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親知らずが痛いのはなぜ?

親知らずが痛い原因と対処法まとめ

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

今回は「親知らずが痛い原因」について書いていきたいと思います。

▼親知らずを抜歯した後に痛みが出ている場合は、こちらを参考にしてください。

親知らずが痛い原因

親知らずは一番奥に生えている歯であり、以下のような特徴があります。

  • 磨きづらい
  • 汚れが溜まりやすい
  • 歯茎の炎症が起きやすい
  • 痛みが生じやすい

そのため、親知らずが痛くなる主な原因として、以下のようなものが考えられます。

  1. 親知らずの萌出不全・・親知らずが正しく生えきらず、歯茎に埋まった状態や斜めに生えている場合、周囲の組織を圧迫し、痛みを引き起こします。
  2. 親知らずの炎症(智歯周囲炎)・・親知らずの周囲の歯茎が炎症を起こし、腫れや痛みが生じることがあります。これは、歯茎の一部が親知らずに覆いかぶさり、細菌が繁殖することで引き起こされます。
  3. 虫歯・・親知らずは奥に位置しているため、歯磨きが難しく、虫歯になりやすいです。虫歯が進行すると、痛みが生じることがあります。

親知らずが痛いときの対処法

親知らずのあたりが痛いのは歯垢(プラーク)などの汚れが原因であることが多いです。痛みのある時は、以下のような対処を行いましょう。

1. 冷却

親知らずの痛みを感じる部分に冷たいタオルや氷を包んだ袋を当てることで、炎症を抑え、痛みを和らげることができます。冷却は15〜20分間行い、その後少し時間を置いてから再び行うと効果的です。

2. 痛み止めの使用

市販の痛み止め(鎮痛薬)を使用することで、痛みを一時的に和らげることができます。イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬が一般的に用いられます。ただし、用法用量を守り、長期間の使用は避けてください。

3. 塩水でのうがい

温かい塩水でうがいをすることで、炎症を抑え、痛みを軽減することができます。塩水は、コップ一杯の温かい水に小さじ1杯の塩を混ぜて作ります。うがいは数回繰り返し行うと効果的です。

4. 食事の工夫

親知らずの痛みが強い場合、硬い食べ物や辛いものを避け、柔らかい食べ物を選ぶようにします。刺激の少ない食事を心がけることで、痛みを和らげることができます。

5. 歯科医の受診

親知らずの痛みが続く場合や、腫れがひどくなる場合は、早めに歯科医を受診することが重要です。必要に応じて、親知らずの抜歯や抗生物質の処方が行われることがあります。

親知らずの生え方はさまざま

 

書類を書いている人

親知らずは

①他の歯と同じようにまっすぐ生えている

②部分的に歯茎に埋まったり斜めに生えていて他の歯に悪影響を与えている

③丸ごと全部歯茎に埋まっている(レントゲンでしか見えない)

④生まれつき存在しない

の4パターンがあります。

特に②の部分的に歯ぐきに埋まっている状態だと、親知らずの周り・歯ぐきとの境目などに汚れが溜まりやすく、歯茎の炎症が起きやすくなります。

また①の他の歯と同じようにまっすぐ生えていても、一番奥にあるため歯ブラシが届きづらく、虫歯や歯茎の炎症が起こりやすいです。

親知らずが痛みを繰り返す場合は

 

痛みを繰り返すようなら抜歯を検討しましょう。上下の親知らずがまっすぐ生えていて、そこでものを噛むなど機能しているなら良いですが、そうでなければ親知らずはほとんど機能していない歯です。

炎症・痛みを繰り返しているならなおさら良いことはありません。歯茎の炎症だけでなく、虫歯になっている場合は手前の歯に影響することも

また親知らずが歯茎に埋まっている場合などは難しい抜歯となります。そのため町の歯医者では行わず、大学病院へ行くよう言われることもしばしば。

そしてやはり、年齢が若いほど抜歯後の治癒が早いです。そのため親知らずは早めに抜歯するべき歯であると言えます。

親知らずの痛みに関するQ&A

親知らずの生え方はどのようなパターンがありますか?

親知らずの生え方には、まっすぐ生えているもの、部分的に歯茎に埋まっているもの、完全に歯茎に埋まっているもの、存在しないものの4つのパターンがあります。

親知らずが部分的に歯茎に埋まっているとどうなりますか?

親知らずが部分的に歯茎に埋まっている場合、汚れが溜まりやすく、歯茎の炎症が起きやすくなります。

親知らずの痛みが繰り返す場合、どうすれば良いですか?

痛みが繰り返す場合は、抜歯を検討するべきです。親知らずはほとんど機能していない歯であり、炎症や虫歯が起きる可能性があります。

まとめ

親知らずは分厚い歯茎を突き破って出てくるため、生えて来る際には多少の痛みが伴います。親知らずの生えて来る位置や角度が悪く、隣の歯を押している場合にも痛みが出ます。また、一番奥の歯ですので、歯磨きが難しく、汚れが溜まりやすいために虫歯や歯周病が起こることがあります。

親知らずが引き起こしている痛みへの対処は、歯磨きの徹底と歯科の受診が必要で、抗炎症薬や抗菌薬が助けになる場合もあります。
親知らずの生え方により、痛みが起きやすく炎症を繰り返す場合は、抜歯が検討されます。抜歯は大学病院で行う場合もあり、若い年齢ほど回復が早い傾向があります。親知らずの痛みには早めのケアと治療が重要です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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