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インプラント・入れ歯

インプラント・ブリッジ・差し歯を比較

インプラント、ブリッジ、差し歯の特徴とメリット・デメリット

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

今回は「インプラント・ブリッジ・差し歯の比較」について書いていきます。

インプラント・ブリッジ・差し歯の比較

矢印

インプラント、ブリッジ、差し歯それぞれの特徴やメリット・デメリットについてまとめていきます。

【比較①】インプラント

インプラント

✔︎インプラントの特徴

もともとインプラント(implant)とは、身体に人工物を埋め込むことを言います。その中でも歯のインプラントとは、虫歯や歯周病などにより歯を失った場合、あごの骨に歯の代わりとなるものを埋め込むこと。

あごの骨に埋め込むので、ただ歯に引っかけている入れ歯などと違い、自分の歯のように噛むことができるのが特徴です

歯のインプラントは3つのパーツからできています。

インプラントの構造

✔︎インプラントのメリット

歯のインプラントのメリットは、何より「自分の歯のようにものを噛むことができる」という点でしょう。入れ歯などは近くの歯に引っかけて支えるため、ほかの歯に負担をかけることになります。しかしインプラントはそのようなことがありません。失った歯の部分のみ治療すれば済みます。

加えて、インプラントは見た目も良いです。他の人から見て、その歯がインプラントであることはほとんどわかりません。自分の歯のように見せることができます。

✔︎インプラントのデメリット

インプラントは、治療を受ける歯科医院選びも難しいです。

歯のインプラントのデメリットは外科手術が必要である点、また基本的に保険がきかないため治療費が高額となる点です。加えて歯のインプラントは、インプラントを入れてからも徹底した管理が必要です。インプラントを入れてからの管理を怠ったり、歯科医院に定期的に通わないとすぐだめになってしまうこともあります。

インプラント治療の中で、最も重要なのは「メンテナンス」です。どんなに高級なインプラントを入れても、どんなに腕のいい歯科医師が手術をしても、メンテナンスを怠ればインプラントはすぐだめになります

またメンテナンスをどんなにしっかり行なっていても、手術がぱっちり成功しても、そのインプラントがだめになる可能性は0ではありません。それはどの治療においても言えることです。

せっかく費用をかけてインプラントを入れても、いずれだめになる可能性は否定できない。ゆえに、歯科衛生士の私だったら「保証の充実度」で歯科医院を選びます。

【比較②】ブリッジ

ブリッジ

✔︎ブリッジの特徴

ブリッジ(bridge)はその名の通り、「橋」をかけるような治療法です。虫歯や歯周病などで歯を失った部分を、その両隣にある歯を支えにして補います。一度つけたら基本的には取ることができません。

ブリッジの説明図

使用している材質によって保険がきく時ときかない時があります。

✔︎ブリッジのメリット

ブリッジは入れ歯と違い、ひっかけるバネなどがないので見た目が良く、違和感もあまりありません。また基本的には保険がきくので、比較的安価に治療することができます。

✔︎ブリッジのデメリット

先述のとおり、ブリッジは両隣の歯を支えにしてかぶせていくもの。そのため、支えとする歯は大きく削らなければなりません。また両隣の支えとなる歯には、ずっと負担がかかり続けます。

どんなに良い治療を受けても、もともとの自分の歯ほど優れたものはありません。それらを犠牲にしなければいけないのがブリッジのデメリットです。

また、ブリッジは一度入れたら基本的には取ることができません。ゆえにブリッジの形態によっては汚れがたまりやすこともあります。だめになってしまわないよう、セルフケアの徹底が必要です。

【比較③】差し歯

差し歯

こちらも材質によって保険がきく時ときかない時があります。

✔︎差し歯の特徴

差し歯は、虫歯や歯周病などにより歯の大部分を失い、歯の根っこのみが残った場合。根っこの治療をした後、根っこの上に支えとなるものを立て、その上から歯をかぶせる治療です。

差し歯の説明図

✔︎差し歯のメリット

歯の根っこの周りには「歯根膜」という、感覚を感じるための組織があります。

天然歯の図解

差し歯は歯の根っこと同様、この歯根膜も残った状態で治療をしていきます。そのためかぶせる歯は人工のものですが、ものを噛んだときの感覚は残すことができます。また治療期間が短く、周りの歯への負担がかかりにくいというのもメリットでしょう。

✔︎差し歯のデメリット

差し歯は自分の歯の根っこをもとに治療をしていきます。そのため差し歯をしてからも、歯の根っこが割れてしまったり状態が良くないと、結局抜歯になってしまうことも。また歯の根っこの上に作った支えごと取れてしまうなどのリスクもあります。

インプラント・ブリッジ・差し歯の比較表

特徴 インプラント ブリッジ 差し歯
適用 歯が完全に失われた場合 両側の歯が健全で支えられる場合 歯が部分的に損傷している場合
治療期間 長期(数ヶ月) 中期(数週間~数ヶ月) 短期(1日~数週間)
費用 高い 中程度 比較的安い
見た目の自然さ 非常に自然 自然 自然
耐久性 非常に高い(10年以上) 高い(5~10年) 中程度(数年)
メンテナンス 定期的なプロフェッショナルクリーニングが必要 通常の歯磨きとフロスで十分 通常の歯磨きとフロスで十分
外科手術の必要性 必要(骨に埋め込むため) 不要 不要
周囲の歯への影響 なし 支えとなる歯を削る必要がある なし
使用感 自然な咬み心地 自然な咬み心地 ほぼ自然な咬み心地
利便性 食事制限なし 支えとなる歯に負担がかかることがある 欠けやすい場合がある

インプラント・ブリッジ・差し歯の比較に関するQ&A

インプラント治療は他の方法と比べてどのような利点がありますか?

インプラント治療の利点は、自分の歯のように噛むことができることです。また、見た目も自然で他人にはほとんどわからないことが特徴です。

ブリッジ治療の特徴は何ですか?

ブリッジ治療は、歯を失った部分を両隣の歯を支えにして補う治療法です。一度装着すると患者さん自身で取り外すことはできません。

差し歯治療の特徴は何ですか?

差し歯治療は、歯の大部分を失った場合に、残った歯根を利用してかぶせる治療法です。治療期間が短く、周囲の歯への負担が少ないという特徴があります。抜歯をして歯を完全に失っている場合は、差し歯での治療は出来ません。

インプラント・ブリッジ・差し歯の比較まとめ

それぞれの治療法にはメリットだけでなくデメリットもあります。自分の歯の状態やセルフケアをどこまでしっかりできるかによっても選択肢は変わってきます。また費用をかけられるかどうかなどを考慮し、自分に一番合った治療法を見つけていきましょう

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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