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歯医者で麻酔後の食事は何時間後から?

歯医者で麻酔後食事は何時間ごからとっていい?

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

今回は「歯医者で麻酔後の食事」について書いていきたいと思います。

麻酔の効果が切れるまでの時間

局所麻酔の効果が持続する時間は、個人差や使用された麻酔薬の種類によって異なりますが、一般的には1〜3時間程度です。麻酔が効いている間に食事をすると、唇や舌を噛んでしまったり、食べ物の熱さを感じないため、口の中を傷つける可能性があります。

歯医者で麻酔後、食事は何時間後から?

 

女性食事会

歯医者で麻酔をした直後飲食を控えるよう言われるのは、麻酔が効いている間は感覚がないため、火傷や傷を負っても気づけないためです。気づけないまま傷口が大きくなってしまったり、出血が増えてしまう可能性もあります。そのため、麻酔が効いている間は飲食を控え、安静にしましょう。

麻酔が効いている間の飲食はケガの原因に

歯医者で、虫歯の治療などで行なった麻酔では1〜3時間ほどで麻酔は切れてくるでしょう。歯茎に埋まっている親知らずの抜歯の際など、深い部分にも麻酔をした場合は麻酔が切れるまでに3〜5時間ほどかかることもあります。

歯医者で麻酔後、食事(ご飯)は麻酔が切れてから

また何時間経っても唇の感覚が取れない場合などは、一度歯医者へ相談してみると良いでしょう。

感覚が戻るまで食事を避ける理由

歯科治療で麻酔を使用した後に感覚が戻るまで食事を避けるのは、いくつかの理由があり、特に安全面や治癒の観点から重要です。

1. 誤って舌や頬を噛むリスク

麻酔が効いている間、特に局所麻酔の場合、口の中の感覚が鈍くなり、この状態で食事をすると、以下のようなリスクが発生します。

舌や頬を誤って噛む

麻酔が効いていると、口の中の動きや位置感覚が鈍くなり、通常は感じるべき痛みを感じることができないため、舌や頬を噛んでしまうことがよくあります。特に食事中は噛む力が強くなりがちで、気づかないうちに舌や頬に深い傷を作ってしまうこともあります。

傷が悪化する可能性

一度噛んでしまうと、その部分が腫れて痛みが生じ、さらに食事をする際に再度噛んでしまうリスクが高まります。このような繰り返しが、傷の治癒を遅らせ、感染のリスクも増加させることになります。

2. やけどのリスク

麻酔が効いている間、熱さや冷たさを感じにくくなります。このため、食べ物や飲み物が熱すぎる場合でも、それに気づかずに食べたり飲んだりしてしまい、口内や舌をやけどすることがあります。

感覚が戻らない状態での危険

特に熱いスープやコーヒー、温かい食べ物などは、麻酔が効いている時には熱さを感じないため、やけどすることがあります。やけどは口内に痛みや炎症を引き起こし、さらなる治療が必要になる場合もあります。

3. 食べ物がうまく飲み込めないリスク

麻酔によって、口内の筋肉や舌の動きも鈍くなっていることがあります。これにより、食べ物を噛んだり飲み込んだりする動作が正常に行えなくなることがあります。

誤嚥(ごえん)のリスク

飲み込む力が弱まっていると、食べ物や飲み物が誤って気管に入り、咳き込んだり、誤嚥性肺炎のリスクを高めることがあります。特に高齢者や小さな子供の場合、誤嚥が起こると健康への影響が大きくなることがあります。

4. 治療箇所への負担を減らす

麻酔後に治療した歯や歯茎がまだデリケートな状態にある場合に食事をすると、その部位に負担がかかり、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。麻酔が効いている状態で食事をすると、気づかないうちに治療した部分を過度に使ってしまうこともあります。

出血や傷の悪化

特に抜歯や歯茎の治療を行った後では、食事中の圧力や食べ物の物理的刺激が原因で、出血が再発したり、傷口が開いてしまうことがあります。これを防ぐためにも、麻酔が切れた後、治療部位の感覚が完全に戻るまで待つことが推奨されます。

5. 麻酔の効果が切れるまで待つのが安全

歯科医が麻酔後に食事を控えるよう指示するのは、上記のリスクを避け、治療後の回復を安全に進めるためです。局所麻酔が完全に切れたとき、唇や舌、歯茎の感覚が正常に戻り、食事中のリスクを軽減できます。

推奨される待機時間

麻酔の効果が1〜3時間持続するため、この間に食事を控えることが一般的です。また、麻酔が効いている間は、ぬるめの飲み物を少量ずつ飲む程度であれば安全です。

麻酔が切れた後の食事の注意点

麻酔が切れた後、すぐに食事を再開する際には、いくつかの注意点があります。特に歯の治療を受けた部分がまだデリケートな状態であるため、慎重に食事を摂ることが推奨されます。

柔らかい食べ物を選ぶ

初めは柔らかい食べ物を選び、治療した歯に負担をかけないようにしましょう。お粥やスープ、ヨーグルトなどが適しています。

熱いものは避ける

麻酔後すぐに熱い食べ物や飲み物を摂ると、感覚が完全に戻っていない場合、やけどのリスクがあります。ぬるい飲み物や冷たい食べ物が安全です。

飲み物に関して

麻酔後の飲み物についても注意が必要です。特にストローを使った飲み物は、吸う動作が抜歯や治療後の傷口に影響を与えることがあるため、避けたほうがよいです。

  • 推奨される飲み物・・常温の水や冷たいお茶などが安全です。
  • 避けるべき飲み物・・コーヒーやアルコールなどの刺激の強い飲み物は控えましょう。

痛み止めを服用している場合

歯科治療後に痛み止めを処方されることがあります。薬の効果が出る前に食事を摂ると、痛みを感じやすいため、薬の服用後に軽めの食事を摂ると良いでしょう。また、痛み止めを空腹時に飲むと胃に負担がかかる場合があるため、少量の食べ物と一緒に摂取するのがおすすめです。

歯医者で麻酔後の食事は何時間後からに関するQ&A

歯医者での麻酔後、食事は何時間後から可能になるのですか?

通常は麻酔が切れてから食事を摂ることが推奨されます。麻酔の種類によっては1~3時間、深部麻酔の場合は3~5時間ほどかかることがあります。

麻酔後、何時間経っても感覚が取れない場合、どのような対処が必要ですか?

感覚が戻らない場合は、一度歯医者へ相談してみることをお勧めします。早急に医療的なアドバイスを求めることが重要です。

歯医者で麻酔が必要となる治療の例を挙げてください。

歯を抜く時や虫歯の治療、また歯周病の治療など歯石を取る時などに麻酔が必要となります。神経に触れる可能性がある場合には麻酔が行われます。

歯医者での麻酔と食事についてまとめ

歯のキャラクター

歯医者で麻酔をした後は、注意事項を守りましょう。普段は問題のない食事でも、場合によっては大きなケガにつながることがあります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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