よくあるご質問
歯並び・歯列矯正

マウスピース矯正は虫歯になりやすい?なった場合の治療は?

マウスピース矯正は虫歯になりやすい?

マウスピース矯正は適切なケアを怠ると虫歯のリスクが高まる可能性があります。マウスピース矯正が虫歯になりやすい理由、虫歯を予防するためのケア方法、万が一虫歯が発生した場合の対処方法をご説明します。

マウスピース矯正は虫歯になりやすい?

虫歯

マウスピース矯正は、マウスピースをはめた時に歯にかかる力を利用して、歯を動かしていく方法です。そのためマウスピース矯正では、1日のうち長い時間マウスピースをつけていなければなりません。

当院で取り扱っているインビザラインでは、1日22時間以上の装着を推奨しています。

▼マウスピース矯正の種類と、マウスピースの装着時間はこちらでまとめています。

マウスピース矯正で虫歯ができやすい理由

マウスピース矯正(インビザラインなど)が虫歯になりやすい理由はいくつかあります。

1. 歯磨きが不十分になることがある

マウスピース矯正は食事(間食を含む)のたびにマウスピースを外して、その後は歯磨きとマウスピースの洗浄が必要です。しかし、外出中で歯磨きが出来ない、マウスピースが洗えない場合に、汚れた歯に汚れたマウスピースを再度装着することになってしまいます。

そのまま次の歯磨きまでの時間が長いと、歯についた食べ物のカスの中に細菌が繁殖して虫歯のリスクが高まります。

2. 唾液が歯の表面に行きわたりにくい

マウスピースは歯全体を覆うため、唾液が歯の表面に十分に行き渡りにくくなります。唾液には食後に食べ物の汚れを洗い流したり、お口の中が酸性に偏るのを中和したり、歯を健康に保つための多くの役割や効果があります。

唾液が歯に行きわたりにくくなると、その効果が減少してしまって虫歯リスクを高めることに繋がります。

3. 長時間の装着

マウスピースは1日に22時間以上装着することが推奨されます。歯の表面がマウスピースによって長時間覆われると、歯の周囲の酸性の環境が持続しやすくなってしまうため、虫歯のリスクが高まります。

4. 間食や飲み物の影響

マウスピースを装着したまま間食をしたり、砂糖や酸を含む飲み物を飲んでしまうと、マウスピースの中に食べ物のカスや飲み物がたまりやすく、それらが歯に密着した状態になるため、虫歯の原因となります。

日ごろから虫歯になりやすい人にはマウスピース矯正は向かないの?

虫歯になりやすい人の特徴

  • 歯垢がたまりやすい・・歯磨きの習慣が不十分だったり、歯並びが悪いことで歯垢が残りやすい場合。
  • 甘いものが好き・・糖分の摂取が多いと虫歯のリスクが高まります。
  • 唾液量が少ない・・唾液には歯を保護する役割がありますが、量が少ないと虫歯になりやすくなります。

マウスピース矯正が向かない理由になるポイント

虫歯になりやすい方がマウスピース矯正に取り組む際に考えておかねばならない点やリスクは以下の通りです。

  • マウスピースの装着時間・・アライナーは1日20時間以上の装着が推奨されますが、装着中は唾液による歯の自浄作用が弱まるため、虫歯のリスクが増加します。
  • 歯磨きの頻度・・食後にマウスピースを装着する前に必ず歯磨きを行う必要がありますが、これを怠ると歯垢が溜まりやすくなります。
  • 虫歯の進行・・マウスピース装着中にすでにある小さな虫歯が進行しやすくなる可能性があります。

虫歯になりやすい人でもマウスピース矯正を行うための工夫

  • 徹底した歯磨き・・食事や間食のたびに丁寧に歯磨きを行うことが重要です。特にフロスや歯間ブラシを活用することで、歯垢をしっかり取り除きましょう。
  • フッ素の活用・・フッ素入りの歯磨き粉を使用することで歯を強化し、虫歯のリスクを軽減します。
  • 定期的な健診・・矯正治療中は歯科での健診を通常以上に頻繁に行い、虫歯や歯垢の状態を確認します。
  • 唾液促進・・ガムを噛むなどして唾液分泌を促すことで、自然な虫歯予防効果を高めます。
  • 特別なマウスピースクリーナーの使用・・アライナー自体の清潔を保つことで細菌の繁殖を防ぎます。

マウスピース矯正をしても虫歯にならないためには

ではマウスピース矯正をしても、今までと変わらず虫歯にならないためにはどうすれば良いのか?

マウスピースをつける前後にしっかり歯磨きすれば良いのです。マウスピースをつける前にしっかり歯磨きをし、お口の中から細菌がいなくなっていれば、マウスピースをつけても問題ありません。

歯ブラシだけでは不十分なので、デンタルフロス歯間ブラシマウスウォッシュなども併用できるとなお良いです。詳しい歯磨き方法は、定期健診の時に歯医者で教えてもらいましょう。

デンタルフロス 歯間ブラシ

マウスピース矯正にはどんなリスクがある?

お口の中に普段はないマウスピースが入ることで、違和感を感じたり歯ぎしりしてしまったりといったことがあります。ただこれは慣れれば楽になってきます。

▼他の矯正方法とマウスピース矯正それぞれのメリットデメリットはこちらでまとめています。

歯ぎしりによってマウスピースに穴が開いたり、割れたりした場合はすぐに歯医者に相談しましょう。

マウスピースが割れたり無くしたりしてしまったときの対応方法はこちらでまとめています。

【マウスピース矯正前】虫歯になったら

マウスピース矯正前に虫歯がある・虫歯になった場合は、先に虫歯治療を行います。マウスピース矯正の種類によっては、マウスピース矯正が始まってからでは虫歯治療が難しいこともあるためです。また虫歯は放置しておけばどんどん進行していきます。そのため、わかった時点ですぐに虫歯治療を行います。

虫歯治療の代表的な方法はこちらでまとめています。虫歯治療が苦手な方も、一度目を通してから行くと少しは楽かもしれません。

【マウスピース矯正中】虫歯になったら

マウスピース矯正中に虫歯になってしまったら、マウスピース矯正の種類によってはその時点ですぐ治療することができます。しかし種類によっては途中で虫歯治療をするのが難しいこともあります。

というのも、虫歯治療をすることで歯の形が変わってしまい、マウスピースが合わなくなる可能性があるから。この場合は、応急処置のみ行い、マウスピース矯正が終わってからしっかり虫歯治療をします

このようなことにならないためにも、マウスピース矯正中は特に歯磨きを徹底しましょう。

【マウスピース矯正後】虫歯になったら

マウスピース矯正後は、マウスピースを毎日つける生活から解放され、虫歯治療も随時できるようになります。リテーナーなど保定装置をつけていても、状況に応じて虫歯治療をすることが可能です。

まとめ

歯のキャラクター

マウスピース矯正は虫歯のリスクを高める要素がありますが、正しいケアを心がければ防ぐことが可能です。食事後の歯磨きやマウスピースの清潔な管理、定期的な歯科健診が虫歯予防のためのポイントとなります。

また、矯正中や前後に虫歯が発生した場合は、速やかに歯科医に相談し適切な治療を受けましょう。毎日の丁寧なケアで、健康な歯を保ちながら美しい歯並びを目指しましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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