今回は「入れ歯の種類」について書いていきます。
▼それぞれのメリット・デメリットはこちらでまとめています。
https://matsumoto.or.jp/toothteeth/denture-merit/
【入れ歯の種類】残っている歯の本数で分類
②部分入れ歯
①総入れ歯
虫歯や歯周病などにより、歯が抜けたり抜かざるをえなくなることがあります。これにより歯が1本もない場合は「総入れ歯」を使用することになります。
総入れ歯を使用することで、見た目の改善や食事・会話がぐっと楽になり、生活がしやすくなります。
②部分入れ歯
部分入れ歯も総入れ歯と同じで、虫歯や歯周病などにより歯を失った場合に使用します。総入れ歯と違うのは失った歯の本数です。1本だけ歯を失ったり、右側数本、左側数本だけ歯を失った場合などは部分入れ歯となります。
1本歯を失っただけでも、かみ合わせや食事、会話には大きな影響を与えます。
【入れ歯の種類】材料・素材で分類
④レジン+金属を使用
⑤レジン+シリコンを使用
③レジンのみを使用
レジンとは
「resin(レジン)」とは、英語で「樹脂」を意味しています。その言葉の通り樹脂で出来たレジン素材は、ピアスに使われたり、キーホルダーにもなったりと、用途は無限大です。固める前は液状なので、成形も自由自在。
引用 MIRROM MAG
虫歯の治療をするとき、「削ってプラスチックを詰めます」と言われたことはありませんか?このときの「プラスチック」というのは、この入れ歯と同じ「レジン」です。正確には同じものではありませんが、このレジンだけを使って作っていきます。
歯の白い部分も、歯茎のピンク色の部分もレジンで作ることができます。
④レジン+金属を使用
先ほどのレジンと金属を組み合わせて入れ歯を作ることもあります。レジンのみで作ると、食事のときに食べ物の温度が感じにくかったり、厚みがあるため話しづらいということがあります。これらを改善したのがレジン+金属で作った入れ歯です。
⑤レジン+シリコンを使用
見た目はレジンのみの入れ歯と大きく変わりません。
痛みが出やすい(歯茎に直接当たる)部分や、痛みに敏感な方にはレジン+シリコンを組み合わせたものもあります。口の中の温度・体温で、シリコンの部分がやわらかくなるため、痛みを感じにくいのです。
図は上あご用ですが、下あごの方が痛みが出やすいため上あごはレジンのみの入れ歯、下あごはレジン+シリコンの入れ歯という方も多くいらっしゃいます。
【入れ歯の種類】形で分類
⑦磁石をつけたもの
⑧インプラントを組み合わせたもの
⑥バネのないもの
金属のバネがありません。バネがない代わりに樹脂で歯に安定させるような形に作られています。
部分入れ歯は、バネのような針金を使って入れ歯を支えますが、バネのないものもあります。
バネの部分がないと、何より見た目が良いです。周りの自分の歯や歯茎となじむため、他の人からも気づかれにくいでしょう。また金属アレルギーのある方でも使用することができます。
⑦磁石をつけたもの
入れ歯を支える歯(歯の根っこ)、入れ歯の裏側に磁石をつけ、磁力で支える方法もあります。
しっかりとした磁石の力により入れ歯が動いたりガタつくのを防ぎます。また残っている歯が少なくてもしっかり入れ歯を支えることができます。また支えるためのバネ(針金)が必要ないので、見た目も良いです。
⑧インプラントを組み合わせたもの
歯を失った部分にインプラントを入れ、その上から入れ歯を使用する方法もあります。
インプラントは通常、数本歯を失った場合に使用するため、結果的には被せ物のような見た目になります。
しかし歯をほとんど失った場合は、総入れ歯にすることが多いです。総入れ歯は基本的に粘膜への吸着力のみで固定されます。そのため不安定さやガタつきが気になることがあり、そのような方におすすめの方法です。
▼インプラントについて詳しくはこちらでまとめています。
https://matsumoto.or.jp/toothteeth/implant-merit/
入れ歯とは
一言に入れ歯と言ってもさまざまな種類があります。
歯がすべてなくなったときは「総入れ歯」、歯が部分的になくなり、その部分だけ補うときは「部分入れ歯」です。
それだけでなく、使う材料や素材によってもいくつかの種類に分けられます。材料や素材によって保険がきくものと保険のきかないものがあります。
入れ歯のメリット・デメリット
入れ歯には様々なメリットとデメリットがありますので、ご説明します。
メリット
1. 咀嚼能力の回復
入れ歯を装着することで、失った歯の機能を補い、食べ物を噛む力が回復します。これにより、食事を再び楽しむことができるようになります。
2. 発音の改善
歯を失うと歯がない場所から空気が漏れて、特定の発音が難しくなる場合があります。言葉が聞き取りにくいと他人から指摘された場合、大変なコンプレックスになりますが、入れ歯を装着することで、正常な発音ができるようになります。
3. 外見の改善
入れ歯は見た目を自然に保つために作られており、笑顔や口元の美しさを取り戻すことができます。また、唇や頬の張りなど、顔の形状を保つのにも役立ちます。
4. 費用対効果
入れ歯は他の歯の修復方法(例えばインプラント)に比べて比較的安価です。そのため、多くの人が手軽に利用できます。
5. 取り外しが可能
入れ歯は取り外しが可能で、隅々までブラシできれいに洗うことが出来ます。また、必要に応じて調整や修理ができます。
デメリット
1. 慣れるまでは不快感がある
初めて入れ歯を装着すると、異物感や不快感を感じることがあります。個人差がありますが、これに慣れるまでには時間がかかることがあります。
2. 噛んだときにずれたり外れたりする場合がある
部分入れ歯や総入れ歯は、インプラントに比べて動きやすく、噛んだときにズレたり外れたりすることがあります。
3. メンテナンスの手間
入れ歯は毎日の清掃が必要です。食べ物のカスが溜まったまま装着すると、他の歯が虫歯や歯周病になるリスクが増します。また、誤嚥性肺炎を起こすリスクも高くなるため、きれいに洗って装着することが必要です。
4. 口内炎や歯肉の損傷
お口に合っていない入れ歯を装着したり、外さずに長時間使用し続けることによって、口内炎や歯茎の傷が生じることがあります。これを避けるためには、適切な装着と定期的な調整が重要です。
5. 寿命と交換
入れ歯は永久的なものではなく、一定期間ごとに作り直す必要があります。また、破損や変形が生じることもあります。
入れ歯の種類まとめ
どの入れ歯・素材が最も適しているかは、残っている歯の本数だけでなく歯茎の状態や、あごの骨の状態にもよります。保険もきくものときかないものがあります、歯科医師と相談しながら決めていくことが大切です。
インプラントは保険がきかず、治療費が高額になりがち。しかし入れ歯は保険がきくものもあり、また管理も比較的簡単です。自由に付け外しができるのも融通がきいて嬉しいですよね。