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歯周病・虫歯・被せ物

虫歯の穴に食べ物が詰まる場合の治療について

虫歯の穴に食べ物が詰まる場合の治療について

虫歯になると、歯のエナメル質が酸によって溶けて穴があきます。虫歯進行すると、歯にあいた穴に食べ物が詰まりやすくなります。虫歯の穴に食べ物が詰まるとどうなるか、そして治療方法についてもご説明します。

歯に食べ物が詰まることで起こる問題

虫歯の穴に食べ物が詰まると、さまざまな問題が発生します。以下に代表的な問題をあげます。

  • 痛みや不快感・・食べ物が詰まると、圧迫されて痛みや不快感を感じることがあります。
  • 虫歯が広がる・・詰まった食べ物を取り除かれないと、細菌が増殖し、新たな虫歯が発生するリスクが高まります。
  • 口臭・・食べ物が詰まったまま放置すると、腐敗し、口臭の原因になります。
  • 歯茎の炎症・・食べ物が腐敗して細菌が発生し、炎症を引き起こすことがあります。

虫歯の穴に食べ物が詰まる場合の応急処置

虫歯の穴に食べ物が詰まった場合、早急に取り除くことが重要です。以下に応急処置の方法を紹介します。

  • デンタルフロス・・食べ物を取り除くためにデンタルフロスを使用します。歯と歯の間にフロスを通して、詰まった食べ物をフロスの糸に絡めて取り除きます。
  • 歯間ブラシ・・歯間ブラシを使って、歯と歯の間の詰まった食べ物を取り除きます。
  • うがい・・食後にしっかりと水でうがいをして、食べ物のカスを洗い流します。

歯科医院での治療法

虫歯の穴の大きさや食べ物のつまり具合によって治療方法が違いますので、ご説明します。

1. 虫歯の穴が小さい場合の軽度の詰まり

・食事中に一時的に食べ物が詰まるが、自分で取り除ける。
・詰まりが頻繁ではなく、痛みや不快感が少ない。

治療方法

詰め物(コンポジットレジン)・・虫歯や小さな穴が原因の場合、レジンを直接詰めるレジン充填という方法で穴を埋める。

レジン充填の特徴
  • 自然な見た目・・コンポジットレジンは歯の色に合わせて調整できるため、治療後の見た目が自然です。
  • 硬さと耐久性・・近年の技術の進歩により、レジンの硬さと耐久性が向上しており、奥歯の咬合圧にも耐えることができます。
  • 即時治療・・通常、1回の通院で治療が完了します。レジンは光を当てることで硬化するため、その場で固めることができます。

2. 虫歯の穴がやや大きい場合の中程度の詰まり

  • 食べ物が頻繁に詰まり、自分で取り除くのに手間がかかる。
  • 詰まりによる不快感や軽度の痛みを感じることがある。

治療方法

  • 詰め物・・虫歯が中程度の場合、歯型を取って詰め物を作製して歯に接着して穴を埋める。

詰め物の種類

1. コンポジットレジン
  • 歯とほぼ同じ色に調整可能な合成樹脂材料。審美性が高く、自然な見た目を保ることが出来る
  • 前歯や小さな虫歯の治療に適している
  • 短時間で治療が完了し、比較的低コスト
  • 汚れがつきやすく、長期間の使用で変色や摩耗が生じることがある
2. 銀歯
  • 主に奥歯の治療に使用されます
  • 非常に強く、咬合力に耐えることができる
  • 見た目が銀色で目立ち、審美性に劣る
3. セラミックインレー
  • 陶器で作られた詰め物。自然な歯の色に近く、審美性が非常に高い。
  • 前歯や奥歯の審美的な治療に使用される
  • 変色しにくく、耐久性が高い
  • 保険適用外のため治療費が高い
  • 歯ぎしりや食いしばりがあると割れることがある

3. 虫歯の穴がかなり大きい場合の重度の詰まり

  • 食べ物が常に詰まり、取り除くのが難しい。
  • 虫歯の痛みや歯茎の炎症がある。

治療方法

  • 根管治療・・虫歯が進行して歯髄まで達している場合は、根管治療で神経を抜く必要があります。その後、被せ物を装着します。
  • 抜歯と補綴治療・・歯の保存が難しい場合は抜歯を行い、ブリッジ、入れ歯、インプラントのどれかで欠損部分を補完します。

根幹治療の手順

1. 診断と準備
  • レントゲン撮影・・歯と周囲の骨の状態を確認するためにレントゲン撮影を行います。これにより、感染の範囲や根管の形状を把握します。
  • 問診と視診・・患者の症状や痛みの程度を確認し、治療計画を立てます。
2. 麻酔

・局所麻酔・・治療中の痛みを防ぐために局所麻酔を行います。麻酔が効くまで数分待ちます。

3. 虫歯や損傷部分の除去
  • 歯の開口・・ドリルを使用して、歯の表面を削り、感染した歯髄にアクセスできるようにします。
4. 歯髄の除去
  • 感染した歯髄の除去**: 特殊な器具を使って、感染した神経や血管、歯髄組織をすべて取り除きます。
5. 根管の清掃と形成
  • 根管の清掃・・根管内を専用のファイルや洗浄液で清掃し、感染を取り除きます。
  • 根管の形成・・根管内を適切な形状に整え、詰め物がしやすい状態にします。
6. 根管の消毒
  • 消毒・・根管内を消毒液で徹底的に消毒し、細菌を完全に除去します。
7. 根管の充填
  • 根管充填材の選択・・根管内をガッタパーチャと呼ばれるゴム状の材料で密閉します。この材料は、根管内を完全に密封するためのもので、感染の再発を防ぎます。
  • 充填の実施・・ガッタパーチャを根管内に詰め込み、専用の器具で密閉します。
8. 歯の修復
  • 仮封・・根管充填が完了したら、仮の詰め物を行い、歯を保護します。場合によっては、数回に分けて治療を行うことがあります。
  • クラウンの装着・・最終的な治療として、歯の強度を回復するためにクラウン(被せ物)を装着します。クラウンは、歯の形や機能を再現し、長期間の使用に耐えるようにします。

予防方法と日常のケア

歯に虫歯の穴があくのを防ぐためには、毎日歯磨きが重要です。

  • 正しい方法での歯磨き・・食後にしっかりと歯を磨き、虫歯の予防を行います。特に歯間や奥歯の周囲を念入りに磨きます。
  • デンタルフロスの使用・・デンタルフロスを定期的に使用し、歯間の食べ物のカスや歯垢を取り除きます。
  • バランスの取れた食事・・硬い食べ物や糖分の多い食べ物を控え、バランスの取れた内容を心がけます。

定期健診の重要性

定期的な歯科健診は、虫歯の早期発見や予防に非常に重要です。以下に定期健診のメリットを紹介します。

  • 早期発見・・虫歯の初期段階での発見が可能になり、早期治療ができます。
  • 歯科医院でのクリーニング・・定期的なクリーニングにより、歯石や歯垢の除去が行われ、虫歯の予防ができます。
  • アドバイス・・歯科衛生士から正しい歯磨きの方法やデンタルフロスの使い方などのケア方法や生活習慣のアドバイスを受けることができます。

まとめ

食べ物のカスの詰まり方は虫歯の大きさによって、分類できます。それぞれに適した治療方法がありますが、大事なのは毎日の歯磨きや歯医者の定期健診を受けることで虫歯を予防し、虫歯の早期発見・早期治療することです。歯にものが詰まるのは、トラブルのサインですので、まず歯科健診を受けることをお勧めします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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