日常生活で無意識に摂取している食べ物が、実は口臭の原因になっていることがあります。さらに、これらの食べ物の成分が体内で分解される過程や口腔内の環境によって、匂いが強調されることも。口臭を引き起こしやすい意外な食べ物や、その対策方法についてご説明します。
口臭の原因になる食べ物
口臭の原因になる、意外な食べ物からご紹介していきます。
1. 小松菜・キャベツ・ブロッコリー
口臭の原因として意外なのが野菜。野菜の中でも小松菜やブロッコリー、キャベツといったアブラナ科の野菜は、口臭の原因になると言われています。
アブラナ科の代表的な野菜
ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、かぶ、白菜、大根、わさび、カリフラワー、ケール、ルッコラ、クレソン
アブラナ科の野菜には「インドール」という成分が多く含まれています。インドールはがんの予防に有効とも言われていますが、口臭の原因にもなります。インドールを含んだ食べかすや汚れがお口の中にいると、発酵した結果腐った野菜のようなにおいを発するのだそうです。
2. 砂糖
甘いお菓子や甘い飲み物にはかなりの量の砂糖が含まれています。砂糖がお口の中に残っていると、細菌が元気になります。これにより虫歯や歯周病が悪化し、口臭の原因となります。
特に砂糖が多く含まれる飲み物や食べ物はこちら。ゴクゴク飲みがちなカルピスウォーター500mlには、角砂糖18個分もの砂糖が含まれています。
3. 乳製品・卵
乳製品は消化過程で硫化物を生成しやすく、それが口臭の原因となることがあります。特に乳糖不耐症の人は、乳製品の摂取後に強い口臭を感じることが多いです。消化しにくい食品が体内で分解されると、悪臭を放つガスが発生しやすいため、乳製品も注意が必要です。
4. 納豆
納豆菌がお口の中で発酵すると、アンモニア成分が発生して口臭の原因となります。納豆自体の発酵が進んでいると、なおにおいが強くなります。
5. ねぎ・たまねぎ・ニラ
ねぎやたまねぎ、ニラといった野菜には「アリシン」という成分が多く含まれています。アリシンは血糖値の上昇を抑えたり、疲労回復効果などがありますが口臭の原因ともなります。
6. にんにく
ねぎやたまねぎ、ニラと同様、にんにくにはアリシンという成分が多く含まれています。この成分が口臭の原因となっています。
不思議なのは、にんにくそのものにはアリシンは多くないということ。にんにくを切ったり刻んだり、つぶしたりすることでアリシンが作られてにおいを発するようになります。
7. 魚介類
特に油分が多い魚は消化過程で揮発性硫黄化合物が生成され、口臭を引き起こすことがあります。また、魚の匂いが残りやすく、歯磨きや口腔ケアが不十分だと長時間にわたって口臭の原因になることがあります。
8. カフェインを含む飲料
コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲み物は、唾液の分泌を抑制し、口腔内の乾燥を引き起こします。口が乾くと細菌が増殖しやすくなり、口臭を悪化させる原因になります。特にコーヒーは独特の強い匂いが口に残りやすいため、飲んだ後には水で口をすすぐことが推奨されます。
酸味の強い果物
オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類は口臭の原因となることがあります。これらの果物に含まれる酸が口腔内のpHバランスを乱し、細菌の増殖を促進することがあります。また、柑橘類の酸が歯のエナメル質を傷つけることもあるため、食べた後のケアが重要です。
食べ物による口臭を止める方法
歯磨き・うがいをする
口臭の原因になる食べ物を食べた後は、しっかり歯を磨きましょう。食べかすが残っていると口臭の原因になります。また時間が経つと歯垢(プラーク)ができ、こちらも口臭の原因になります。
歯だけでなく舌の上にも汚れはつきます。舌の上をこすったり、うがいをしっかりしましょう。
口腔ケア製品の活用
マウスウォッシュや歯間ブラシなどを活用することで、食べ物が原因で発生する口臭を予防することができます。特に食後すぐに使用することで、食べ物の残留物を効果的に除去し、長時間の口臭予防が期待できます。
ガムを噛む
唾液が減り、お口の中が乾燥することも口臭につながります。食べ物による口臭をさらに強くしないよう、ガムを噛んで唾液を出しお口の中を潤わせましょう。
ガムやミントの選び方
無糖ガムやキシリトール入りのガムは、唾液の分泌を促進し、口腔内を清潔に保つ効果があります。ただし、香りが強いミント系のガムやキャンディーは一時的に口臭を抑えますが、糖分が含まれている場合、かえって口腔内の細菌の繁殖を促すことがあるため、注意が必要です。
生野菜やリンゴを食べる
セロリやにんじん、リンゴなどの生野菜や果物は、口腔内を自然に洗浄する働きがあり、食後にこれらを摂取することで口臭の原因物質を減らすことができます。また、これらの食品には歯の表面をこすり取る作用があり、口内環境を清潔に保つ効果も期待できます。
口臭に効く飲み物を飲む
赤ワインに含まれるポリフェノール、緑茶や紅茶などに含まれるカテキンも口臭を消すのに効果的と言われています。
食後の水分摂取
口臭を引き起こす食べ物を摂取した後は、口腔内に残った食べ物の成分を洗い流すために、こまめに水を飲むことが推奨されます。水は口腔内の細菌を減少させ、唾液の分泌を促進することで、口臭の予防に役立ちます。
口臭の原因がわからない場合
家族に口臭を指摘されればもちろんのこと、電車の中で近くの人が嫌な顔をしたり、友人にガムを勧められたり。ちょっとしたことから、自分の口臭が気になり始める方は多くいます。
また口臭はかなりデリケートな問題なので、言えない・指摘できないという方は多くいます。これはつまり、自分から口臭がしていても、多くの人は言ってくれないということ。
口臭は自分ではわからないものだからこそ、一度気になり始めると不安は募っていくばかりですよね。周りの人の気持ちが気になって口を開けて笑えなかったり、話しづらくなったりします。
自分の口臭の原因がわからない方におすすめなのが「口臭検査」です。口臭検査では、口臭を数値化するためだけに作られた専用の機械を使います。口臭が数値化されると、自分の口臭は実際にあるのか?人を不快にさせるほどなのか?といったことがわかります。つまり自分の口臭を客観視できるというわけです。
またそれだけでなく、口臭検査を行うことで口臭の原因もはっきりわかります。専用の機械が、口臭のもとになっている成分(においのもと)を診断し、その成分はどこから来ているのが教えてくれるのです。
自分の口臭の原因がわかれば、歯を治療したり胃腸科に行ったり口臭ケア用品を見直してみたり、対策が取れますよね!そのために行うのが「口臭検査」です。
まとめ
口臭の原因は、意外な食べ物や飲み物に隠されていることが多く、食後のケアが不十分だと悪化する可能性があります。自分の食生活を見直し、適切な口腔ケアを心がけることで、口臭を予防しやすくなります。また、口臭の原因がわからない場合は、口臭検査を受けてみるのもおすすめです。周囲を気にせず、笑顔で会話を楽しむためにも、日々のケアと予防を大切にしましょう。