子供の歯ぎしりに気づいて、心配になる親御さんは多いかもしれません。歯ぎしりは成長の一環として自然に起こることもありますが、かみ合わせの問題やストレスなどが原因となっている場合もあります。子供の歯ぎしりの原因や影響、そして改善方法についてご説明します。
子供が歯ぎしりをする原因
子供の歯ぎしりの原因は、かみ合わせの悪さやストレスなどが考えられます。
かみ合わせが悪い
子供の場合、かみ合わせが悪いと歯ぎしりでそれを治そうとします。歯ぎしりにより歯がすり減ったり、力が加わったりすることで歯の位置を調整しているようです。
大人は歯が成長しきっているので、歯ぎしりをしても歯がすり減っていく一方。しかし子供はまだ成長の途中です。歯の生え変わりなどもあるので、成長とともに歯ぎしりがなくなっていくことも多いようです。
ストレスを抱えている
子供でも日常生活や学校、家庭でのストレスが歯ぎしりの原因となることがあります。ストレスの原因として、宿題や友人関係の問題、家庭での変化(引越し、家族の増減など)を挙げることができます。特に6歳を過ぎても歯ぎしりが治らないようであれば、一度歯科医院で相談してみましょう。
遺伝的要因
歯ぎしりが遺伝することもあり、親や兄弟が歯ぎしりをしている場合、子供にもその傾向が見られることがあります。
睡眠の質の低下
子供の睡眠が浅い、または質が低い場合、歯ぎしりが引き起こされる可能性があります。特に睡眠時無呼吸症候群など、呼吸の問題が関連する場合もあります。
歯ぎしりによる影響
先ほどお伝えしたように、歯ぎしりは基本的に生理現象。そのため気にしすぎることはありません。しかし治療が必要な場合もあるので、見極めが重要です。
1. 痛み・違和感を訴える場合
あまりにひどい歯ぎしりが続くと、歯の神経がダメージを受けて炎症を起こすことがあります。歯の神経が炎症を起こすと強い痛みが出ます。すぐに歯科医院で治療してもらいましょう。
また歯ぎしりにより、大人と同じく顎関節症になることも。
顎関節症とは
顎運動時(あごを動かした時)の筋痛、顎関節(耳の前方部)の痛みや雑音などが、主な臨床症状です。多くの場合、これらの症状は複合します。
引用 コトバンク
「口を開けると痛い」「口を開けると音がする」「口を開けづらい・開かない」などといった訴えがあったときは、歯科医院で診てもらう必要があります。
2. 歯が揺れてきた場合
歯ぎしりも度がすぎると、歯が負担に耐えられず揺れてきます。また明らかに歯がすり減っていたり形が変わっていたりする場合も歯科医院で行きましょう。これらは放っておくと痛みの原因となります。
3. 顎関節症への進行
歯ぎしりを放置すると、顎関節に負担がかかり、顎関節症に発展する可能性があります。痛みや口の開閉に支障が出ることがあるため、早期に対策を取る重要性があります。
歯の摩耗と歯列への影響
長期間にわたる歯ぎしりは、歯の摩耗や歯列のずれを引き起こし、さらなる歯科治療が必要になることもあります。子供の成長期の歯列への影響も考慮すべきです。
子供の歯ぎしりをやめさせる方法
リラクゼーションやストレス管理
子供も大人と同様、環境の変化や学校生活、交友関係でストレスを感じます。また子供は大人と違って、「ストレスを感じているからリラックスしよう」という考え方はなかなかできません。一人で溜め込んでしまうことも。
せめて自宅にいる間だけでもリラックスできるよう、環境を工夫してあげたり声をかけてあげたりしましょう。歯ぎしりの改善につながるかもしれません。
食べ物をよく噛ませる
食べ物をよく噛まないとあごがしっかり成長せず、かみ合わせに影響が出ます。そのため食べ物をよく噛まない子供は、歯ぎしりをする傾向があります。
一口20回噛むのが基本です。隣で一緒に数えてあげたり、自覚させるだけでも変わってくるでしょう。またよく噛む必要のある食べ物を選ぶのも手ですね。
睡眠環境の改善
静かで暗い環境で眠ることが推奨されます。寝具の見直しや、就寝前にリラックスできるルーチン(絵本の読み聞かせや軽いストレッチなど)を取り入れることで、睡眠の質を向上させ、歯ぎしりを軽減することが期待されます。
専門医への相談
必要に応じて歯科や小児科の専門医に相談することも重要です。特に、持続的な歯ぎしりや顎関節の痛みがある場合は、早期の診断と対策が推奨されます。
まとめ
子供の歯ぎしりは、成長過程の一部として自然に改善されることもありますが、かみ合わせの異常やストレスなどが影響している場合は、適切な対処が必要です。
日常生活の中でリラクゼーションを心がけたり、食事や睡眠環境を整えることで改善が期待できます。また、症状が長引いたり、歯や顎に影響が出る場合は歯科医師に相談することが重要です。早めの対策を取り入れることで、お子さんの健康な成長を支えましょう。