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歯並び・歯列矯正

インビザラインに向いていない人の特徴とは?

インビザラインに向いていない人の特徴とは?

インビザラインは、透明なマウスピースを使った目立たない矯正治療法ですが、全ての人に向いているわけではなく、口腔内の状況や生活習慣によっては他の治療法が適している場合もあります。インビザラインに向いていない人の特徴とどのような点に注意が必要かについてご説明します。

インビザライン治療とは?

インビザラインは、透明なマウスピースを用いて歯並びを矯正する治療法です。従来のワイヤー矯正とは異なり、金属のブラケットやワイヤーを使用しないため、見た目が目立たず、自然な笑顔を保ちながら矯正治療を進めることができます。

また、インビザラインは取り外しが可能で、食事や歯磨きの際に外せる点が大きなメリットです。この柔軟性により、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

インビザラインの仕組み

インビザライン

インビザラインでは、患者さんの歯型に基づいて作成された複数のアライナー(マウスピース)を順番に装着し、少しずつ歯を理想の位置へ動かしていきます。

各アライナーは約1~2週間ごとに交換され、1枚で0.25mm程度歯が動くように設計されています。このプロセスを繰り返すことで、歯並びを徐々にきれいに整えていきます。

メリット

  • 目立たない・・透明なアライナーを使用するため、他人に気づかれにくいです。
  • 取り外し可能・・食事や歯磨きの際に取り外せるので、口腔内を清潔に保つことができます。
  • 快適性・・金属製のブラケットやワイヤーによる痛みや不快感が少ないです。

向いているケース

軽度から中等度の不正咬合や、歯並びの改善を希望する患者さんに適しているとされています。ただし、インビザラインは全ての不正咬合に対応できるわけではなく、重度の不正咬合の場合には他の治療法が推奨されることもあります。

インビザラインは、治療の快適さと美観を両立できる画期的な方法ですが、自己管理が求められるため、日々の装着時間の管理やアライナーの着脱のタイミングを守ることが重要です。

向いていない人の主な特徴

女性

インビザライン治療を受けるには、いくつかの条件をクリアする必要があります。以下に挙げる人々は、インビザライン治療が向いていない可能性があります。

  1. 重度の不正咬合を持つ人
  2. 歯磨きが丁寧に出来ない人
  3. アレルギーや皮膚や粘膜が敏感な人
  4. 治療のための自己管理が難しい人
  5. 装着時間を守れない人
  6. 装置の清掃や保管ができない人
  7. 治療計画に従うのが苦手な人

これらの特徴が当てはまる場合、他の矯正治療法を検討することが推奨される場合があります。

1. 重度の不正咬合を持つ人

インビザラインは軽度から中等度の不正咬合に対して効果的ですが、重度のケースでは、ワイヤー矯正や外科的な治療が必要になることがあります。特に、顎の骨に関わる問題や、歯の位置が大きくずれている場合は、インビザラインでは十分な効果が得られないことがあります。

  • 顎関節に問題がある人
  • 歯の位置が大幅にずれている人
  • 外科的な介入が必要な不正咬合を持つ人

2. 歯磨きが十分にできない人

インビザラインは取り外し可能な装置ですが、取り外すことで歯磨きや歯垢の管理が重要になります。適切な歯磨き習慣が身についていない場合、装置内に歯垢が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。以下のような特徴がある方は、インビザライン治療を進める前に慎重な検討が必要です。

  • 毎日の歯磨き習慣が不十分な人
  • 歯垢が溜まりやすい人
  • 定期的な健診を受けていない人

3. アレルギーや皮膚や粘膜が敏感な人

インビザラインに使用される材料は、ほとんどの人にとって安全ですが、一部の人はアレルギー反応を示すことがあります。特に、アクリルやプラスチックにアレルギーを持つ人は、装置を装着することで口腔内に炎症を引き起こす可能性があります。また、口腔内が敏感な人も、長時間の装着が不快に感じることがあります。

  • アクリルアレルギーのある人
  • 口腔内が敏感で装置に慣れにくい人

4. 治療のための自己管理が難しい人

インビザラインは、他の矯正治療と異なり、取り外し可能なマウスピース型の矯正装置です。そのため、患者さん自身が装置の装着時間を管理する責任があります。

インビザラインは1日22時間以上装着することが推奨されていますが、自己管理が難しい方の場合、この点が課題となります。また、装置の装着時間だけでなく、装置の取り扱いや清掃も非常に重要です。

5. 装着時間を守れない人

忙しい生活や不規則なスケジュールの中で、インビザラインの装着を忘れてしまう人や、装置の取り外しが多くなる食事や外出の頻度が高い人は、治療効果が十分に得られない可能性があります。以下のような生活スタイルを持つ方は、自己管理が難しい場合があります。

  • 外食や会食が頻繁にある人
  • 仕事やプライベートで不規則な生活を送っている人
  • 装置の装着時間を忘れがちな人

6. 装置の清掃や保管ができない人

インビザラインは、定期的に取り外して清掃を行う必要があります。清掃を怠ると、口腔内の歯垢が溜まり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、清潔な状態で保管しないと装置自体が汚れたり、破損する可能性があります。以下のような点に注意できない人も、自己管理が難しいといえるでしょう。

  • 装置を定期的に清掃しない人
  • 外した装置を適切に保管できない人
  • 歯磨きや歯垢管理を疎かにしがちな人

7. 治療計画に従うのが苦手な人

インビザライン治療では、定期的に新しいアライナー(マウスピース)に交換し、治療の進行を確認する必要があります。しかし、治療計画に従うことが苦手な人や、アライナーの交換日を忘れてしまう人は、治療が予定通りに進まず、理想的な結果が得られないことがあります。

  • アライナーの交換スケジュールを守れない人
  • 歯科医院への定期健診を怠る人
  • 治療指示に従わない傾向がある人

自己管理が難しい場合のリスク

インビザラインは自己管理が重要なため、装置の使用方法や清掃が不十分だと、以下のようなリスクが生じることがあります。

  • 治療期間が長引く
  • 矯正効果が不十分となる
  • 虫歯や歯周病のリスクが高まる

自己管理に不安を感じる場合、インビザライン以外の矯正治療(例えばワイヤー矯正など)を検討することが望ましいかもしれません。

インビザライン治療が適しているか確認するためには健診が重要

インビザライン治療が自分に適しているかどうかを判断するためには、専門的な歯科医の健診が不可欠です。適切な健診を通じて、自身の口腔状態や矯正治療の選択肢を確認することができます。以下のポイントを確認するために、健診を受けることをお勧めします。

  • 歯垢や歯磨きの状況
  • 不正咬合の重度
  • アレルギーの有無
  • 治療に対する自己管理能力

まとめ

インビザラインは非常に便利で効果的な矯正治療ですが、全ての患者さんに適しているわけではありません。自身の口腔環境や生活習慣を考慮し、適切な治療方法を選ぶために、専門家との相談が重要です。定期的な健診を受け、自分に最適な治療を見つけましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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