よくあるご質問
インプラント・入れ歯

インプラントとブリッジの併用って実際どうなの?

インプラントとブリッジの併用って実際どうなの?

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

特に1~2本の歯を失った場合に「インプラントとブリッジの併用」が検討されます。この治療法には、費用や身体への負担を軽減するメリットがある一方、特有のデメリットも存在します。インプラントとブリッジ併用の具体例や利点、注意点をご説明します。

インプラントとブリッジの併用

男性と女性

インプラント治療とは?

インプラント治療は、失った歯の根の部分に相当する人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯(被せ物)を装着する方法です。この治療法は、周囲の天然歯に負担をかけず、自然な見た目と機能を回復できる点が特徴です。

ブリッジ治療とは?

ブリッジ治療は、失った歯の両隣の健康な歯を削り、支台歯として利用し、その上に連続した人工の歯(ブリッジ)を装着する方法です。この治療法は、比較的短期間で治療が完了し、固定式のため安定感があります。

一般的なブリッジは、自分の歯を削って支えとします。

ブリッジの説明図

インプラントブリッジそれぞれの特徴、メリットとデメリットはこちら

https://matsumoto.or.jp/toothteeth/implant-bridge-core/

インプラントとブリッジ併用ってどんな治療法?

1〜2本連続して歯を失ったとき

虫歯や歯周病などで、連続して1〜2本の歯を失ったとき。

  1. 両隣の自分の歯を削ってブリッジにする
  2. 失った部分に1本あるいは2本インプラントを入れる
  3. 失った部分の一部にインプラントを入れ、そこから近くの自分の歯を削ってブリッジとする(インプラントとブリッジの併用
  4. 部分入れ歯にする

などが主な治療法として考えられます。どの治療法にもメリットとデメリットがありますが、今回は下図のような③インプラントとブリッジの併用について。

インプラントと自分の歯でブリッジをかぶせる

(※実際の見た目とは異なります)

3本以上連続して歯を失ったとき

虫歯や歯周病などで連続して3本以上歯を失った場合は、入れ歯にするのが一般的です。3本以上失っているのにブリッジにすると、両隣の支えとなっている歯に負担がかかりすぎるためです。

しかし3本以上連続して歯を失った場合でも、状態によりますがインプラントと併用すればブリッジにすることが可能です

インプラントでブリッジをかぶせる

(※実際の見た目とは異なります)

インプラントとブリッジ併用によるメリット

1. 費用を抑えられる

完全なインプラント治療では、欠損した歯ごとにインプラントを埋め込む必要があり、その分費用が高額になります。一方、インプラントを支台に利用してブリッジを装着することで、以下の理由から治療費用を軽減できます。

  • インプラントの本数を減らせる
    例えば、3本の歯が欠損している場合、両端にインプラントを2本埋入し、その間をブリッジで補えば、3本分のインプラント埋入費用が2本分に抑えられます。

  • 補綴物(人工歯)のコスト削減
    1本ずつの単独インプラント用の人工歯より、ブリッジで一体化した補綴物の方が費用が安いことが一般的です。

2. 治療期間の短縮

通常のインプラント治療では、すべての欠損部にインプラントを埋入し、骨との結合(オッセオインテグレーション)が安定するまで数ヶ月の待機が必要です。ブリッジを併用することで、以下の理由から治療期間が短くなることがあります。

  • 埋入本数の減少
    インプラントの本数が少ないほど手術時間や回復期間が短縮されます。

  • 即時負荷が可能な場合がある
    インプラントの初期固定が安定していれば、手術直後に仮のブリッジを装着して咬合機能を早期に回復させることもできます。

3. 顎骨への負担を軽減

インプラントは、天然歯と同様に顎骨に力を伝える役割を果たします。これにより、以下のような効果が得られます。

  • 骨吸収の予防
    歯が欠損した部分の顎骨は使われなくなるため、時間とともに吸収(減少)します。インプラントが支台となることで、骨に適切な負荷をかけることができ、骨吸収を防ぎます。

  • 残存歯への負担軽減
    通常のブリッジでは隣接する天然歯を支台として利用するため、それらの歯に過剰な負担がかかる場合があります。一方で、インプラントを支台にすることで天然歯を守ることが可能です。

4. 審美性と機能性の回復

インプラントを支台としたブリッジは、以下の点で審美性と機能性に優れています。

自然な見た目の実現
インプラントが支台となることで、歯茎との接触部分が自然に見えるよう設計できます。また、複数本の人工歯が一体化したブリッジは、隙間や段差が少ないため見た目が滑らかです。

咬合機能の回復

インプラントは顎骨に直接固定されるため、咬合時の力にしっかり耐えられます。特に奥歯など咀嚼に重要な部位で力を発揮します。

歯並びの安定

欠損部が埋まることで、隣接する歯の傾斜やずれを防ぎ、全体的な歯列の安定に寄与します。

5. カスタマイズ性の高さ

インプラントとブリッジを組み合わせることで、患者さん一人ひとりの口腔環境に合わせた柔軟な治療が可能になります。

骨の状態に応じた設計

顎骨が十分にある部位にはインプラントを埋入し、骨量が不十分な部分はブリッジで補うなど、顎骨の状態に合わせた最適な治療計画が立てられます。

他の治療法との併用

必要に応じて部分入れ歯やクラウンなども組み合わせることで、患者さんの希望や状況に応じた総合的な治療が可能です。

6. 長期的な安定性

インプラントは適切にメンテナンスを行うことで長期的に機能します。ブリッジを併用した場合でも、以下のような利点が期待できます。

力の分散

ブリッジの構造を工夫することで、噛む力を複数の支台に分散させ、1本のインプラントへの負担を軽減します。

耐久性の向上

インプラントとブリッジを正しく組み合わせることで、それぞれの長所を活かし、長期間にわたって安定した機能を保つことができます。

インプラントとブリッジ併用によるデメリット

  • 支台歯への負担・・ブリッジの構造上、支台となるインプラントや天然歯に負担が集中しやすく、長期的に見るとこれらの歯やインプラントの寿命に影響を与える可能性があります。
  • 清掃の難しさ・・インプラントとブリッジを併用することで、清掃が複雑になる場合があります。特にブリッジの下部やインプラント周囲の歯垢の管理が難しくなり、炎症や歯周病のリスクが増大します。そのため、日常の歯磨きや歯科での定期的な健診が非常に重要です。
  • 適用条件が限られる・・インプラントとブリッジの併用治療は、すべての患者さんに適用できるわけではありません。顎の骨の状態や健康状態、その他の要因によっては適応外となることもあります。

ブリッジの支えとなる歯の両方が自分の歯、あるいはインプラントであれば、片方に力がかかり過ぎるということはあまりありません。

しかしインプラントを併用したブリッジだと、かみ合わせに問題が起きるとインプラントごと抜けてしまう可能性があります。もちろんインプラントの支えだけでなく、自分の歯の支えも割れたり折れたりする可能性が高まります。これはインプラントと自分の歯では構造が異なり、機能も異なるからです。

ゆえにインプラントと自分の歯をつなげるというブリッジは行われず、通常の自分の歯同士をつなげるブリッジか、インプラント同士をつなげるブリッジが一般的なようです。

治療後のメンテナンスの重要性

インプラントとブリッジの併用治療後は、以下の点に注意することが重要です。

  • 定期的な健診・・歯科医院での定期的な健診を受け、口腔内の状態をチェックしてもらいましょう。
  • 適切な歯磨き・・ブリッジ部分を含め、丁寧な歯磨きを心掛け、歯垢の蓄積を防ぎましょう。
  • 専門的なクリーニング・・歯科衛生士による専門的なクリーニングを定期的に受けることで、口腔内を清潔に保つことができます。

治療を成功させるためのポイント

インプラントとブリッジの併用治療を成功させるには、以下のポイントが重要です。

適切な診断と計画

治療の成否は、初期の診査と治療計画に大きく依存します。経験豊富な歯科医師のもとで治療を進めることが重要です。

正確なメンテナンス

ブリッジの下部やインプラント周囲を清掃するため、歯間ブラシやフロスを積極的に活用しましょう。また、歯磨き指導を受けることもおすすめです。

定期的な健診

インプラントやブリッジの状態を長期的に維持するために、定期的な健診が欠かせません。専門的なクリーニングで歯垢や歯石を除去し、健康を保ちましょう。

インプラントとブリッジの併用まとめ

サイクリング

 

インプラントと自分の歯でブリッジをかぶせる

今回は上図のようなインプラントとブリッジの併用の場合についてまとめました。

インプラントとブリッジの併用は、失った歯の本数や口腔の状態に応じて、費用や負担を抑えつつ自然な見た目と機能を実現できる選択肢です。しかし、自分の歯とインプラントの構造や機能の違いにより、トラブルが発生するリスクもあるため、治療計画やかみ合わせの調整が重要です。治療を検討する際は、歯科医師と十分に相談し、ご自身の口腔環境やライフスタイルに最適な方法を選びましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

▶プロフィールを見る
▶吹田の歯医者なら「まつもと歯科」