
裏側矯正(舌側矯正、リンガル矯正)は、矯正装置を歯の裏側に装着することで目立たない矯正治療法として人気があります。しかし、治療期間に関しては、表側矯正と異なる特徴がいくつかあります。裏側矯正の治療期間の目安やその特徴を解説し、どのような方におすすめかについてご説明します。
目次
裏側矯正の治療期間

一般的に、裏側矯正の治療期間は 1年半から3年程度とされています。ただし、これは患者さんの歯並びの状態や目標、治療計画によって異なります。治療期間に影響する要因には以下のようなものがあります。
不正咬合の種類と程度
軽度の歯並びの乱れであれば短期間で済む場合がありますが、重度の不正咬合の場合は治療期間が長くなります。
患者さんの年齢
成長期の子供に比べ、大人の場合は歯の動きが遅いため、治療期間が延びる傾向があります。
治療計画
歯をどの程度動かす必要があるか、また抜歯の有無などによっても治療期間は変動します。
患者さんの協力度
ゴムかけの装着や定期的な通院をしっかり守ることが治療期間短縮に重要です。
不正咬合別の裏側矯正の治療期間
裏側(舌側・リンガル)矯正は装置が歯の裏側についているため、歯科医師の技術が必要とされます。そのため治療が難しい=治療期間が長くなるという意見もあるようです。
しかし歯列矯正の専門医院であったり、裏側(舌側・リンガル)矯正を得意としている歯科医院であれば、他の方法と比べて治療期間に差はないと言えるでしょう。
裏側矯正の治療期間について、以下の表は症例のタイプ別に治療期間を示しています。なお、個々の症例によって異なる場合がありますので、あくまで一般的な目安としてご参照ください。
開咬
症例タイプ | 治療期間の目安 |
---|---|
軽度の開咬 | 12〜18ヶ月 |
中等度の開咬 | 18〜24ヶ月 |
重度の開咬 | 24〜36ヶ月 |
叢生
症例タイプ | 治療期間の目安 |
---|---|
軽度の叢生 | 12〜18ヶ月 |
中等度の叢生 | 18〜24ヶ月 |
重度の叢生 | 24〜36ヶ月 |
過蓋咬合
症例タイプ | 治療期間の目安 |
---|---|
軽度の過蓋咬合 | 12〜18ヶ月 |
中等度の過蓋咬合 | 18〜24ヶ月 |
重度の過蓋咬合 | 24〜36ヶ月 |
反対咬合
症例タイプ | 治療期間の目安 |
---|---|
軽度の反対咬合 | 12〜18ヶ月 |
中等度の反対咬合 | 18〜24ヶ月 |
重度の反対咬合 | 24〜36ヶ月 |
裏側(舌側・リンガル)矯正とは

歯の表側ではなく、文字通り裏側に装置をつけて歯並びを治す方法です。

裏側矯正の特徴が治療期間に与える影響
裏側矯正は目立たないという大きなメリットがありますが、治療期間において次のような特徴が影響を与えることがあります。
装置のデザイン
装置は表側装置に比べて複雑であり、歯の動きを細かく制御するのにやや時間がかかることがあります。
装着の精密さ
歯の裏側は表側よりも形状が複雑で、装置の取り付けに高度な技術を要します。そのため、治療の初期段階で時間がかかる場合があります。
歯の動き方
裏側から力を加えることで歯が動く方向や速度に若干の違いが生じるため、治療期間が若干延びる可能性があります。
治療期間を短縮するためのポイント
治療期間をできるだけ短縮するために、患者さん自身が注意できるポイントを以下にまとめました。
歯磨きの徹底
裏側矯正では、装置が歯垢を溜めやすい場所にあるため、歯磨きを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯の健康を維持することで治療の中断を防ぎます。
指示されたゴムかけの使用
医師からゴムかけを指示された場合は、それをしっかり守ることで、歯の動きを効率的に進めることができます。
定期的な健診の受診
決められたスケジュールで通院し、装置の調整を受けることが重要です。
食生活の見直し
硬いものや粘着性のある食べ物は装置の破損の原因となり、治療期間を延ばす可能性があります。
具体的な治療の流れと期間の目安
1. 初診とカウンセリング(1〜2週間)
患者さんの希望や治療目標を確認し、必要な検査を行います。
2. 治療計画の作成(2〜3週間)
歯型の採取やデジタルスキャンを行い、詳細な治療計画を立てます。
3. 装置の装着と調整(1〜2週間)
矯正装置を歯の裏側に装着し、治療をスタートします。
4. 定期的な通院と調整(6ヶ月〜2年以上)
通常、月に1回程度の通院で装置の調整を行います。
5. 保定期間(1〜2年)
歯並びが元に戻らないようにリテーナーを使用します。この期間は治療の仕上げ段階といえます。
裏側(舌側・リンガル)矯正【こんな方におすすめ】

- 装置が目立つのが嫌な方
- 営業・接客など、仕事上見た目に気をつかう方
- スポーツをやっている方
1. 装置が目立つのが嫌な方
目立たないということは裏側(舌側・リンガル)矯正の最大のメリットであり、特徴でもあります。
2. 営業・接客など、仕事上見た目に気をつかう方
芸能人でも裏側(舌側・リンガル)矯正をやっている方がいるくらい、裏側(舌側・リンガル)矯正は装置が目立たないのが特徴です。
営業職や接客業をやっている方などは、装置により仕事に影響が出る・・・という方も少なくありません。
歯列矯正の装置をつけていることを知られず、かつ確実に歯並びをきれいに治したい方裏側(舌側・リンガル)矯正はおすすめです。
3. スポーツをやっている方
実はスポーツをやられている方にもおすすめできるのが裏側(舌側・リンガル)矯正です。表側矯正の場合、激しい動きやスポーツなどで粘膜が傷ついてしまう可能性があります。表側に装置がついているため、粘膜に当たりやすいのです。
裏側(舌側・リンガル)矯正はそのリスクが大きく減ります。歯の裏側に装置がついているため、激しい動きやスポーツでも装置が粘膜に当たりにくいのです。
裏側矯正の治療期間と他の方法との比較
裏側矯正は表側矯正やインビザラインに比べて、治療期間が若干長くなる傾向があります。ただし、次のような特徴を考慮することが重要です。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正では歯の表側にブラケットとワイヤーを装着するため、力のコントロールが比較的容易であり、治療期間が短くなる場合があります。
インビザライン
透明なマウスピース型装置を使用する方法で、軽度から中等度の不正咬合に適しています。治療期間は症例によりますが、裏側矯正よりも短い場合が多いです。
ただ、インビザラインは1日22時間以上の装着が必要で、装着時間が守れない場合は歯が計画通りに動かず、治療期間が長引く原因となります。
まとめ

裏側矯正(舌側・リンガル矯正)は、見た目を気にせずに治療を進められる大きなメリットがあります。治療期間は症例に応じて1〜3年程度と他の方法とほぼ同じで、軽度から重度の不正咬合にも対応可能です。
また、職業上見た目を気にする方やスポーツをする方にとっても適した治療法です。ご自身に合った矯正方法を見つけるために、まずは専門家に相談してみましょう。