今回は「ホワイトニングの原理」についてまとめていきます。
ホワイトニングの原理・メカニズム
ホワイトニングは魅力的だけど、なぜ白くなるのでしょうか? 歯に負担がないか不安に思われる方はおられませんか?
ホワイトニングで使われる成分
ホワイトニング材の成分
ホワイトニング材として臨床応用されているのは、オフィスホワイトニングに試用されている各種濃度の過酸化水素水、
ホームホワイトニングに使用されている10%過酸化尿素、無髄歯の漂白法であるウォーキングブリーチに使用する過ホウ酸ナトリウムの3種です。
過酸化水素(H2O2)
過酸化水素は2.5~3.5%の濃度のもの(オキシドール)が消毒剤として使用されています。
過酸化水素は組織、細菌、血液、胆汁などに存在するカタラーゼ(Catalase)で分解され、フリーラジカルが発生します。
フリーラジカルには強い酸化力があり、細菌の構成成分に効果があります。
また、酸化力に基づく漂白作用・脱臭作用があり、歯のホワイトニングに応用されています。
なお、過酸化水素からフリーラジカルを多く発生させるには、
・温度を上げる(歯科医院ではH2O2を温めて使用したりします)
・光を当てる(歯科医院ではライトを当てて施術します)
・アルカリ性にする。金属触媒を添加する方法があります(クリスタル等)
ホワイトニングのメカニズムは過酸化物による有色物質の分解作用です。
フリーラジカルが有機性着色物質を分解して低分子の無色の物質となることにより漂白作用が発現します。
※フリーラジカルとは
不対電子(ふついでんし)をひとつ、または、それ以上もつ分子・原子
電子が足りないため、不安定で反応しやすい性質を言う。
なぜ歯そのものの色を白くできるの?
歯の表面にホワイトニング剤を塗ることにより、ホワイトニング剤やその成分が歯に浸透していきます。歯に浸透すると、歯そのものの色を決めている色素を分解していきます。これは化学反応によるもので、これがホワイトニングで歯が白くなる原理です。
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また歯科医院で行うホワイトニングでは、ホワイトニング剤を歯の表面に塗った後、光を当てます。これは先述のような色素を分解する化学反応が、光を当てることで強まるからです。
つまり光を当てることで、より効率的・効果的に歯のホワイトニングができるのです。
ホワイトニングで白くできる歯・できない歯
ホワイトニングできる場合とできない場合があります。
ホワイトニングで白くできる歯
自分の歯であり虫歯などがなければ、基本的にどの歯も白くすることができます。着色や茶渋など歯の表面についた色に限らず、歯そのものの色も白くできるのがホワイトニングです。
ホワイトニングで白くできない歯
詰め物や被せ物など、人工物はホワイトニングをしても白くすることができません。それらを白くしたい場合は、希望の色で作り直す必要があります。
そのためいずれ歯を白くしたいと考えている場合は、先にホワイトニングをし、ホワイトニング後の歯の色に合わせて詰め物や被せ物を作った方が経済的です。
▼それだけでなく年齢や疾患、お口の中の状態によってはホワイトニングできない方もいます。詳しくはこちらでまとめています。
https://www.matsumoto.or.jp/toothteeth/cannot-whitening/
歯科医院とサロンでは効果が違う
歯科医院以外にサロンでもホワイトニングをやっていますが、ホワイトニング効果が全然違います。また、歯科医院と市販のホワイトニング用品でもその効果は全然違います。
歯科医院の方が効果を感じやすい
着色や茶渋などちょっとした色であれば、サロンでも歯を白くすることができます。しかし歯そのものの色を白くするのは歯科医院でしかできません。これは使用しているホワイトニング剤やその成分が違うからです。
サロンや市販品で使用できるホワイトニング剤・成分には制限があり、これは法律で決められていること。かかる費用や値段はサロンの方が圧倒的に安いので、自分の歯の色の原因によって上手く使い分けると良いでしょう。
▼ホワイトニングサロンと歯科医院の違いはこちらで詳しくまとめています。
https://www.matsumoto.or.jp/toothteeth/self-whitening-effect/
ホワイトニングの原理・メカニズムに関するQ&A
ホワイトニングの原理・メカニズムは、過酸化水素や過ホウ酸ナトリウムなどのホワイトニング材に含まれる過酸化物が有機性着色物質(色素)をフリーラジカルによって分解することにより、無色の物質に変化させる漂白作用です。これによって歯の着色物質が分解され、歯が白くなる仕組みです。
ホワイトニングで使われる主な成分には、過酸化水素(H2O2)、過ホウ酸ナトリウム、および過酸化尿素があります。オフィスホワイトニングでは過酸化水素水が、ホームホワイトニングでは過酸化尿素が使用されています。また、ウォーキングブリーチと呼ばれる無髄歯の漂白法には過ホウ酸ナトリウムが使われています。
ホワイトニングで白くできる歯は、自分の歯で虫歯などがない場合、色素による着色や茶渋などが付着している歯全般です。一方、ホワイトニングでは詰め物や被せ物などの人工物は白くできません。人工物を白くしたい場合は、再製作が必要です。