よくあるご質問
歯並び・歯列矯正

あなたの歯の中心、ずれていませんか?

あなたの歯の中心、ずれていませんか?

鏡の前で口を「イ」の形にした時に、上の前歯と下の前歯の中心がずれていませんか?改めて見ると、中心が少しずれていることに気づいた方もおられると思います。これは「正中不一致」と呼ばれ、見た目が気になるだけでなく、健康面にも影響を及ぼすことがあります。歯の中心がずれてしまう原因やリスク、治療法についてご説明します。

歯の中心がずれる原因

歯の中心がずれる主な原因として、以下の点が考えられます。

先天的な要因

生まれつき顎の骨格が非対称である場合、歯の中心がずれることがあります。これは遺伝的な要因や胎児期の発育状況によるものと考えられます。

日常生活の癖

以下のような癖が歯の中心のずれを引き起こすことがあります。

  • 爪を噛む
  • 頬杖をつく
  • 片側だけで食事をする
  • 舌で歯を押す

これらの癖が長期間続くと、顎の骨や歯並びが少しずつずれていき、気がついたら中心線がずれていた、ということもあります。

歯の生え方や本数の違い

歯の大きさや本数が左右で異なる場合は、歯並びがきれいであっても歯の中心がずれることがあります。不正咬合のある場合は、更にずれやすいです。例えば、片側だけに八重歯がある、親知らずが斜めに生えて他の歯を押しているなどの状況です。歯並びがガタガタなど、不正咬合の程度によっても、中心がずれることがあります。この場合は、歯列矯正で歯並びを整えることで中心線を合わせることが出来ます。

虫歯や抜けた歯の放置

虫歯を放置して片側の歯ばかり使ったり、抜けた歯をそのままにすることで、歯並びのバランスが崩れ、中心線のずれを引き起こすことがあります。まずずれの原因となっている歯の治療を行い、必要に応じて補綴治療や歯列矯正を行います。

歯の中心のずれを放置するリスク

歯の中心のずれを放置すると、以下のリスクが考えられます。

噛み合わせの悪化による消化不良

上下の歯の中心がずれると、噛み合わせが悪くなり、食べ物を十分に噛み砕けなくなります。その結果、食べ物を塊のままで飲み込んでしまって胃腸に負担がかかり、胃痛や消化不良を引き起こす可能性があります。

虫歯や歯周病のリスク増加

歯並びの乱れによって、歯垢が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特に、歯磨きがしにくい部分に歯垢が蓄積しやすくなります。歯列がでこぼこしている方は、歯が重なっている部分を特に気を付けて丁寧に磨きましょう。

頭痛や肩こり、顎関節症の原因

噛み合わせの問題が顎や首、肩の筋肉に負担をかけ、頭痛や肩こり、さらには顎関節症を引き起こすことがあります。

顔のゆがみや審美的問題

歯の中心のずれは、顔の左右非対称を引き起こし、見た目にも影響を及ぼします。特に笑顔の際に、歯の中心のずれが目立つことがあります。

歯の中心のずれを治す方法

歯の中心のずれを改善するための主な治療法は以下の通りです。

マウスピース矯正

マウスピース

透明なマウスピースを装着し、歯を徐々に移動させる方法です。目立ちにくく、取り外しが可能であるため、食事や歯磨きの際に便利です。ただし、適用範囲が限られ、重度の不正咬合には向きません。

  • 透明なマウスピースを使用して、歯を徐々に移動させる方法です。
  • 目立ちにくく、取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすいのが特徴です。
  • ただし、適用できる症例が限られるため、医師の判断が重要になります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正

歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーで調整しながら歯を動かす矯正方法です。強い力を加えることができるため、比較的短期間で効果が期待できます。一方で、見た目が気になる場合があるほか、食事や歯磨きの際に注意が必要です。

  • 幅広い症例に対応可能で、重度の歯列不正にも効果が期待できます。
  • ただし、目立ちやすく、食事や歯磨きの際に注意が必要です。(白いブラケットとワイヤーを使用することも出来ます)

ミニインプラント(オプション)

矯正治療の補助として、小さなインプラントを顎の骨に埋め込み、装置との間をゴムを引っ掛けることで結び、歯を効率的に動かします。歯を移動させるために強い力をかけることが出来るので、より短期間での矯正が可能です。重度のずれや難しい歯の移動を必要とする場合に有効です。

  • 矯正治療の補助として、小さなインプラントを顎の骨に埋め込み、歯を効率的に動かします。
  • 重度のずれや難しい歯の移動を必要とする場合に有効です。
  • 毎日ゴムの交換が必要になり、食事のときには外します。

補綴治療(クラウンやブリッジの活用)

  • 失われた歯が原因でずれが生じた場合、被せ物やブリッジで歯並びを調整します。
  • 矯正治療ほどの時間を要せず、比較的早く結果が出ることがある。
  • 歯を失った部分をインプラントで補うことも出来る。

外科矯正

  • 骨格的な問題が原因で歯の中心がずれている場合には、外科手術が必要になることがあります。
  • 特に顎の位置のずれが大きい場合には、顎矯正手術を組み合わせることで改善が可能です。
  • 外科矯正を受ける前に、担当医による検査や診断が必要になります。

矯正治療の注意点

矯正治療の期間

  • 矯正治療には数ヶ月から数年かかることが一般的です。途中で挫折してしまうことを防ぐために計画的な治療を受けることが重要です。

治療中の食事制限

  • ワイヤー矯正の場合、硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避ける必要がある。
  • マウスピース矯正では、食事のたびに取り外しが必要なため、外食時の飲食やマウスピースの取り扱いには注意が必要。

矯正後の後戻り防止策

リテーナー

リテーナーの使用

  • 矯正後、歯の位置を安定させるためにリテーナー(保定装置)を一定期間装着する必要があります。
  • 固定式(ワイヤータイプ)と取り外し可能なリテーナー(マウスピースタイプ)の2種類があり、症例に応じて選択されます。
  • 使用期間は個人差がありますが、医師の指示に従い継続することが大切です。

定期的な経過観察

  • 矯正後も、歯科医院で定期的なチェックを受けることが推奨されます。
  • もし後戻りが見られる場合は、早期に対応することで最小限の調整で改善できます。

生活習慣の見直し

  • 片側だけで噛む癖や、舌で歯を押す癖を直すことで、歯並びの乱れを防ぎます。
  • 姿勢を改善し、顎や顔のバランスを整えることも重要です。

適切な口腔ケアの継続

  • 矯正治療後も、正しい歯磨き習慣を維持し、歯垢の蓄積を防ぐことが大切です。
  • フロスや歯間ブラシを活用し、歯の間の清潔を保つことが後戻り防止にもつながります。

日常生活での予防とケア

歯磨き

歯の中心のずれを予防するためには、日々の生活習慣を見直すことが重要です。

正しい姿勢と癖の改善

  • 片側だけで噛む癖をなくす
  • 頬杖をつかない
  • 姿勢を正し、顔の左右バランスを整える

→これらの習慣を改善することで、歯や顎にかかる負担を減らし、歯の中心のずれを防ぐことができます。

定期的な歯科健診を受ける

  • 歯の健康状態を確認し、早期に問題を発見できる
  • 歯科医師による専門的なケアを受けることで、ずれの進行を防ぐ

→定期的に健診を受けることで、歯並びや噛み合わせの異常を早期に発見し、適切な対策を取ることが可能です。

適切な歯磨きなどのセルフケアを行う

  • 正しい歯磨きを行い、歯垢の蓄積を防ぐ
  • フロスや歯間ブラシを活用し、歯と歯の間の汚れを除去

→口腔内を清潔に保つことで、歯のトラブルを未然に防ぎ、健康な歯並びを維持できます。

まとめ

歯の中心のずれは、見た目が気になるだけでなく、噛み合わせや健康面にも大きな影響を与えます。

  • 先天的な要因や日常の癖、歯の生え方の違いなどが原因で起こる
  • 放置すると、噛み合わせの悪化や虫歯、顎関節症などのリスクが高まる
  • 矯正治療によって改善が可能であり、症状に応じて最適な治療法を選択することが重要
  • 予防のために、正しい生活習慣や定期的な健診、適切な歯磨きを心がける

歯の中心のずれが気になる場合は、早めに歯科医院を受診し、専門的な診断を受けることをおすすめします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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