今回は「子供の歯の生え変わり」について書いていきたいと思います。
目次
歯の生え変わりの時期
子供は身体の成長にともなってあごの骨が成長し、歯の生え変わりはおおむね6〜12歳頃にかけて起こります。
▼乳歯(子供の歯)
↓
▼永久歯(大人の歯)
ただ身長や体重の増加、運動能力などに個人差があるのと同じで、歯の生え変わりの時期にも個人差があります。
6歳±2年くらいで最初の歯が生え変わるというお子さんは多く、ゆえに4~8歳あたりの生え変わりであれば「早すぎる!」「遅すぎる!」と心配することはないでしょう。
また生え変わったばかりの歯は、実はまだ未完成。歯の根っこの部分まで完成するのはさらに2〜3年ほどかかると言われています。
前歯・奥歯のすべてが永久歯に生え変わる時期は、こちらのサイトがわかりやすくまとめられています。
歯はいつ作られている?
歯のもととなるものを「歯胚(しはい)」といいます。乳歯の歯胚は、実は妊娠7~10週目にはもう作られています。
例えば永久歯の中で最も早く生えてくる第一大臼歯や前歯は、妊娠12~20週頃にはもう歯胚ができています。
歯の生え変わりが早いと歯並びが悪くなる?
歯の生え変わりが早いと、以下のような歯並びへの影響が考えられます。
1. 永久歯が十分に生えるスペースが確保できない
乳歯が早期に抜けてしまうと、永久歯が生えるためのスペースが確保されず、隣の歯が移動してしまうことがあります。これにより、永久歯が生えるスペースが不足し、歯が重なったり、傾いたりして不揃いな歯並びになるリスクが高まります。
具体例
乳歯が予想より早く抜けた場合、周囲の歯がその空間に移動し、結果として永久歯が斜めや横向きに生えてくることがあります。
2. 顎の発育と歯の生え変わりのバランスが崩れる
顎の成長は歯の生え変わりと連動しています。早い時期に乳歯が抜けると、顎の成長が追いつかず、歯と顎のサイズに不均衡が生じる可能性があります。顎が十分に成長していない状態で大きな永久歯が生えると、歯並びが不揃いになりやすくなります。
リスク
特に犬歯や臼歯などの大きな歯は、生えるために多くのスペースを必要とするため、顎の成長が不十分な場合、正しい位置に生えにくくなることがあります。
生え変わりが早い原因
乳歯の生え変わりが通常より早い原因には、いくつかの要因が考えられます。
外傷や虫歯
外傷による乳歯の早期脱落や、虫歯で乳歯がダメージを受けることが原因で、通常の時期より早く抜けることがあります。
遺伝的要因
家族に早い時期に歯が生え変わる傾向がある場合、同様のケースが見られることがあります。
発育の早さ
一般的に成長が早い子供は、歯の生え変わりも早くなる傾向があります。
歯の生え変わりの時期に注意すべきこと
①歯磨きを徹底し虫歯を予防しましょう
②乳歯でも虫歯ができたら治療しましょう
①歯磨きを徹底する
生えてきたばかりの乳歯・生え変わったばかりの永久歯は、しっかり生えそろった歯と比べると実はやわらかいです。また歯の表面の目が荒く、ざらざらしているのが特徴です。
ゆえに生え変わったばかりの歯は酸などに溶けやすく、私たちが思っているよりも簡単にむし歯になってしまいます。また目が荒いことで汚れがつきやすくなっています。
汚れがつきやすい上に虫歯になりやすいというダブルパンチです。そのため、いつも以上にしっかりとした歯磨き・虫歯予防が重要となってきます。
②乳歯でも虫歯は治療が必要
小児歯科にいるとき「子供の歯はどうせ抜けるから治療しなくていいですよね?」という声を時々耳にします。しかしこれは大きな間違い。
あとから生えてくる永久歯は歯茎の中、つまり乳歯の下で成長を続けています。そのため乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の質や歯並びに悪影響を及ぼしてしまうのです。
永久歯の歯並びを考えたとき、生え変わりの時期よりこちらの方が重要ですね。
永久歯は子供が今後一生使っていくもの。その永久歯を大切にするために、乳歯に虫歯や異常があったら必ず歯科医師に相談し、必要に応じて治療を受けるようにしましょう。
歯の生え変わりの時期に関するQ&A
はい、身長や体重の増加、運動能力などと同様に、歯の生え変わりの時期にも個人差が存在します。
多くの子供たちは6歳±2年頃に最初の歯が生え変わります。すなわち、4歳から8歳頃が一般的な生え変わりの時期です。
生え変わったばかりの歯は未完成で、歯の根の部分まで完成するのにさらに2~3年ほどかかると言われています。
歯の生え変わりの時期まとめ
赤ちゃんや子供は歯磨きを嫌がることがほとんどで、ママやパパが頑張ってもなかなか磨けない・・・ということはよくあります。自分たちで抱え込まず、歯科医院で小児歯科のプロに相談するのも手です。
また生え変わりの時期も不安がつきもの。歯並びの状態によっては生え変わりが終わる前から歯列矯正を始めることもあります。いずれにせよ、不安があったら遠慮なく歯科医院で歯科医師や歯科衛生士に相談してみるのが一番です。