よくあるご質問
インプラント・入れ歯

インプラント用歯磨き粉のおすすめ

インプラント用歯磨き粉のおすすめ

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

インプラントを長持ちさせるためには、歯磨き粉の選択は重要で、周囲組織を守り、口腔内を清潔に保つことに繋がります。インプラントケアに最適な歯磨き粉として「コンクール ジェルコートIP」や「バイオリペア PRO」などの特徴や選び方のポイントをご説明します。

インプラントケアに適した歯磨き粉の特徴

インプラント専用の歯磨き粉を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

研磨剤が少ないものを選ぶ

インプラントの表面は天然の歯よりも傷つきやすいため、研磨剤の含有量が少ない歯磨き粉が適しています。

抗菌作用がある成分を含むもの

歯垢の蓄積を防ぐために、抗菌作用のある成分(例えば、クロルヘキシジンやトリクロサン)が配合されている歯磨き粉が効果的です。

フッ素含有量が適量のもの

フッ素は虫歯予防に有効ですが、インプラントの場合、過剰なフッ素は金属部分に影響を与える可能性があるため、適量であることが望ましいです。

低刺激であること

歯茎が敏感な患者さんにとって、刺激の少ない成分が含まれている歯磨き粉は快適な使用感を提供します。

インプラント用歯磨き粉の選び方

1. 歯磨き粉の成分を確認する

  • キシリトール・・キシリトールは歯垢の生成を抑え、虫歯菌の活動を弱める効果があります。
  • クロルヘキシジン・・抗菌成分として広く使われており、インプラント周囲の健康を維持する助けとなります。
  • フッ素濃度・・日本国内ではフッ素濃度が1500ppm以下の製品が推奨されています。

2. 使用感を考慮する

  • ペーストタイプ、ジェルタイプなど、自分が使いやすい形状を選びましょう。ジェルタイプはよりマイルドな使用感が特徴です。

3. 専門医のアドバイスを受ける

インプラント治療を受けたクリニックで、患者さんの口内環境に適した歯磨き粉を推薦してもらうのも良い方法です。

インプラント用歯磨き粉のおすすめ

粉
  1. コンクール ジェルコートIP
  2. バイオリペア PRO

1. コンクール ジェルコートIP

言わずと知れた王道歯磨き粉で、その実力は王道と言われるほどです。歯科関係者から圧倒的に支持を得ていると思います

コンクール ジェルコートIPは、インプラントケアのためだけに作られた歯磨き粉です。文字通り形状はジェル状です。

✔︎フッ素無配合でインプラントを守る

 

市販の歯磨き粉には配合されていて当然・むしろ配合されていてほしい「フッ素」。しかしこれは、インプラントにとっては良くないものでもあります。

なぜならフッ素によってインプラントが腐食され、それによりインプラント周囲炎のリスクが高まるから。これは最近の研究でも明らかにされています。

https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/statement/file/statement_20150508.pdf

✔︎塩酸クロルヘキシジンの高い殺菌力

高い殺菌力が認められた殺菌剤配合により、歯周病インプラント周囲炎を予防します。

✔︎歯茎の健康を守る

高い殺菌力だけでなく、歯茎の血行促進成分も配合。これにより歯茎の血流が活性化され、歯茎の健康を守ります。

2. バイオリペア PRO

✔︎フッ素無配合でインプラントを守る

インプラントを腐食させる可能性があるフッ素無配合です。これによりインプラントを入れている方でも、安心して使用することができます。

✔︎ラクトフェリンでお口の健康を守る

もうちょっと細かい話をするとこの歯垢(プラーク)は、外からの刺激から内部を守るような構造になっており、これを「バイオフィルム」といいます。バイオフィルムがあることで、歯垢(プラーク)は歯などにくっつき、取れにくくなっているのです

このバイオリペア PROに含まれているラクトフェリンは、このようなバイオフィルムが作られるのを防いでくれます。

✔︎ヒアルロン酸で歯茎の健康を守る

ヒアルロン酸が含まれていることで、歯茎の健康状態を持続させることができます。

インプラントはなぜ歯磨きが重要?

歯ブラシ

インプラントを入れてからこそ重要になってくるのが、毎日の歯磨きと歯科医院でのメインテナンスです

インプラントを入れた後でも歯周病のように歯茎が腫れることがあります。これを「インプラント周囲炎」といい、進行するとインプラントごと取れてしまうなどトラブルの原因となります。

これらの原因のほとんどは歯垢(プラーク)と言われています。

そのため気づいたころにはインプラント周囲炎がかなり進行しており、インプラントごと取れてしまった・・・ということも。ゆえに日頃からセルフケアと歯科医院でのメンテナンスを徹底し、前もって防ぐことが重要なのです。

研磨剤の少ないものを選ぶ

研磨剤が多い歯磨き粉は、インプラントの表面を傷つけたり、歯茎を刺激する可能性があります。そのため、低研磨剤、もしくは無研磨剤の歯磨き粉が推奨されます。

抗菌作用のある成分

インプラント周囲炎の予防には、歯磨き粉に含まれる抗菌成分が有効です。例えば、クロルヘキシジンやティーツリーオイルなどの成分が含まれた歯磨き粉は、細菌の繁殖を抑える効果が期待できます。

▼インプラント周囲炎などトラブルについて詳しくはこちら

https://matsumoto.or.jp/toothteeth/implant-failure/

フッ素含有の歯磨き粉に関する注意点

フッ素濃度の選び方

フッ素は歯の再石灰化を促進し、天然歯の強化に効果がありますが、インプラントの場合は高濃度のフッ素が金属やインプラント素材に影響を与える可能性があるため、適切な濃度のものを選ぶ必要があります。一般的に、低濃度(1000ppm以下)のフッ素を含む歯磨き粉が安全です。

歯茎ケアに焦点を当てた歯磨き粉

インプラント周囲の歯茎の健康がインプラントの長期的な成功に直結します。そのため、歯茎のケアに特化した歯磨き粉を選ぶことが重要です。

抗炎症成分の重要性

インプラントを支える歯茎が炎症を起こさないように、抗炎症成分を含む歯磨き粉が推奨されます。例えば、アロエベラやカモミール抽出物は、歯茎の炎症を和らげる効果があります。

研磨剤や発泡剤が少ない歯磨き粉の利点

インプラントに優しい成分

発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)は口腔内を刺激し、インプラント周囲の歯茎に負担をかける可能性があります。発泡剤を使用していない歯磨き粉や、刺激が少ないものを選ぶことで、より快適にインプラントのケアができます。

ナチュラルな成分の歯磨き粉の推奨

最近では、ナチュラル志向の歯磨き粉も人気があり、特にインプラント周囲のデリケートな組織を優しくケアできる製品が注目されています。

天然成分の抗菌効果

ティートゥリーオイルやユーカリオイルなどの天然成分は、細菌を抑える効果があり、インプラントケアに適しています。化学物質を避けたい方にとって、ナチュラル成分を使用した歯磨き粉は選択肢の一つです。

ケアにはインプラント専用のものを

水

市販されている歯間ブラシなどの素材によっては、インプラントそのものを傷つけてしまう可能性があります。表面に傷がつくと面が荒くなり、細菌がつきやすくなることも。

そのため、毎日の歯磨きやセルフケアにはインプラント専用のものを使用しましょう。

インプラントにおすすめの歯磨き粉まとめ

歯のキャラクター

インプラント用の歯磨き粉は、フッ素無配合や抗菌成分の含有など、インプラントの健康を守るために特化した製品が多くあります。「コンクール ジェルコートIP」や「バイオリペア PRO」は、インプラント周囲炎の予防や歯茎の健康維持に優れた効果を発揮します。

適切な歯磨き粉を使用し、定期的な歯科メンテナンスを受けることで、インプラントを長持ちさせ、健康な口腔環境を維持しましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

▶プロフィールを見る