
入れ歯による痛みにはさまざまな種類と原因があり、それぞれ適切な対処法が必要です。入れ歯が合わない、食事中の違和感、乾燥や顎の関節の痛みなどが起こることもあります。入れ歯が引き起こす痛みの原因、その対策・対処法についてご説明します。
目次
入れ歯が痛い原因と対策・対処法

入れ歯にも、さまざまな「痛い」がありますので、痛みの種類ごとに、原因や対策・対処方法をご紹介します。
- 口の中の粘膜が痛い
- 食事中かむ時に痛い
- 食事中ものがはさまって痛い
- 口角が切れて痛い
- 口の中が乾いて痛い
- あごの関節が痛い
①口の中の粘膜が痛い

考えられる原因
入れ歯を入れると痛いけど、外すと痛くないという場合です。これは入れ歯が合っていなかったり、入れ歯が粘膜に当たっていることが原因であると考えられます。
歳を重ねるごとに、歯茎は形を変えていきます。これは誰にでも起こること。また入れ歯を作ったはじめの頃は問題なくても、長年使っているうちにズレが生じてくることは多々あります。これらも入れ歯が粘膜に当たり、痛みや口内炎ができる原因となります。
入れ歯がほんの少し変形しただけでも、歯や歯茎、粘膜はすぐに感じ取ります。これは保険の入れ歯であっても、保険がきかない高額な入れ歯であっても同様です。
対策・対処法
入れ歯による痛みは、基本的に自然に治ることはありません。
むしろ我慢して使い続けると、状態が悪化する可能性が高いです。歯科医院へ行き入れ歯の調整をしてもらいましょう。調整は、歯科医院へ1〜2回行けば終わることがほとんどです。ほんの少し削るだけなので、さほど時間はかからないでしょう。
ただしすでに粘膜に傷がついてしまった場合は、入れ歯を使用しない日を挟むなど、休みながら傷の治りを待つ必要があります。
②食事中かむ時に痛い

考えられる原因
入れ歯を入れた状態での食事や、かむ時に痛い場合は、かみ合わせが合っていなかったり入れ歯を支えている自分の歯に原因がある可能性があります。
かみ合わせが合っていないと食べ物をかむ位置にズレが生じます。それにより力が強くかかる部分とかからない部分が出てきます。これらが食事中の痛みにつながることがあります。
また入れ歯を支えている自分の歯が揺れていたり、虫歯になっている場合でも、食事中に痛いと感じることがあります。

対策・対処法
かみ合わせが原因である場合は、かみ合わせの調整を行います。入れ歯を支えている歯に問題がある場合は、その歯の治療になるので歯科医院には数回通うことになります。状態によっては、入れ歯を作り直す必要があるかもしれません。
③食事中ものがはさまって痛い

自分の口の中の粘膜と入れ歯との間にものが挟まると、激痛を感じることもあります。
考えられる原因
野菜など繊維質のものや、ごまなど小さいものは粘膜と入れ歯の間に挟まりやすいです。ただこのようにものが入れ歯の裏に挟まるという方は、入れ歯が合っていないことが多いです。
対策・対処法
粘膜に当たる部分を調整することで改善されるでしょう。
④口角が切れて痛い

考えられる原因
入れ歯を使うようになってから口角が切れるようになった方は、入れ歯に原因がある可能性が高いです。入れ歯が合っていないと、口角や口の周りに唾液がつきやすくなる・唾液が口の中から漏れやすくなることがあります。
こうなると口角が常に湿った状態になり、切れたり細菌感染が起こりやすくなります。
また逆に、お口の中が乾燥していることにより口角が切れやすい方もいます。
対策・対処法
入れ歯の調整を行ったり、口角を積極的に保湿すると改善するでしょう。保湿に関してはあくまで対症療法になりますので、日頃から保湿を心がけることも予防としては大切です。
対症療法とは
病気の原因に対してではなく、その時の症状を軽減するために行われる治療法。痛みに鎮痛剤を与えるなど。姑息(こそく)的療法。⇔原因療法。根本的な対策とは離れて、表面に表れた状況に対応して物事を処理すること。
引用 コトバンク
⑤口の中が乾いて痛い

口の中の乾きは、痛みにつながりやすいです。
考えられる原因
お口の中の乾燥には、さまざまな原因が考えられます。
起床時や空腹時、ストレスなどでもお口の中は乾燥しやすくなりますが、これらによる乾燥は痛みを感じるほどではないでしょう。
お口の中が痛いと感じるほどの乾燥は、唾液腺に異常からくるものや薬の副作用によるもの、全身の病気からくるものなどさまざま。急に痛いほどの乾燥が気になるようになったり、長い間乾燥が治らない場合は注意が必要です。原因を特定することが大切です。
対策・対処法
基本的には入れ歯というよりは、原因となる病気の治療が優先となります。原因の病気が治るまでの間や原因の除去が難しい場合は、お口の中を保湿するジェルやスプレー、マウスウォッシュなどを使用すると楽になることがあります。歯科医院で相談してみましょう。
⑥あごの関節が痛い

考えられる原因
入れ歯の使用を始めてからあごが痛くなった場合は、かみ合わせに問題があると考えられます。あるいは顎関節症の可能性もあります。
顎関節症とは
咀嚼筋や顎関節の障害によって、顎の関節や周囲の組織に生じるさまざまな疾患の総称。口を開閉するときに音がする、痛みがある、口を大きく開けられないなどの症状が現れる。頭痛・めまい・肩こり・耳の痛みなどを伴うこともある。
引用 コトバンク
対策・対処法
入れ歯のかみ合わせによりあごの痛みが出ている場合は、歯科医院でかみ合わせの調整を行えば楽になるでしょう。入れ歯のかみ合わせを調整しても良くならない場合は顎関節症を疑います。歯科医師に相談してみましょう。
入れ歯の痛みへの基本的な対策
痛みが発生した場合、放置せずに適切な対策を講じることが大切です。以下は、主な対処法です。
歯科医院での調整
痛みの原因の多くは、専門的な調整によって解消できます。入れ歯の形状やサイズ、咬合位置を再調整することで、圧力の分散や負担の軽減が可能です。
新しい入れ歯を作成した場合、最初の数週間は頻繁な調整が必要になることがあります。
入れ歯専用のクッション材の使用
一時的な対策として、市販のクッション材を使用することで痛みを軽減できます。ただし、長期的な解決策には歯科医院での調整が必要です。
口腔ケアの徹底
入れ歯を清潔に保つことで、炎症や感染のリスクを減らせます。専用の洗浄剤を使用して毎日清掃することが推奨されます。
歯茎や口内をマッサージすることで血流を促進し、健康を維持します。
食事内容の見直し
入れ歯に慣れるまでは、柔らかい食材を選び、硬いものや粘着性の高い食品は避けるとよいでしょう。
痛みが続く場合の対処法
入れ歯の痛みが続く場合は、以下の対処法を実行してください。
歯科医院での再診
調整だけで改善しない場合、新しい入れ歯の作成や修理が必要なことがあります。
口腔内の健康状態に異常がある場合は、それに対応した治療を受ける必要があります。
市販薬の利用
一時的な痛みを和らげるために、市販の鎮痛剤を使用することも可能ですが、長期的な解決策にはなりません。
他の選択肢を検討する
入れ歯による痛みが改善しない場合、インプラントなど他の治療法を検討するのも一つの選択肢です。
まとめ

入れ歯による痛みの原因はさまざまですが、多くの場合は調整やケアで改善が可能です。痛みを我慢するのではなく、早めに歯科医に相談し、適切な対応を受けることが重要です。
また、痛みを予防するためには、定期的なメンテナンスや清潔な状態を保つことが欠かせません。