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歯周病の原因とストレス・生活習慣病

歯周病の原因とストレス・生活習慣病まとめ

今回は「歯周病の原因とストレス・生活習慣病」についてまとめていきます。

歯周病の症状

女性

30代以上のうち、3人に2人がかかっているとされる「歯周病」。

まず自分は歯周病なのか、代表的な症状のチェックから!
以下1つでも当てはまれば、歯周病の可能性があります。

  1. 疲れストレスを感じると歯茎が腫れる
  2. 歯磨きのときに痛い・血が出る
  3. 口臭が気になる
  4. 歯茎が赤く腫れている
  5. 歯磨きをして寝たのに、起床時苦い味がする
  6. 歯が浮いているような感じがする・揺れている
  7. 歯茎がかゆいような感じがする
  8. 歯茎の退縮により歯が長くなったように見える
  9. 歯と歯の間に食べ物が挟まるようになった

歯周病の原因

袋

健康な歯周病でない方でも、お口の中には何百種類もの細菌が常にいます。これらはもともと悪い菌ではありません。しかし普段の歯磨きが不十分だと、この多くの細菌たちが元気になり歯垢(プラーク)を作り出します。

歯垢(プラーク)も、もちろん数多くの細菌を含んでいます。これが歯磨きによって取り除かれれば良いのですが、歯磨きが不十分だと細菌がさらに元気になり、歯や歯茎に悪さをします。これが歯周病の主な原因です。

ストレスも歯周病の原因になる?

スーパーマンの人形

ストレスは免疫機能を低下させ、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まることで歯周病の進行を助長します。特に、慢性的なストレスを抱えていると、口内環境が悪化し、歯周組織に炎症が起こりやすくなります。

【歯周病の原因】ストレスにより唾液が減る

唾液はお口の中をきれいに洗い流してくれたり、お口の中を殺菌したりpHを中性に保ったりとさまざまな良い機能があります。

しかしストレスを感じると唾液の分泌量が減り、それによりお口の中の衛生状態が悪くなって歯周病の原因となることがあります。

【歯周病の原因】ストレスによる歯ぎしり

歯ぎしりをすることが直接歯周病の原因になる・・・というわけではありません。しかしストレスを感じると、人は無意識のうちに歯ぎしりをしてしまうことがあります。就寝中に歯ぎしりをしていることもあります。

この歯ぎしりにより歯や歯茎、歯を支えている骨に強い力が加わります。この力が原因で、一部分だけ骨が少なくなるということが起こります。

【歯周病の原因】ストレスは食事に悪影響を及ぼす

ストレスが歯周病を引き起こす!というよりは、ストレスにより食事歯磨き習慣に影響が出て、間接的に歯周病の原因となりうるということです。

時間や気持ちに余裕があれば、栄養バランスを考えて食事を作ったり選ぶことができます。しかし仕事でとても疲れていたりストレスを感じていると、そこまで考える余裕はありませんよね。

栄養バランスの整っていない食事は、身体だけでなく歯茎にも影響を及ぼします。また免疫力を下げることにもつながり、歯周病が悪化しやすくなるという悪循環です。

【歯周病の原因】ストレスは歯磨きに影響を及ぼす

これは比較的想像しやすいかもしれません。

1日だけまともに磨けなかったなら大丈夫かもしれませんが、疲れやストレスは長期的に感じるもの。しっかり歯磨きできない日が続くと、もちろん歯周病は起こりやすくなります。

また先述の通り、ストレスにより食生活が乱れてくると甘いものや柔らかいもので済まそうとしがちです。これらは歯につきやすく歯垢(プラーク)が増える原因となり、歯磨き習慣の乱れと相まってより一層歯周病の原因となります

生活習慣病も歯周病の原因になる?

スイーツ

生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)と歯周病は、相互に影響を与えることが明らかにされています。特に、糖尿病は歯周病のリスクを大幅に高め、また歯周病が悪化することで血糖コントロールが難しくなるため、双方の管理が重要です。

糖尿病

特に生活習慣病の糖尿病に関しては、歯周病との関連が深いとされています。糖尿病にかかっている人はそうでない人に比べて、歯周病になっている割合が高いという研究結果が多く報告されています。

生活習慣病である糖尿病は歯周病の原因になるだけでなく、逆に歯周病が糖尿病の原因にもなるとも言われています。つまり糖尿病の治療を行えば歯周病が改善し、歯周病の治療を行えば糖尿病が改善するということです。

メタボリックシンドローム

「メタボリックシンドローム」とは、和訳すると「内臓脂肪症候群」。つまりは生活習慣との関わりが深い肥満のことです。

このメタボリックシンドロームを改善するために、最も重要なのは食生活です。栄養バランスの取れた、適切な量・カロリーの食事を続けなければいけません。またゆっくり食事を取ることも肥満の予防につながります。

歯と歯茎が健康であればしっかり噛むことができ、唾液が多く出ることでお口の中の清潔が保たれます。ゆえに歯周病があるとメタボリックシンドロームの改善がスムーズにいかなくなり、また逆に、メタボリックシンドロームの人は歯周病である可能性が高いとも言えるでしょう。

生活習慣病:動脈硬化

体のすみずみまで酸素や栄養素を運ぶ重要な役割を果たしているのが動脈です。この動脈が年齢とともに老化し、弾力性が失われて硬くなったり、動脈内にさまざまな物質が沈着して血管が狭くなり、血液の流れが滞る状態を動脈硬化といいます。

引用 コトバンク

歯周病にかかっている人は、そうでない人に比べて2.8倍もの確率で脳梗塞になりやすいと言われています。

喫煙による歯周病のリスク

喫煙も生活習慣病の一因であり、歯周病の発症・進行リスクを高める要因として重要です。ニコチンが歯茎の血流を阻害し、免疫機能を抑制するため、歯周病菌に対する防御力が低下します。また、喫煙者は歯茎が黒ずみ、出血などの初期症状が見えにくいため、歯周病が発見されるのが遅れることも多いです。

食生活による歯周病のリスク

不健康な食生活、特に高糖質、高脂肪の食事は、生活習慣病だけでなく、歯周病のリスクも高めます。栄養バランスの悪い食事は、免疫力の低下や細菌の増殖を招き、歯周組織の健康に悪影響を及ぼします。反対に、ビタミンCやカルシウムを豊富に含む食品は歯と歯茎の健康をサポートします。

歯周病とメンタルヘルスの関係

最近の研究では、メンタルヘルスと歯周病との関連も指摘されています。ストレスやうつ病、不安感が歯周病のリスクを高める要因となることが示されており、特にストレスを抱える人々は口腔ケアを怠りがちです。心の健康は口腔の健康にも影響を与えるため、メンタルケアは大変重要性です。

少しでも歯周病の症状を和らげるには

女性

日頃の疲れやストレスに自覚がある場合は、まずはそこを改善させましょう。

まずやるべきは歯磨き

歯周病の症状を和らげる最も手っ取り早い方法は歯磨きです。歯周病の原因はまず細菌です。生活習慣病など全身に原因がある場合はその治療も大切ですが、生活習慣病の治療をしても歯磨きをしないことには歯周病は良くなりません。

歯周病の歯磨きの仕方

歯茎が腫れている場合はやわらかめの歯ブラシを使い、歯と歯茎の境目をねらって細かく動かします。歯周ポケットの中に歯ブラシの毛先を入れ込むようにして動かすと、より効果的です。

歯磨き

正しい方法で磨かないと逆効果

そうは言っても、ただゴシゴシ磨けば良いわけではありません。ゴシゴシ磨くことで、逆に歯や歯茎を傷つけて症状を悪化させてしまうことも。

ゆえに一番良い方法は歯科医院に行って、正しい歯磨き方法を習い治療を受けることでしょう。歯や歯茎の状態次第で正しい歯磨き方法も変わってきます

今は痛みなど強い症状が出ていなくても油断は禁物。歯周病は症状が出にくい病気です。そのため症状が出た頃にはすでに手遅れ・・・なんてこともよくあります。歯周病はそういう病気なのです

歯周病の原因とストレス・生活習慣病に関するQ&A

ストレスが歯周病の原因になるのはなぜですか?

ストレスは歯周病の原因として複数の要因が考えられます。まず、ストレスによって唾液の分泌量が減り、口内の衛生状態が悪化することがあります。また、ストレスによって歯ぎしりをすることがあり、これが歯や歯茎に負担をかける要因となります。さらに、ストレスが食事や歯磨き習慣に影響を与え、それが歯周病の原因となる場合もあります。

歯周病の症状を和らげる方法はありますか?

歯周病の症状を和らげるためには、まず日頃の疲れやストレスを改善することが大切です。また、適切な歯磨きを行うことも重要です。歯茎が腫れている場合はやわらかめの歯ブラシを使い、歯と歯茎の境目を細かく動かす方法が効果的です。ただし、症状に合わせた適切な歯磨き方法を知るためには歯科医院での相談が必要です。

歯周病はどうして症状が出にくい病気なのですか?

歯周病は初期段階では症状が出にくい場合があります。それは、歯周病の初期はほとんど痛みを伴わないため、患者が自覚しにくいことが挙げられます。そのため、定期的な歯科検診や専門家の診断が重要です。早期発見・治療が行われることで、進行を防ぎ、重篤な状態に至るリスクを減らすことができます。

歯周病の原因とストレス・生活習慣病についてまとめ

歯のキャラクター

歯周病はお口の中だけの問題に思われがちですが、全身の健康にとっても大きな影響を与えるものなのです。少しでも症状を感じた場合は、早めに歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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