今回は「口臭ケアサプリの効果」について書いていきたいと思います。
口臭ケアサプリは効かない?
その名の通り口臭を抑えるために飲むサプリですが、最近ではさまざまな種類のものが販売されています。しかし口臭と一言に言っても、その原因はさまざまです。
厚生労働省が発表しているデータでは、口臭のうち80%以上は口の中に原因があると言われています。ゆえに口臭でお悩みの方の大部分は、歯科医院へ行って正しい処置を受ければ口臭も治るということ。
同時に、口臭の原因の20%にも満たない部分に働きかけているのが口臭ケアサプリメントということ。「口臭ケアサプリは効かない」というよりは、「そもそも効く範囲がかなり狭いので効果を感じにくい」ということです。
それにも関わらず口臭ケアサプリやタブレットをむやみに使っていると、かえって逆効果になることもあります。つまり口臭ケアサプリやタブレットが口臭の原因になっていることもあるのです。口臭をサプリなどでごまかさず、まずは原因を突き止めることが口臭を抑える一番の近道であると言えます。
口臭ケアサプリの成分と効果
口臭ケアサプリにはさまざまな成分が含まれており、その成分がどの程度効果を発揮するかは口臭の原因によって異なります。一般的に、口臭ケアサプリには以下のような成分が含まれています。
緑茶エキス
緑茶に含まれるカテキンは、抗酸化作用があり、口腔内の細菌の増殖を抑える効果が期待されています。しかし、これは短期間の効果に限られることが多く、口臭の根本的な解決には至らない場合があります。
シャンピニオンエキス
腸内環境を整え、腸内のガスを抑えることで口臭の軽減に役立つとされています。胃腸の問題が原因の場合には有効ですが、口腔内の問題にはあまり効果が期待できません。
乳酸菌
腸内の悪玉菌を減らし、消化を助けることで、便秘などによる口臭の軽減に役立つとされています。
サプリメントの効果には限界がある
口臭ケアサプリは、特定の原因に対しては一時的な効果を示すことがありますが、根本的な解決には至らないことが多いです。特に、歯周病や虫歯などの口腔内の病気が原因である場合、サプリだけでは改善しないため、歯科医での適切な治療が必要です。
一時的な効果
サプリメントは、口腔内の臭いを一時的に緩和することができますが、持続的な効果は期待しにくいです。例えば、緑茶エキスやミントなどは、口臭を一時的に抑える効果がありますが、原因が解決されない限り、再び口臭が発生します。
根本的な治療には不十分
口臭の原因が口内の衛生状態や病気に関連している場合、サプリメントでは不十分です。歯科での定期的なクリーニングや治療が不可欠です。
経験上、口臭の原因はこれが多かった!
多くの方のお口を見ていると、口臭がある方はもちろんいらっしゃいます。こちらでも書いているように、口臭の原因はほとんどが口の中にあるんですもの、当然ですよね。
口臭の原因
- 生理的口臭・・・誰にでもあるもの
- 飲食物・嗜好品による口臭・・・ニンニクやタバコ等によるもの
- 病的口臭・・・歯周病や全身の病気等によるもの
- ストレスによる口臭・・・ストレスで唾液が減ることによるもの
- 心理的口臭・・・実際に口臭はなくても、あると思い込んでいるもの
そしてこのどれに当てはまるかによって、においも変わってきます。歯科医師や歯科衛生士は常に患者さんのお口の中を見ているので、においを嗅げば概ね原因がどこにあるかわかります。
これが原因の人が多かった
これである方が明らかに多いです。というのも、①生理的口臭(起床時など、誰にでもあるもの)や②飲食物・嗜好品による口臭(ニンニクやタバコ等によるもの)は、誰にでも起こりうる口臭。そのため、正直な話、実際に口臭がしていても許容されやすいと思います。
「この人タバコ吸うんだな」「この人昨日ニンニク食べたんだな〜」程度で済みます。しかもそれらは一時的な口臭であるため、余計に許容されやすいです。
それに対して③病的口臭(歯周病や全身等の病気によるもの)に関しては、におい自体もかなり強く、特異的なにおいがするのが特徴です。
舌の上の汚れも口臭に繋がりやすい
舌をベーっと前に出してみてください。白っぽければそれが口臭の原因になっている可能性大。
歯周病だけではなく虫歯、歯垢(=プラーク=歯の汚れ)、歯石(=歯垢が固まったもの)、舌の上の汚れ、入れ歯についた汚れなども目立った口臭につながりやすいです。虫歯は歯医者で治してもらい、正しい歯磨きの方法を習いましょう。ずっと昔に歯磨き指導を受け、それが自己流に変化していることもよくあります。経験上、自己流なのにしっかり磨けている人ってほとんどいません。
また自分でも気付きやすいのは舌の上の汚れ。舌を前にベーッと出してみてください。舌の上が白ければ、それは汚れです。口臭の原因となっています。
歯磨きの仕上げに、歯ブラシで構いません。舌の奥の方から手前の方に歯ブラシを優しく流れるように当ててこすりましょう。舌の上の汚れはこびり付いていることが多いので、1回では取れないことも多いです。毎日続けていくと徐々に汚れは薄くなっていくでしょう。それとともに口臭も軽減していきます。
舌の奥の方や縁のところは、味を感じるための味蕾(みらい)が備わっているので、傷つけないようにしましょう。また舌の奥の方は嘔吐反射が出やすいです。無理しない程度に清掃を続けましょう。
自分から口臭がするか確かめる方法
体臭と同じで、口臭は自分で気付きにくいのが特徴です。鼻と口は繋がっていますが、毎日同じにおいを感じていれば鼻が慣れてしまうというのもあるでしょう。
口臭チェッカーの結果はまちまち
私は歯科衛生士なので、実際に「口臭外来」に行ったことがあります。専用の機械を使った口臭検査はもちろんのこと、官能検査も行なっていました。
官能検査とは
人間の感覚(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)によって、製品の品質を判定する検査。人の好みなど、機械では測定できない場合などに用いられる。官能試験。
しかし実際、口臭チェッカーなど機械では悪い結果が出ても、官能検査ではほとんどにおわないということも大いにあります。
口臭チェッカー以外の方法
家族に口臭を指摘されればもちろんのこと、電車の中で近くの人が嫌な顔をしたり、友人にガムを勧められたり。ちょっとしたことから、自分の口臭が気になり始める方は多くいます。
また逆に、相手の口臭を指摘できますか?口臭はかなりデリケートな問題なので、言えない・指摘できないという方は多くいます。これはつまり、自分から口臭がしていても、多くの人は言ってくれないということ。
自分の口臭の原因がわからない方におすすめなのが「口臭検査」です。口臭検査では、口臭を数値化するためだけに作られた専用の機械を使います。口臭が数値化されると、自分の口臭は実際にあるのか?人を不快にさせるほどなのか?といったことがわかります。つまり自分の口臭を客観視できるというわけです。
またそれだけでなく、口臭検査を行うことで口臭の原因もはっきりわかります。専用の機械が、口臭のもとになっている成分(においのもと)を診断し、その成分はどこから来ているのが教えてくれるのです。
自分の口臭の原因がわかれば、歯を治療したり胃腸科に行ったり口臭ケア用品を見直してみたり、対策が取れますよね。そのために行うのが「口臭検査」です。
口臭ケアサプリの効果に関するQ&A
厚生労働省のデータによると、口臭の原因の80%以上が口の中にあると報告されています。
口臭の原因の20%未満に効果を発揮するとされています。これは口の中以外の原因に対して効果を発揮する範囲です。
口臭の主な原因は大きく5つあります:生理的口臭、飲食物・嗜好品による口臭、病的口臭、ストレスによる口臭、心理的口臭です。
まとめ
口臭ケアサプリは、口臭の原因の20%未満にしか対応せず、効果を感じにくいことが指摘されています。口臭の主な原因は口内にあるため、適切な歯科処置が重要です。
口臭の原因は生理的口臭、飲食物、病的口臭、ストレス、心理的口臭に分かれ、特に病的口臭が多いとされます。舌の汚れも口臭につながりますが、適切な歯磨きや舌の清掃で改善できます。
口臭ケアサプリの乱用は逆効果となることもあるため、原因を突き止めて適切なケアが必要です。口臭対策には歯科医院の診断が重要です。