
入れ歯安定剤にはさまざまな種類があり、特徴や適した使い方があります。また、正しく使用しないと、歯茎や粘膜に悪影響を及ぼす可能性もあります。クリーム、粉末、クッション、シートの4つの主要な種類、それぞれの使い方やメリット・デメリットをご説明します。
入れ歯安定剤とは?
入れ歯安定剤は、入れ歯を口の中で安定させるための補助アイテムです。特に、入れ歯の緩みが気になる方や食事中に外れることを防ぎたい方に役立ちます。また、装着感が向上することで、不快感を軽減する効果もあります。
入れ歯安定剤の種類と使い方・値段

入れ歯安定剤は現在、大きく分けて4種類あります。
入れ歯がずれないように入れ歯安定剤を使用するのは、一見メリットが大きいように感じますが、安易に長期間使用するのは危険です。骨がやせたり、歯茎や粘膜に影響を与えることがあるからです。
入れ歯安定剤は一時的に使用することとし、入れ歯が合わないのを安定剤でごまかして使い続けることのないようにしましょう。
入れ歯安定剤の種類は以下のようなものがあります。
- クリームタイプ
- 粉末タイプ
- クッションタイプ
- シートタイプ
①クリームタイプ
入れ歯安定剤と言ったらクリーム状、ペースト状のものをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
特徴
唾液など水分と混ざることにより粘着力が出て、入れ歯がしっかりと安定します。
- 入れ歯の裏面に直接塗ることで密着性を高める。
- 比較的簡単に使用でき、持続時間も長い。
- 主に部分入れ歯や総入れ歯に使用される。
使い方

入れ歯をきれいに洗った後、水分を拭き取ります。入れ歯の内側(粘膜と当たる部分)にクリームを何か所か出し、全体に薄くのばして使用します。
②パウダータイプ
粉でどうやって安定させるのか不思議に思われるかもしれません。粉末に水分が混ざることで入れ歯が粘膜にくっついて安定します。
- 入れ歯の表面に均一に振りかけて使用。
- 軽度な安定性を求める場合に最適。
- クリームタイプに比べて取り外しやすい。
特徴
クリームタイプよりは粘着力が少ないので、短時間の使用やクリームタイプのベタつき感・違和感などが気になる方におすすめです。
使い方
入れ歯をきれいに洗い、水分が残っているうちに入れ歯の内側(粘膜と当たる部分)に薄く均一にふりかけます。毎日きれいに洗い流します。
③クッションタイプ
特徴
クッションタイプの入れ歯安定剤は、入れ歯と歯茎(粘膜)の間の隙間が広いときに使用します。クッションタイプの入れ歯安定剤を間に入れることで、入れ歯の安定を図ります。
クッションタイプはクリームや粉末タイプと違い、水に溶けません。そのため食事中入れ歯安定剤が溶け出してくることはありません。また一度つけると、洗っても2〜3日使えるものもあります。
- 柔らかい素材が入れ歯と歯茎の間に入り、フィット感を高める。
- 入れ歯の形状がやや合わない場合や一時的な緩みに対応。
④シートタイプ
特徴
シートタイプの入れ歯安定剤は、手軽に使用でき持ち歩きやすいのが特長です。
- シート状の安定剤を入れ歯の形に合わせてカットし、装着。
- 使用後の洗浄が簡単で、初心者にも扱いやすい。
- 食べ物の味に影響を与えにくい。
使い方
入れ歯をきれいに洗った後、水分が残っているうちに、入れ歯の内側(粘膜と当たる部分)にシートを貼り付けます。貼ったシートは使用しているうちに、唾液などで溶けていき最後はなくなります。
入れ歯安定剤の使い方
入れ歯安定剤を正しく使用することで、より効果的に入れ歯を固定できます。以下は一般的な使い方の手順です:
入れ歯の洗浄
- 安定剤を使用する前に、入れ歯をしっかり洗浄し、乾かします。
- 歯垢や汚れがついていると、安定剤の効果が低下する可能性があります。
適量を使用
- クリームタイプ・・3~4箇所に小さな点を置くように塗布します。塗りすぎると違和感が生じることがあるため、少量から始めるのがポイントです。
- パウダータイプ・・入れ歯の内側に軽く振りかけ、余分な粉を軽くはたきます。
- シートタイプ・・シートを入れ歯の形状に合わせてカットし、装着します。
入れ歯を装着
- 入れ歯を口に入れ、軽く押し込んで安定させます。
- 数秒間咬むことで、安定剤が均等に広がり、固定されます。
日常的な注意点
- 安定剤を使用しても不快感がある場合は、量を調整してください。
- 入れ歯を長時間装着したままにせず、毎日清掃を行いましょう。
入れ歯安定剤使用時の注意点
入れ歯安定剤は、日常生活を快適にするための便利なアイテムですが、使用方法を誤ると逆に問題を引き起こすことがあります。
1. 安定剤の過剰使用に注意
問題点
- 安定剤を過剰に使用すると、入れ歯の位置が不安定になることがあります。
- また、入れ歯を外した際に安定剤の残留物が多く残り、清掃が煩雑になる場合があります。
適量の目安
- クリームタイプの場合、入れ歯の内側に米粒程度の小さな点を数箇所に分けて塗布します。
- 塗布量を増やす場合でも、少しずつ調整して適量を見つけましょう。
影響
- 過剰使用により、歯茎や口腔粘膜に圧力がかかり、痛みや炎症を引き起こすことがあります。
2. 使用頻度の管理
適切な頻度
- 安定剤は必要な場合にのみ使用します。使用頻度が高すぎると、歯茎や粘膜に負担がかかる可能性があります。
- 基本的には1日に1回、新しい安定剤を使用し、就寝時には必ず入れ歯を外して清掃しましょう。
長期使用の影響
- 安定剤を毎日使用し続ける場合、入れ歯の適合性に問題がないか確認する必要があります。緩みや不快感が続く場合は、歯科医で入れ歯の調整を行うべきです。
3. 入れ歯の清掃と衛生管理
使用後の清掃
- 安定剤を使用した後は、入れ歯に残った安定剤をしっかりと除去します。
- 洗浄方法
温かい水を使い、柔らかい歯ブラシで優しく洗浄します。
市販の入れ歯洗浄剤を使用すると効果的です。
歯茎のケア
- 入れ歯を外した後は、歯茎を軽くマッサージして血行を促進し、清潔に保つことが大切です。
- 残った安定剤が歯茎や口腔内に付着している場合は、湿らせたガーゼやぬるま湯で拭き取ります。
4. アレルギーや副作用のリスク
アレルギー反応
- 一部の安定剤には香料や保存料が含まれており、これらが原因でアレルギー反応を引き起こすことがあります。
- 症状例
歯茎や口内の発疹や赤み
ヒリヒリ感やかゆみ - 対処法
使用を中止し、歯科医に相談してください。
成分表を確認し、無香料・無添加タイプの安定剤を選ぶのも一つの方法です。
5. 入れ歯の緩みが頻繁に起こる場合の対応
安定剤だけに頼らない
- 安定剤の使用は一時的な補助であり、根本的な解決にはなりません。
- 入れ歯が頻繁に緩む場合は、以下の原因が考えられます:
歯茎の形状変化
入れ歯の経年劣化
- 解決策
定期的に歯科医で入れ歯の調整やリライン(内面加工)を行いましょう。
必要に応じて新しい入れ歯の作成を検討してください。
6. 就寝時には外すことが大切
なぜ外す必要があるのか
- 入れ歯を長時間装着したままにすると、歯茎や粘膜に負担がかかり、口内炎や炎症を引き起こすリスクが高まります。
- また、入れ歯の下に歯垢や細菌が溜まりやすくなり、口臭や感染症の原因にもなります。
外した後のケア
- 入れ歯を清潔に保つだけでなく、口腔内全体のケアも行いましょう。歯茎や舌の表面を優しくブラッシングすると効果的です。
7. 定期的な歯科健診を受ける
歯科医の役割
- 入れ歯の適合性や使用状況を確認し、必要に応じて調整やアドバイスを受けましょう。
- 定期健診では、歯茎の状態や粘膜の健康もチェックされるため、トラブルの早期発見につながります。
健診頻度
- 入れ歯使用者の場合、最低でも6ヶ月に1回の健診を受けることが推奨されます。
まとめ

入れ歯安定剤は、一時的な補助として入れ歯を安定させるのに非常に便利です。各タイプの特性や使用目的を理解し、適切に使うことで、日常生活での不快感を軽減できます。
ただし、安定剤に頼りすぎるのは禁物です。入れ歯が合わなくなった場合は、早めに歯科医に相談して調整を行いましょう。