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予防歯科

歯磨きが一日一回ではダメな理由を教えて

歯磨きが一日一回でダメな理由を教えて

歯磨きは虫歯や歯周病を防ぐための基本的なケアですが、歯垢は食後すぐに形成され、数時間以内に歯に再付着するため、一日一回だけでは不十分です。歯磨きが一日一回ではダメな理由や、その代わりに何を心掛けるべきかをご説明します。

歯磨きは1日何回が理想的?

歯磨きの目的

歯磨きは、歯の表面や歯と歯の間に溜まる歯垢を取り除くために行われます。歯垢は虫歯や歯周病の主な原因となり、放置すると健康に悪影響を及ぼします。そのため、適切な頻度と方法で歯磨きを行うことが大切です。

理想的な歯磨きの回数とは

一般的に、歯磨きは1日2回が理想的とされています。具体的には、以下のタイミングで行うことが推奨されています。

  • 朝食後・・夜間に溜まった細菌や寝起きの口内の不快感を解消するため
  • 就寝前・・一日の食事や飲み物で蓄積した歯垢をしっかり落とし、細菌の繁殖を防ぐため

1日3回以上磨くべき場合

特定の状況下では、歯磨きの回数を増やすことが有効です。

  • 矯正治療中の患者さん・・矯正装置に食べ物が詰まりやすいため、毎食後の歯磨きが必要です
  • 虫歯や歯周病のリスクが高い方・・細菌の繁殖を防ぐために、昼食後の歯磨きを追加すると良いでしょう
  • 糖分の多い飲食をした場合・・虫歯リスクを減らすために早めのケアが重要です

歯垢が再び蓄積されるスピード

歯垢は食後すぐに形成され始め、数時間以内に歯の表面に再付着します。歯磨きを一日一回だけ行うと、その間に蓄積されたプラークが除去されないため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特に就寝前の歯磨きは、唾液の分泌が減少する夜間にプラークが歯に定着しやすくなるため、非常に重要です。

食後の歯磨きの必要性

歯磨き

食後の歯みがきがなぜ必要なのかについては、歯磨きにより細菌が酸を排出する活動を抑制し、中性に保つためです。歯は食事の際に上下の歯で噛み合わせて咀嚼を行います。前歯で食べ物をちぎり、奥歯で食べ物をさらに小さくすりつぶし、すりつぶした食べ物は唾液と共に消化管へ送り、体内に栄養を吸収します。お口の中に虫歯菌を保有している方が、歯と歯の間、歯と歯肉の間に小さな食べ物を詰まらせたまま放置しているとどうなるでしょうか。

虫歯になる流れ

歯磨きをしていないお口の中はこのような流れで虫歯になります。

  1. 虫歯菌が食べかすの糖分を取り込み酸を排出する
  2. 歯に付着した歯垢の中で細菌が増殖する
  3. 口腔内が酸性に傾き、固い組織である歯のエナメル質が溶ける
  4. 溶かした部分から穴が開き、そこから細菌が歯の内部へ侵入する
  5. 象牙質、神経(歯髄)など更に内側に入り、神経が死に膿が顎の骨の中に出来てしまう
  6. 歯ぐきから露出している白い歯の部分が抜ける

歯磨きが一日一回ではダメな理由

歯磨きが一日一回でダメな理由は、口腔内を清潔に保てないからです。とはいえ、強い力で歯をこするように磨くのはかえって逆効果になります。時間をかけてやさしく丁寧に磨くと歯のエナメル質を傷つけず、歯面を細かくみがくことができます。

歯みがきの頻度を以前厚労省が調査したところ、一日二回という回答が一番多かったようです。昼はやはり外出している人が多いため、なかなか食後に歯を磨けないのでしょう。昼食後に歯みがきを行えない環境にいる方は、うがいをおすすめします。

1. 酸性の環境が長時間続く

食事や飲み物の摂取後、口の中は酸性になり、歯のエナメル質が溶けやすい状態(脱灰)になります。これを中和するには、定期的に歯磨きを行って歯を保護する必要があります。一日一回では、この酸性環境が長時間続くため、歯の表面が弱くなり、虫歯のリスクが高まる可能性があります。

2. 歯周病のリスク増加

一日一回の歯磨きでは、歯と歯茎の間に残ったプラークや食べかすを十分に取り除くことができません。これにより、歯周病のリスクが増加します。歯周病は放置すると歯を支える骨を溶かし、歯を失う原因にもなり得ます。特に朝と夜の2回以上の歯磨きが、歯周病の予防には効果的です。

3. 口臭の原因になる

一日一回の歯磨きでは、口臭の原因となる細菌や食べかすが口の中に残りやすくなります。特に食事後に歯磨きを行わないと、舌や歯の表面に細菌が繁殖し、悪臭を放つ揮発性硫黄化合物が発生することがあります。定期的に歯磨きを行い、細菌の繁殖を抑えることで、口臭を防ぐことができます。

4. 磨き残しのリスク

一日一回の歯磨きでは、すべての歯をしっかりと磨く時間を確保するのが難しい場合があります。特に奥歯や歯の裏側は磨き残しやすいため、複数回に分けて丁寧に磨くことが推奨されます。二回以上の歯磨きを行うことで、磨き残しを減らし、口腔内を清潔に保つことができます。

5. 食後の酸による歯の保護

歯磨きが一日一回では、特に酸性の飲食物を摂取した後にエナメル質が弱ったまま放置されることがあります。酸性の食べ物や飲み物(例えば、ジュースや柑橘類)を摂取すると、歯の表面が一時的に柔らかくなります。この状態で時間が経つと、歯が酸蝕症になるリスクが高まります。食後すぐに歯磨きを行うことで、酸の影響を抑えられます。

歯磨きの回数よりも大切なこと

頻度だけでなく、正しい方法道具選びも重要です。

  • 正しいブラッシングの方法・・磨き残しを防ぐため、歯と歯茎の境目を中心に、適切な力加減でブラシを動かします。
  • 歯ブラシの選び方・・軟らかめの毛を持つ歯ブラシが、歯や歯茎を傷つけにくくお勧めです。
  • デンタルフロスや歯間ブラシの活用・・歯と歯の間の汚れを取り除くために欠かせません。

歯ブラシの選び方

✅ 柔らかめの歯ブラシ(矯正専用のものがおすすめ)
✅ ワンタフトブラシ(細かい部分の仕上げ磨きに)
✅ 歯間ブラシやフロス(装置の隙間の清掃に)

歯磨きのしすぎはリスクがある

歯磨きの回数を増やしすぎることにも注意が必要です。

  • 歯や歯茎のダメージ・・過剰な力で頻繁に磨くと、歯の表面が傷ついたり、歯茎が後退することがあります。
  • 唾液の自然な働きへの影響・・唾液には口内を清潔に保つ働きがあるため、頻繁すぎる歯磨きはその役割を阻害する可能性があります。

こんな磨き方はNG!

❌ ゴシゴシ力強く磨く → ワイヤーが外れたり、歯ぐきを傷める原因に
❌ 装置の周りを適当に磨く → 汚れが溜まり虫歯リスクUP
❌ フロスや歯間ブラシを使わない → 歯と歯の間の汚れが落ちない

歯磨きは自宅で行える最大の予防です

歯に食べかすや歯垢を付着させたままでは、ねばねばとしたバイオフィルム(細菌の塊)や歯石の原因になります。歯や歯肉溝、歯周ポケットに沈着すると、歯周病や着色汚れ、虫歯のリスクが高まります。これらを予防するためには、毎日自宅で歯磨きを行い、プロのメンテナンスを定期的に受診することです。

プロのクリーニングの必要性

セルフケアだけでは、どうしても歯垢やバイオフィルムが残ってしまいます。何日も歯垢が取れなければ唾液の成分と結合し、歯石となり沈着します。エアフローやスケーラーなど歯科衛生士による専用器具を使用したクリーニングを定期的に受けることで歯石やバイオフィルムが除去でき、歯の表面もつるつるとした綺麗な歯になります。また、歯周病や虫歯になっても早期に対処することが可能なので、ご自身の歯の健康を長く保つという意味でも、定期健診に行く必要があります。

就寝前の歯磨きをしっかりと

特に就寝前の歯磨きは、フロスや歯間ブラシ、タフトブラシを使用してブラッシングを行いましょう。眠っている間は、唾液の分泌が少なく口腔内が乾燥してしまうため、虫歯や歯周病が進行しやすい時間帯です。歯間や歯肉、歯周ポケットなどをしっかりと歯ブラシの毛先や、歯間ブラシ、デンタルフロスで掃除し、食べかすや歯垢を除去しましょう。

おすすめ歯磨きタイミング

🕗 朝 → 朝食後にしっかり磨く
🕑 昼 → 食後に軽くブラッシング(できる範囲でOK!)
🕠 夜 → 最も大事!丁寧にフロス&仕上げ磨き

まとめ

一日一回の歯磨きでは、歯垢や食べかすを十分に取り除くことが難しく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特に就寝前の歯磨きは、夜間の唾液分泌の低下による細菌繁殖を防ぐ上で欠かせません。

  • 就寝前の歯磨きを丁寧に行うように注意する
  • 定期的にクリーニングをしてもらい、歯周組織を健康に保つようにする

さらに、日中に歯磨きが難しい場合でも、食後のうがいやデンタルフロスの活用が効果的です。健康な歯を保つためには、毎日のセルフケアと定期的な歯科健診を組み合わせることが重要です。歯のケアを習慣化し、長期的なお口の健康を目指しましょう。

また、歯ブラシが奥歯まで届いているからといって、きれいに磨けているとは限りませんので、丁寧にブラッシングしましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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