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顎関節症を予防するための生活習慣とは?

顎関節症を予防するための生活習慣とは?

現代社会では、スマートフォンやパソコンを長時間使用することが増え、姿勢が悪くなりがちで、顎関節に負担がかかり、顎関節症が増加しています。顎関節症の予防に役立つ生活習慣についてご説明します。

顎関節症とは?そのリスクと影響

男性

顎関節症は、顎関節に痛みや不快感を感じる症状を指します。主に顎の関節や周囲の筋肉に負担がかかることで発症し、口の開閉がスムーズにできなくなったり、噛む際に痛みが出たりします。顎関節症は軽度であれば自然に改善することもありますが、放置しておくと症状が悪化し、日常生活に支障をきたすことがあります。

顎関節症の症状

以下のような症状があった場合、顎関節症の疑いがあります。

  • 顎の関節や周囲の筋肉に痛みが生じる
  • 口を開閉するときに「カクカク」や「ガクガク」といった音がする
  • 口が大きく開けられない、または開けるのに困難を感じる
  • 顎や顔、首、肩にかけての違和感や緊張
  • 噛むときに顎の関節が不快に感じる
  • 歯ぎしりや食いしばりが見られる場合もある

顎関節症を予防するための基本生活習慣

顎関節症を予防するためには、以下のような生活習慣を心がけることが重要です。

1. 姿勢の改善

顎関節症の予防には、正しい姿勢を維持することが重要です。特にデスクワークやスマートフォンの使用時には、猫背や首が前に突き出る姿勢を取ってしまいがちです。このような姿勢では、頭の重さが首や肩に負担をかけ、顎関節にも大きな力がかかります。頭の位置が前にずれると、顎の動きが制限され、関節に負荷がかかることで顎の痛みや炎症を引き起こしやすくなります。

改善方法

正しい座り方

デスクに向かう際は、椅子に深く腰掛け、背筋をまっすぐ伸ばすよう心掛けましょう。肩はリラックスさせ、耳と肩が一直線になるように意識します。

スマホ使用時の注意

スマートフォンを見る際は、首を下げずに目の高さにスマホを持ち上げるようにします。これにより、猫背や首の前傾を防ぎ、顎に余計な負担をかけずに済みます。

2. 適度な運動

顎関節症の予防には、首や肩の筋肉をリラックスさせ、柔軟性を保つことも重要です。日常的に運動を取り入れることで、筋肉の緊張を和らげ、関節の動きをスムーズに保つことができます。特に、肩や首のストレッチや軽いエクササイズは、顎周りの筋肉の緊張を解消し、顎関節症の予防に効果的です。

改善方法

ストレッチ

首や肩をゆっくりと伸ばしていくストレッチを定期的に行い、筋肉のこわばりを防ぎます。特にデスクワークの合間に首をゆっくり回したり、肩を上下に動かすことで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。

軽い運動

散歩やヨガ、軽い筋トレなど、体全体を動かす運動を日常に取り入れましょう。運動することで全身の血流が良くなり、顎の周りの筋肉もリラックスします。

3. 噛む習慣を見直す

顎関節症の発症を防ぐためには、食事中の噛み方にも気を配る必要があります。普段から片側の顎だけで食べ物を噛んでいると、顎関節に偏った負荷がかかり、バランスが崩れることがあります。また、硬い食べ物を無理に噛むことも、顎の関節や筋肉に負担をかける原因となります。

改善方法

バランスよく噛む

食事の際には、左右の顎を均等に使って噛むことを意識しましょう。片側ばかりで噛むと、片方の顎関節に過度な負担がかかり、顎の歪みや関節炎の原因となります。

硬いものを避ける

極端に硬い食べ物は避けるか、小さく切るか割るかして少しずつ食べるようにしましょう。無理に硬いものを噛むと、顎に強い圧力がかかり、顎関節にダメージを与えます。

4. ストレス管理

ストレスは、無意識のうちに顎を緊張させ、歯を食いしばる原因となります。これが顎関節に過度な負担をかけ、顎関節症を引き起こす要因の一つとなります。特に、日中や就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしている場合、顎関節症のリスクが高まります。

改善方法

リラックス法の導入

ヨガや深呼吸、瞑想などのリラックス法を日常生活に取り入れ、ストレスを軽減する習慣を身につけましょう。これにより、顎の緊張が和らぎ、無意識の食いしばりや歯ぎしりを防ぐことができます。

マウスピースの使用

夜間に歯ぎしりをしてしまう方は、歯科医に相談してナイトガード(夜間に装着するマウスピース)を装着することを検討しましょう。これにより、就寝中の歯ぎしりや食いしばりによる顎関節への負担を軽減できます。

5. 定期的な歯科健診

顎関節症の予防のために、定期的な歯科健診を受けましょう。歯の噛み合わせや顎の異常が初期段階で見つかることで、早期に対策することができます。

改善方法

早期発見の重要性

顎関節の異常は、早期に発見することで、悪化を防ぐことができます。定期的な歯科健診を受けることで、顎の状態をチェックし、必要に応じて治療を受けることが顎関節症の予防につながります。

以上のように、生活習慣を見直すことで、顎関節症の発症リスクを軽減することができます。毎日の姿勢やストレス管理、食事の仕方に気を付けるだけで、顎関節にかかる負担を減らし、健康な顎を維持することが可能です。

食事習慣と顎の健康

食事

顎の健康を保つためには、バランスの取れた食事も大切です。

柔らかい食べ物ばかりに食べないようにする

柔らかい食べ物ばかりを食べ続けると、顎の筋肉が弱くなり、顎関節に負担がかかりやすくなります。ある程度の硬さのある食材も積極的に取り入れ、適度に顎を使うことが大切です。しかし、硬すぎる食べ物は避けるようにしましょう。

よく噛むことの重要性

食事の際にしっかりと噛むことで、顎の筋肉が適度に刺激され、顎関節の動きがスムーズになります。これにより、顎関節症の予防につながります。

睡眠環境の見直しで顎を守る方法

睡眠

良質な睡眠は、顎の健康にも深く関わっています。特に寝具や寝姿勢が悪いと、無意識に顎を緊張させてしまうことがあります。

枕と寝姿勢の改善

高すぎる枕や不自然な寝姿勢は、顎関節に負担をかける原因になります。自分の体に合った枕を選び、仰向けで寝る習慣をつけることで、顎関節への負担を減らすことができます。

定期的な歯科健診と専門的なケアの必要性

歯科健診

顎関節症の予防には、定期的な歯科健診を受け、早期に問題を発見することが不可欠です。顎の痛みや違和感を感じた場合、早めに専門の歯科医に相談することで、顎関節症の進行を防ぐことができます。

早期発見の重要性

顎関節症の初期段階での治療が早期回復につながります。健診で顎関節の状態をチェックし、必要に応じて適切な治療を受けることが、長期的な顎の健康を維持することに繋がります。

スマホを見るときの姿勢について

スマートフォン

顎関節症はスマホを見るときの猫背気味の姿勢と関係があります。猫背や前かがみの姿勢になると、頭が前方に出てしまい、首や肩の筋肉に過度な負担がかかります。この姿勢が長時間続くと、首や肩だけでなく、顎周りの筋肉や関節にも影響を与えます。

具体的には、頭が前方に傾くと、顎の位置も自然と変わり、顎関節に余計な負担がかかるため、顎関節症の原因となることがあります。また、スマホを見る際に無意識に歯を食いしばることも、顎関節症のリスクを高める要因となります。

そのため、スマホを使用する際は、背筋を伸ばして頭が前に出ないような姿勢を意識し、リラックスしながら使用することと、定期的に休憩を取ることが顎関節症の予防に効果的です。

まとめ

顎関節症の予防には、毎日の生活習慣の見直しが効果的です。姿勢を正してストレスを管理し、適度な運動を取り入れることが、顎関節への負担を減らします。

また、定期的な歯科健診や顎のリラックスを心掛けることも重要です。現代のライフスタイルに合った方法で、顎関節症のリスクを減らし、健康な顎を維持するための習慣を身に付けましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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