
ホワイトニングは、施術後に歯や歯茎が痛いと感じることがあります。この痛みの原因には、歯の状態やホワイトニング剤の影響、施術方法などが関係しています。ホワイトニングで歯や歯茎が痛くなる主な理由、それぞれの対処法についてご説明します。
ホワイトニングで歯が痛い理由

ホワイトニングで歯が痛い理由は、主に4つ考えられます。
- 歯が痛みを感じやすい状態にあるから
- ホワイトニング剤が合っていないから
- 歯茎が下がっているから
- 使用する光で熱を感じるから
1. 歯が痛みを感じやすい状態にあるから
歯ぎしりや歯の磨きすぎは、歯の表面のエナメル質が削れる原因となります。これにより象牙質が露出し、ホワイトニングで歯が痛いと感じやすくなります。本来歯の表面にあるエナメル質は、歯の痛みやしみることから歯を守ってくれているのです。

歯ぎしりや歯の磨きすぎだけでなく、何らかの刺激により歯にヒビが入っていたり、歯と詰め物の間に隙間があったりする場合も、ホワイトニングで歯が痛いと感じる原因となります。
- エナメル質が薄い場合、象牙質への影響が強くなり、ホワイトニング後に痛みを感じやすくなります。
- 酸性飲料や過剰な歯磨きによってエナメル質が損傷していると、さらに痛みが強くなることがあります。
2. ホワイトニング剤が合っていないから
特にトラブルの起こっていない歯であれば、濃度の高い・効果の高いホワイトニング剤を使用しても痛みにくいでしょう。しかし何らかの問題が起きていると、同じホワイトニング剤でも歯が痛いと感じることがあります。
体質によってホワイトニング剤が合わず、歯が痛いと感じることもあるようです。
ホワイトニング剤には成分によってさまざまなものがあります。ホワイトニング方法を変えたり濃度の低いものに変えたり、歯科医師に相談してみましょう。
- 歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは、高濃度のホワイトニング剤を使用するため、施術後に一時的な炎症や痛みを感じる場合があります。
- ただし、これらの症状は数日で治まることがほとんどです。
3. 歯茎が下がっているから
加齢や歯の磨きすぎなどにより、歯茎が下がっている場合。歯茎が下がったことにより歯の根っこ部分が露出し、ホワイトニングで歯が痛いを感じることがあります。
歯茎に埋まっていない部分の歯は、表面をエナメル質が覆っています。しかし歯茎に埋まっている部分の歯(=歯の根っこ部分)はエナメル質に覆われていません。代わりに守ってくれていた歯茎が下がってしまうと象牙質が露出し、ホワイトニングで歯が痛いと感じやすいのです。

4. 使用する光で熱を感じるから
歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは、光を当てる必要があるものとないものがあります。光を当てる必要があるかどうかは、使用するホワイトニング剤によって決まります。
光を当てる必要があったとき、その光によって生じる熱で歯が痛いと感じることがあります。
ホワイトニングで歯茎が痛い理由

ホワイトニングで歯茎が痛い理由は、主に2つ考えられます。
- ホワイトニング剤が歯茎に付着したから
- 歯周病など元々歯茎に問題があるから
1. ホワイトニング剤が歯茎に付着したから
ホワイトニング剤が歯茎など、粘膜に付着すると痛みを感じます。歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは、歯茎など粘膜にホワイトニング剤がつかないよう保護してからホワイトニングを行います。ただその保護が十分でなかったり、少しでも隙間ができてしまうとホワイトニング剤が漏れ、歯茎などに付着する可能性があります。
また自宅で行うホームホワイトニングでは、マウスピースを使ってホワイトニングを行なっていきます。歯科医院で行うオフィスホワイトニングのように、歯茎の保護などは行いません。そのためホワイトニング剤が漏れ出し、歯茎やのどが痛いと感じることもあるようです。
- ホワイトニング剤が歯茎に直接触れると、薬剤の強い刺激によって歯茎が炎症を起こすことがあります。
- 特にホームホワイトニングでは、自宅でトレイを装着する際に薬剤が溢れて歯茎に触れることが原因になりやすいです。
2. 歯周病など元々歯茎に問題があるから
歯茎の腫れは軽度でも、やはり健康な方と比べると、ホワイトニングで痛いと感じる可能性は高まります。
そもそも歯周病などの問題が起こっている場合はホワイトニングを行うべきではありません。というより、ホワイトニングは見た目を良くするためのもの。それよりも全身の健康に関わる歯周病の治療を優先すべきです。
ホワイトニングは痛いもの?

ホワイトニングによって歯や歯茎が痛い・しみると感じることがあります。時には痛み止めがきかないくらい痛いこともあるようです。
ホワイトニングで痛いと言う方の中には、「歯が痛い」という方と「歯茎が痛い」という方がいます。
ホワイトニング剤の作用が歯に及ぼす影響
- ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素(H₂O₂)や過酸化尿素は、歯のエナメル質を透過し、象牙質に浸透して着色物質を分解します。
- この過程で象牙質内の神経に近い部分(象牙細管)が刺激されることがあり、知覚過敏を引き起こす原因となります。
ホワイトニングが歯や歯茎に刺激を与える理由

ホワイトニングは歯を白くするための効果的な方法ですが、施術中や施術後に歯や歯茎に刺激を感じる場合があります。この刺激にはいくつかの科学的な理由が関係しています。
1. ホワイトニング剤の成分とその作用
ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素(H₂O₂)や過酸化尿素は、歯のエナメル質を透過し、内側の象牙質に作用して着色物質を分解します。この分解作用は非常に効果的ですが、同時に歯や歯茎に刺激を与えることがあります。
エナメル質の透過
過酸化物は非常に小さな分子で、歯の表面から内側に浸透します。この過程で、歯の内部にある象牙細管を通じて神経に微小な刺激が伝わるため、歯が敏感になることがあります。
刺激性の強い成分
高濃度のホワイトニング剤を使用する場合、その刺激性が増し、歯茎の組織にも影響を及ぼす可能性があります。
2. 象牙細管の露出と知覚過敏
歯の表面のエナメル質が薄い場合や、酸蝕歯の状態にある場合、象牙細管が露出していることがあります。この状態では、ホワイトニング剤が象牙細管を通じて歯の神経に直接刺激を与えるため、知覚過敏が起こりやすくなります。
象牙細管とは?
象牙質には無数の細管(象牙細管)があり、これらは歯の神経と繋がっています。ホワイトニング中に細管が刺激されることで、一時的な痛みや不快感を引き起こします。
3. 歯茎への物理的・化学的な影響
ホワイトニングの際、薬剤が歯茎に付着すると、化学的な刺激により炎症やヒリヒリとした痛みを引き起こすことがあります。
化学的刺激
ホワイトニング剤が歯茎の柔らかい組織に接触すると、細胞が損傷を受け、炎症を引き起こします。特に薬剤が高濃度の場合、その影響が顕著です。
物理的刺激
オフィスホワイトニングでは光照射を併用することがありますが、光の熱や施術器具による物理的な接触が歯茎に負担をかける場合もあります。
4. 個人の歯の状態による影響
エナメル質が薄い
歯ぎしりや過剰な歯磨きによってエナメル質が摩耗している場合、刺激が象牙質に直接伝わりやすくなります。
歯や歯茎の健康状態
虫歯や歯周病がある場合、ホワイトニング剤が問題箇所に刺激を与え、痛みを感じやすくなることがあります。
5. ホワイトニング剤の濃度や方法の違い
ホワイトニングには主にオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2種類がありますが、それぞれの方法で刺激の強さが異なります。
オフィスホワイトニング
高濃度の薬剤を使用するため、即効性がある反面、歯や歯茎への刺激が強くなることがあります。
ホームホワイトニング
薬剤の濃度が低いため刺激は軽減されますが、使用方法を誤ると薬剤が歯茎に付着して炎症を引き起こすことがあります。
痛みを軽減する方法
ホワイトニング前の準備
- 歯科健診を受け、虫歯や歯周病の有無を確認します。
- 歯のエナメル質が薄い場合は、知覚過敏用の歯磨き粉を使用し、歯を保護します。
適切な薬剤の使用
- 歯科医院で濃度を調整してもらい、刺激を抑えることが可能です。
- ホームホワイトニングの場合、過剰に薬剤をトレイに入れないように注意します。
ホワイトニング後のケア
- 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する。
- 冷たい飲み物や酸性食品を避ける。
- 歯科医の指導を受けて痛みが治まらない場合は対処薬を処方してもらう。
まとめ

ホワイトニングで歯や歯茎が痛くなる原因には、歯の敏感さやホワイトニング剤の影響、歯茎の健康状態が関係しています。痛みを軽減するためには、事前に歯科衛生士と相談し、自分に適した方法や濃度を選ぶことが大切です。
また、歯周病や歯茎のトラブルがある場合は、ホワイトニングの前に適切な治療を受けましょう。正しいケアと対策を行うことで、快適にホワイトニングを続けることができ、美しい白い歯を手に入れる第一歩となります。
監修

歯科衛生士 坂上明美
医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科
【所属学会】
日本歯周病学会
日本審美歯科学会
日本医療機器学会
日本アンチエイジング歯科学会
【資格】
スイスデンタルアカデミーエキスパート
第2種滅菌管理士
ホワイトニングコーディネーター
デンタルコーディネーター