
インプラントは一般的に高額で保険が適用されないことが多い治療ですが、一部の条件を満たせば保険適用が可能なケースもあり、医療費控除や高額療養費制度を活用することで負担を軽減できます。保険が適用される条件や、費用を抑える方法についてご説明します。
インプラントが高額な理由

インプラント治療は、失った歯を補うための選択肢ですが、他の方法と比べて費用が高額であることが特徴です。その理由は、治療に必要な素材や設備、技術、時間、さらには治療後のケアまで、多くの要素が含まれているためです。費用が高額になる具体的な理由は以下のようなものです。
1. 高品質な素材の使用
インプラント体(人工歯根)の素材
インプラント体はチタンやジルコニアといった生体適合性の高い素材で作られています。
- チタンは人体に安全で、骨と結合する性質があり、耐久性も非常に高いです。
- ジルコニアは審美性が求められるケースで使用されることが多く、さらに高額です。
これらの素材は高度な製造技術を要するため、コストが高くなります。
人工歯の素材
- 上部構造(人工歯)は、審美性や耐久性を重視してセラミックやジルコニアなどの高価な素材が使用されます。
- 特にセラミックやジルコニアは、患者さんごとにオーダーメイドで作成され、歯の色や形を自然に再現するための手間と技術がかかります。
2. 高度な技術と専門知識
手術技術の高度化
- インプラント埋入手術は、歯科医師が高い技術を要する外科的治療です。顎の骨の状態、神経や血管の位置を考慮しながら正確に埋め込む必要があります。
- このため、歯科医師は特別なトレーニングや資格を取得している場合が多く、それに見合った治療費が発生します。
CTやデジタル技術の利用
- インプラント治療では、事前にCTスキャンやデジタル技術を活用して顎の骨や神経の位置を詳しく調べ、最適な治療計画を立てます。
- CTやデジタル技術の導入には高額な設備投資が必要であり、これが治療費に反映されます。
3. 長期間にわたる治療計画
複数ステップの治療
インプラント治療は、1回の診療で完了するものではなく、以下のような複数のステップを経て行われます。
- 初診と診断
- 手術(人工歯根の埋入)
- 骨と人工歯根の結合期間(数カ月間)
- アバットメントと人工歯の装着
各ステップで費用がかかり、治療が長期間に及ぶため、総費用が高くなります。
術後のフォローアップ
手術後も定期的な検診やクリーニングが必要です。これにより、インプラントの状態を維持し、長期間にわたって快適に使用できるようサポートします。
4. 個別対応とオーダーメイド治療
患者さんごとの治療計画が必要
インプラント治療は、患者さんの口腔状態に合わせた完全オーダーメイドで行われます。
- 骨の厚みや高さに応じたインプラント体の選定
- 噛み合わせの調整や審美性への配慮
このため、治療にかかる手間や時間が増え、費用が高くなります。
骨造成などの追加治療
- 骨の量が不足している場合には、骨造成(骨を補う治療)が必要となります。この治療には追加費用がかかり、全体の費用を押し上げる要因となります。
インプラント治療で保険がきくのはどんな時?

基本的にはインプラントは保険がきかない自由診療です。
1. 生まれつきあごの骨が少ない場合
生まれつきあごの骨が広範囲に渡って欠損していることがあります。この場合のインプラント治療は保険がききます。ただ、大きな病院など条件が整った施設でなければいけません。
インプラント治療で保険適用がされる施設の条件
- 歯科または歯科口腔外科の病院であること
- 歯科または歯科口腔外科に5年以上の経験がある、または、3年以上のインプラント治療の経験がある常勤医師が2名以上配置されている
- 当直体制が整備されている
- 医療機器や医薬品の安全確保のための体制が整備されている
2. 病気や事故によりあごの骨を失った場合
事故や病気などにより、あごの骨を広範囲に失った場合のインプラント治療にも、保険がききます。保険がきく施設は上と同じです。
できる限り安くインプラントにする方法
基本的に保険がきかないインプラントですが、制度を利用すれば負担を軽くすることができます。
1. 医療費控除を利用する
医療費控除とは
自分自身や自分と生計を一にする配偶者や親族が、毎年1月1日~12月31日までの一年間に支払った医療費を、その年の所得税から差し引くことができる制度のこと。医療費控除について記した確定申告書を提出することにより利用できる。
引用 コトバンク
医療費控除は、最高で200万円までが控除の対象となります。インプラント治療で支払った金額や、通院にかかった交通費などにも適応されます。
医療費控除を受けるためには、翌年の確定申告期間に、近くの税務署へ書類を出さなくてはいけません。
インプラントは医療費控除対象?
インプラント治療は医療費控除が適用されますので、忘れずに申告しましょう。医療費控除を利用すれば、総合的にみて費用を抑えて受けられます。インプラント治療は美しさを手に入れるために行われる美容整形や、ホワイトニングなどとは異なる医療行為のため、医療費控除の対象になります。
2. 高額療養費制度を利用する
高額療養費制度(高額医療費制度)とは
被保険者の医療費の自己負担額が高額になる場合、負担を軽減するために、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、保険者から払い戻される制度。
引用 コトバンク
高額療養費制度の上限額は、本人の所得や年齢によっても変わります。高額療養費制度については、健康保険組合に申請書を出さなくてはいけません。期間も決まっているので問い合わせてみましょう。
3. デンタルローンを組む
この方法は費用を安くするというよりは、支払い1回あたりの負担を軽くするものです。
▼デンタルローンについてはこちらでまとめています。
※格安インプラントはおすすめできません
安さを売りにしている歯科医院や、格安インプラントにはそれなりの理由があります。その理由は例えば、
・十分な検査をせずにインプラント治療を行っている
・トラブル時の保証がない
・トラブル時にメーカーに対応してもらえない
などが考えられます。
インプラント治療は、骨に人工物を埋め込むというれっきとした手術です。安いからという理由でインプラントにすると、かえって悪化したりトラブルにになったりする可能性があります。
まとめ

インプラント治療は基本的に自由診療ですが、生まれつきの歯の欠損や事故による骨欠損がある場合は保険が適用されるケースもあります。また、医療費控除や高額療養費制度を活用することで、費用負担を軽減することが可能です。
ただし、格安インプラントには注意が必要で、信頼できる歯科医院で安全な治療を受けることが最優先です。制度やローンを賢く活用し、ご自身に合った方法を選びましょう。
監修

歯科衛生士
医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科
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