛みが軽減するかもしれません。

2. 歯周ポケットの奥深くに歯石がいるとき

歯周ポケットの奥深くに歯石がある場合は、痛みを感じることがあります。

歯周ポケットに汚れが溜まっている

上図のように歯周ポケット内によごれがたまっていても、それが歯垢(プラーク)なら歯磨きで取ることができます。しかし長い間放置され、歯石となってしまった場合は歯医者に行かないと取れません

しっかり歯磨きしているのに歯茎の腫れがおさまらない・・・という方は、もしかしたら歯周ポケットの内部に歯石がついているのかもしれません。

歯周ポケットの奥深くに歯石がついている場合は、歯石の取り方によっては痛みを生じやすいので麻酔をします。あまりに奥深くに歯石がついている場合は、歯茎を切り開いて歯石を取るという、「手術」になることも。それほど、歯石がついているのは歯・歯茎にとって良くないことなのです

3. スケーラー(器具)による痛み

超音波スケーラーを使って歯石を取るときは、超音波の振動や同時に出る水によってしみるような痛みを感じることがあります。

超音波スケーラーとは

超音波スケーラーは、超音波という非常に短い周波の波動を機械的な微振動に変換し、歯石を揺さぶり崩すようにして剥がしていく歯科医療用機器である。(1)超音波の振動で歯石を破砕していくため、使用時に力を入れる必要がなく、術者・患者ともにストレスが少ない、(2)チップの振動が当たったところから歯石を崩すように剥がすため、歯石へのアクセスが容易、といった特長を持つ。

引用 Quint Dental Gate

歯石を取らねばならない理由

定期健診

歯石を取らなければならない理由は、お口の中の健康を保つためです。

1. 歯石は歯垢が硬化したもの

歯石は、歯垢(プラーク)が時間の経過とともに硬化してできたものです。歯垢は細菌の塊であり、これが唾液中のカルシウムやリンと結びついて硬くなることで歯石が形成されます。歯垢は通常の歯磨きで除去できますが、歯石は一度形成されると、歯磨きで落とすことは出来ず、専門的なクリーニングでしか除去できません。

2. 歯周病の原因になる

歯石は歯と歯茎の境目にたまりやすく、その部分の細菌が繁殖しやすい環境を作ります。この細菌が歯茎に炎症を引き起こし、歯周病の主な原因となります。歯周病は、進行すると歯を支える骨や組織が破壊され、最悪の場合、歯が抜けてしまいます。

3. 口臭の原因になる

歯石の表面は非常に粗く、そのために細菌や食べ物のカスが付着しやすくなります。これが分解される過程で悪臭が発生し、口臭の原因となります。歯石を放置すると、口臭が強くなるだけでなく、口腔内全体の衛生状態が悪化します。

4. 虫歯のリスクが高まる

歯石が歯の表面に付着していると、細菌が歯の表面に直接影響を与えやすくなり、虫歯になりやすくなります。特に歯と歯茎の境目に歯石があると、そこから虫歯が進行することが多いため、早期に除去することが推奨されます。

5. 歯茎の健康を守るため

歯石がたまると、歯茎が炎症を起こし、出血や腫れを引き起こすことがあります。この状態が続くと、歯茎が下がり、歯がぐらつく原因にもなります。歯茎の健康を維持するためにも、定期的に歯石を取ることが重要です。

6. 歯の見た目の改善

歯石は見た目が黄色や茶色に変色していることが多く、審美的に良くありません。定期的な除去で本来の歯の色を取り戻せます。

 

細菌の塊である歯垢(プラーク)が固まったのが歯石です。加えてその歯石自体表面がザラザラしているため、歯垢(プラーク)・細菌がつきやすい状態となるという悪循環が起こります。

歯石の放置は、歯茎の腫れなど歯周病に限ったことではありません。歯石の下に虫歯がある(隠れている)場合もあります。虫歯の治療をした後「すぐ詰め物が取れた」「すぐ被せ物が取れた」「また虫歯になった」などを防ぐためにも、歯石を取ることが重要です。全ての治療は歯石を取ることから始まると言っても過言ではありません。

歯石を取るときの工夫で痛みを軽減する方法

痛みが気になる方は、以下の方法で対策が可能です:

  • 麻酔の使用
    痛みが強い場合や深い部分の歯石を除去する場合、麻酔を使用することがあります。歯科医に相談しましょう。

  • 丁寧な歯磨きで事前ケアを行う
    歯茎が炎症を起こしていると痛みが増すため、事前に歯磨きを丁寧に行い歯茎の健康を保つことが重要です。

  • 定期的な健診を受ける
    歯石が溜まりすぎると除去が困難になります。3〜6ヶ月に1回の健診を受けることで痛みを最小限に抑えられます。

  • 歯科医や歯科衛生士にリクエストをする
    痛みが強い場合は、途中で中断をお願いしたり、力加減を調整してもらうことが可能です。

まとめ

歯のキャラクター

歯石は歯垢が硬化したもので、通常の歯磨きでは取り除けません。そのまま放置すると、歯周病や口臭、虫歯のリスクが高まるだけでなく、歯茎や歯の健康全体に悪影響を及ぼします。

歯石除去は、痛みを伴う場合もありますが、それを防ぐためには早めのケアと適切な歯科診療が重要です。定期的に歯科健診を受け、専門的なクリーニングを行うことで、健康な歯と歯茎を維持することができます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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