今回は「歯周病ケアの方法」について解説します。
歯周病予防・ケアの方法
歯周病の予防や、歯周病を治すためにはとにかく「お口の中の細菌数を減らす」ことを心がけましょう。
【歯周病予防・ケアの方法①】毛先の細い歯ブラシで磨く
すでに歯周病になっている方や、歯茎から血が出るという方がすべき磨き方はこうです。
歯と歯茎の間には、「歯周ポケット」という溝があります。
この「歯周ポケット」に歯ブラシの毛先を入れ込むようにして磨くと、歯周病に効果的です。
このとき、毛先が平らにカットされている歯ブラシを使っても良いですが、毛先が少し細くなっている歯ブラシだとより効果的です。なぜならその細くなっている部分が上手く歯周ポケットに入り込んでくれるからです。
▼歯周病ケアにおすすめの歯ブラシはこちらでまとめています。
また硬い歯ブラシだと痛みを感じることがあるので、やわらかめ〜ふつうの硬さの歯ブラシを使いましょう。
✔︎毛先が少し細くなっている歯ブラシ
✔︎やわらかめ〜ふつうの硬さの歯ブラシ
いま出血などはなく、歯茎が健康で引き締まった状態である場合は、無理に歯周ポケットに毛先を入れ込む必要はありません。毛先が平らにカットされた歯ブラシでも構いません。「歯と歯茎の境目も磨く」というのを意識しながら磨きましょう。
【歯周病予防・ケアの方法②】歯周病用歯磨き粉で磨く
現在歯磨き粉はさまざまなものが売られています。市販されているだけでもかなりの数なので、その中から1つを選ぶのは簡単ではありませんよね。
どの歯磨き粉であっても、基本的には歯を強くする「フッ素」が含まれています。いま出血などはなく、歯茎が健康で引き締まった状態である場合は、どの歯磨き粉を使っても正直大差はないです。というのも、歯磨き粉はあくまで補助的なものであって、汚れが落ちるかどうかは「歯の磨き方」にかかっているからです。つまり歯磨き粉をつけなくても、しっかり磨けていれば歯周病にはなりません。
ただ歯周病だと言われたり、歯茎から出血が目立つ方は歯周病用歯磨き粉を使って磨くと良いでしょう。それらには、歯茎を活性化させたり細菌をつきにくくする成分などが含まれています。歯ブラシだけでなく歯周病用歯磨き粉の力を借りることで、より効果的に歯周病ケアを行うことができます。
▼歯周病ケアにおすすめの歯磨き粉はこちらでまとめています。
https://www.matsumoto.or.jp/toothteeth/perio-paste/
【歯周病予防・ケアの方法③】フロス・歯間ブラシを併用する
実は歯ブラシだけで落とせる汚れは全体の60〜70%程度と言われています。
なぜ歯ブラシだけでは100%磨くことができないのか?それは、お口の中には歯ブラシの毛先がどうしても届かない・届きにくい部分があるからです。
それが「歯と歯の間」。歯と歯の間に歯垢(プラーク)が入りこむと、歯ブラシだけでは取りきれません。また被せ物やブリッジが入っているところも、歯ブラシだけでは取りきれません。
上の図は「糸ようじ」を使用していますが、フロスと要領は同じです。歯間ブラシは糸ようじやフロスのように歯と歯の間を完全に通ることはできませんが、歯茎に近い部分を確実に掃除することができます。
歯間ブラシが入る隙間には歯間ブラシを使いましょう。入らない場合は無理に通さず、フロス(糸ようじ)のみでOKです。
汚れの取れやすさとしては1位:歯間ブラシ、2位:フロス、3位:糸ようじです。
【歯周病予防・ケアの方法④】マウスウォッシュを併用する
歯磨き+マウスウォッシュでケアすると、更に効果的に汚れを落とすことが出来ます。粘膜部分の汚れも残さず落としたいからです。
歯ブラシで歯を磨いただけでは落とせない粘膜部分にも、細菌は残りがちです。お口の中すみずみまできれいにするためには、歯磨きにプラスしてマウスウォッシュの使用がおすすめです。
「L8020乳酸菌」という言葉を聞いたことがありますか? 乳酸菌と聞くとお腹の健康に良い・・・?と思ってしまいますが、「L8020乳酸菌」はお口の健康に良い乳酸菌です。歯周病・虫歯菌の抑制に効果があるとされています。
L8020乳酸菌が入った水溶液に触れさせると、30秒後には歯周病菌が99.9%以上減少したという実験結果が出ています。また虫歯菌も99.9%以上減少したという結果も出ています。
▼歯周病予防とガムの関係についてはこちらでまとめています。
歯周病予防・ケアのためにやめるべきこと
【歯周病予防・ケアの方法⑤】喫煙(タバコ)
タバコは体に悪いだけでなく、歯や歯茎にとっても良くありません。喫煙(タバコ)をやめない限りは、歯周病治療をしてもなかなか治りません。1日10本以上喫煙すると歯周病になるリスクが5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍にも上昇すると言われています。
参考 日本臨床歯周病学会
【歯周病予防・ケアの方法⑥】早食い
唾液には、汚れを洗い流したり殺菌したりする効果があります。しかし早食い=食べ物をよく噛まないでいると、その唾液が十分に出ません。これは歯周病や虫歯、口臭につながります。
【歯周病予防・ケアの方法⑦】ストレスの多い生活
ストレスを感じることで、無意識に歯ぎしりをしていませんか?
歯ぎしりは思っている以上に歯や歯茎に力がかかっています。これにより炎症が起こりやすくなり歯周病の原因となり得ます。またストレスを感じるような多忙な生活では、歯磨きがおろそかになったり、雑になりやすいです。これも歯周病の原因となり得ます。
歯周病を放置するとどうなる?
歯周病を放置していると、歯茎から血が出たり、口臭を感じたりします。さらに進むと、歯周病菌により歯を支えている骨が溶かされ、それにより歯が揺れ、しまいには勝手に抜けてしまいます。
歯周病が怖いのは「痛みが出にくい」ということ。虫歯であれば歯が黒くなったり、痛みが出たりするのですぐに気づけます。しかし歯周病はそうではありません。自覚症状がないまま進行し、自覚症状が出るころには手遅れということがしばしばあります。
歯周病予防・ケアの方法に関するQ&A
歯周病にかかるリスクが高い場合は、歯周ポケットに細い歯ブラシの毛先を入れ込むように磨くことが効果的です。毛先が少し細い歯ブラシを使用し、歯と歯茎の境目を意識して磨きます。
歯ブラシだけでは届きにくい部分は「歯と歯の間」や被せ物やブリッジが入った箇所です。これらの部分には歯ブラシの毛先が届かないため、追加のケアが必要です。
歯周病を放置すると、歯茎からの出血や口臭が現れます。さらに進行すると、歯周病菌によって歯を支える骨が溶かされ、歯が揺れたり抜けたりする可能性があります。歯周病は自覚症状が少ないため、進行してから気づくことが多いため早めの予防が重要です。
歯周病予防・ケアの方法まとめ
いまや全身との関わりも深いとされる歯周病。歯が抜けると食事に影響が出るのはもちろんのこと、入れ歯など治療費がかさんだり全身の健康にも関わってきます。周りに嫌な顔をされないためにも、歯周病の予防やケアを積極的に行っていきましょう。
▼歯周病の治療の流れについてはこちらでまとめています。
監修
歯科衛生士
医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科
歯周病治療には歯のクリーニングが欠かせません。歯周病治療のことならお気軽にご相談下さいね。LINE相談可。大阪梅田、なんば、心斎橋、吹田、豊中、神戸に医院があります。
歯周病治療についてもっと詳しく