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歯石の取り方。スケーラーで自分・自宅でも取れる?

歯医者での歯石の取り方、自分で自宅でスケーラー使ってもいい?まとめ

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

今回は「歯石の取り方」について書いていきます。

歯石はどうやって取るの?

歯石は歯垢(プラーク)が硬化してできたもので、通常の歯磨きでは除去できないため、専門的な方法で取り除く必要があります。以下のような方法で歯石が除去されます。

1. スケーリング

歯石を取る最も一般的な方法は、スケーリングです。これは歯科医院で行われる処置で、スケーラーという専用の器具を使用して歯の表面に付着した歯石を物理的に除去します。スケーリングには、手動のスケーラーと超音波スケーラーがあります。

手動スケーラー

手で操作する器具で、歯と歯茎の間にある歯石を細かく削り取ります。細かい部分の歯石に対しても効果的ですが、時間がかかることがあります。

超音波スケーラー

振動で歯石を砕いて除去する機械です。超音波を利用して歯石を細かく破壊し、比較的短時間で処置が終わるのが特徴です。痛みが少ない場合が多く、広範囲の歯石除去に向いています。

2. ルートプレーニング

スケーリング後に行われることが多い処置で、歯と歯茎の境目にある根面を滑らかにする方法です。歯石や歯垢が再び付きにくくするために、表面を整えることを目的としています。特に歯周病が進行している場合に有効です。

3. エアフロークリーニング

歯石を取る際の補助的な方法として、エアフロークリーニングがあります。水とパウダーを高速で吹き付けることによって、歯の表面を磨き、歯石や着色汚れを除去します。スケーリング後に歯の表面を滑らかにし、口腔内を清潔に保つ効果があります。

4. レーザー治療

近年では、レーザーを使用して歯石を除去する方法もあります。レーザーは歯周病の原因となる細菌を殺菌する効果があり、歯石除去と同時に歯周ポケット内の衛生状態を改善します。痛みが少なく、歯茎への負担も軽減されるため、敏感な方に向いています。

5. 予防的な対策

歯石を取り除いた後は、再び歯石がたまらないようにするための日常的なケアが重要です。

正しい歯磨き習慣

歯垢が歯石になる前に取り除くためには、毎日の歯磨きが不可欠です。特に歯と歯茎の境目を意識して磨くことが重要です。

デンタルフロスや歯間ブラシの使用

歯と歯の間に溜まった汚れは歯ブラシだけでは取り除けないため、フロスや歯間ブラシを併用することが歯石予防に効果的です。

定期的な歯科健診

定期的に歯科医院でチェックを受けることで、歯石が蓄積する前に専門的なクリーニングを受けることができ、歯周病のリスクを低減します。

自分でもスケーラーで歯石が取れる?

超音波スケーラーは歯医者でしか使用できませんが、手用スケーラーはドラッグストアでも市販されていますよね。

結論から言うと、自分で・自宅で手用スケーラーを使って歯石を取ることはおすすめしません。慣れない手つきでスケーラーを使うと、歯や歯茎を傷つける・出血させる可能性が高いからです。大前提、スケーラーは刃物なので取り扱いには注意が必要です。

スケーラーを使って歯石を取ってくれる歯科衛生士は、2〜3年ほど実習・経験を重ねて、国家試験に合格すればやっと歯医者など現場での活躍が認められます。

現場に出てからも経験を重ね、スケーラーを完璧に扱えるようになるにはさらに数年かかるでしょう。それほど操作の難しいスケーラーを、知識のない状態で自宅で・・・というのは危険だと思います。

歯石を取るために歯医者に行くのは面倒・・・というお気持ちもわかります。しかしスケーラーにより歯茎が傷ついたり出血すると、かえって歯周病口臭の原因になることもあります

歯医者で使っているスケーラーはしっかり滅菌した上で使用しています。自宅で使用するスケーラーとは衛生面でも大きな差があります

歯科医院での歯石の取り方

歯科用診療チェア
 ①手用スケーラーを使って、人力で歯石を取る

 ②超音波スケーラーを使って、機械的に歯石を取る

【歯石の取り方①】手用スケーラーで歯石を取る

手用スケーラーは、力をかけられガリガリやられるアレです。人力で歯石を取っていくため、必要に応じて力の強さを調整できます。しかし歯石の量が多い場合などは、歯石を取るのに時間がかかり効率が悪いことも

 手用スケーラー

 ✔︎メリット・・・必要に応じて力の強さを調整できる

 ✔︎デメリット・・・状態によっては効率が悪い

【歯石の取り方②】超音波スケーラーで歯石を取る

超音波スケーラーは、キーンという音と同時に水が出るアレです。機械(超音波)の力で歯石を取っていくため効率が良く、人力では届かない部分までしっかり歯石を取ることができます。しかしその刺激により、歯石を取った後で歯がしみることがあります

 超音波スケーラー

 ✔︎メリット・・・効率が良くしっかり歯石が取れる

 ✔︎デメリット・・・歯がしみることがある

 

歯石はどうできるのか

グリーン

歯石(しせき)とは

歯垢が長期間のうちに石灰化したもの。下顎の前歯の内側,上顎の臼歯の外側に沈着しやすい。口腔に露出している歯面に付着している歯石は,淡黄色ないし黄褐色を呈していることが多いが,まれに黒緑色ないし黒色を呈する歯石が付着していることがある。

引用 コトバンク

歯垢(プラーク)が固くなったものを歯石といいます。歯垢(プラーク)は歯磨きで落とすことができますが、固まって歯石になってしまうと、歯磨きでは取ることができません。歯医者に行けば取ることができます。

歯磨きで落としきれなかった歯垢(プラーク)は、2〜3日ほどで固まる=歯石となってしまいます。

歯石の取り方に関するQ&A

歯科医院での歯石取りはどのような方法があるのですか?

歯科医院での歯石取りは、主に手用スケーラーと超音波スケーラーの2つの方法があります。手用スケーラーは歯科衛生士が手で歯石を削り取り、力の強さを調整できますが、歯石の量が多い場合は時間がかかり効率が悪いことがあります。超音波スケーラーは機械力で歯石を取りますので効率が良く、人力では届かない部分の歯石を取ることができます。ただし、刺激により歯がしみることがあります。

自宅でスケーラーを使って歯石を取ることは可能ですか?

自宅で手用スケーラーを使って歯石を取ることは可能ですが、おすすめしません。慣れない手つきでスケーラーを使うと、歯や歯茎を傷つけ、出血させる可能性が高いです。歯茎を傷つけると歯茎の退縮を引き起こすことがあり、歯茎の見た目が悪くなるというリスクがあります。また、スケーラーは刃物なので取り扱いには注意が必要です。

歯石はどのようにしてできるのですか?

歯石は歯垢(プラーク)が長期間固まったものです。歯磨きで落としきれなかった歯垢は、数日で固まって歯石になります。一度歯石になってしまうと、歯磨きでは取ることができず、歯科医院で削り取る必要があります。

歯石の取り方まとめ

歯のキャラクター

歯石の取り方には手用スケーラー、超音波スケーラーの2種類があることがわかりましたね。歯石の付き方や量によって、歯科医師・歯科衛生士がどちらが適切か選んで使用していきます。市販のスケーラーを使って、自分で取っていくのは危険なのでやめましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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