今回は「口内炎の治し方」についてまとめていきます。
口内炎の治し方
口内炎をできるだけ早く治すためには、生活習慣にも注意が必要です。次のポイントを心がけることで、口内炎の治りが早くなることが期待できます。
1. まずは口の中を清潔に保つ
口内炎が発生しているときは、口腔内を清潔に保つことが重要です。食後は必ず歯を磨き、口腔内に細菌が増えないようにしましょう。デンタルフロスやマウスウォッシュも使用することで、さらに効果的に清潔を保てます。
どれだけ栄養を取っても、お薬を塗っても、お口の中が細菌だらけでは同じことの繰り返しです。普段から歯磨きを丁寧に行い、口内を清潔に保つようにしましょう。
このとき注意したいのは、口内炎の部分はブラシが当たらないようにすること。口内炎そのものには触れずに、周りや他の部分はきれいに磨くようにします。
2. 口内炎の部分に触れない
粘膜を何かしらの理由で傷つけたことにより、口内炎につながることはしばしばあります。歯磨きをするときは口内炎そのものを刺激しないようにしましょう。
口内炎を触りたくなるお気持ちはわかりますが、さらに傷つけてしまう恐れや細菌が入ってしまう可能性があります。口内炎にはなるべく触れないようにしましょう。
3. 必要に応じて歯の治療を受ける
歯の尖っている部分や歯の被せ物、入れ歯などが粘膜に当たることによりできる口内炎もあります。また矯正治療中は、ワイヤーが粘膜に当たることで口内炎を繰り返すこともあります。
このような場合は、歯科医院に行き治療してもらう必要があります。治療と言っても、尖っている歯や被せ物であれば少し削ったり、入れ歯は調整を行うだけです。すぐ終わることがほとんどです。
歯列矯正のワイヤーは、ワイヤーの当たっている部分にワックスを付けるだけで口内炎が治ることもあります。
4. ビタミンBを多くとる
口内炎は、ビタミンBが不足するとできやすくなります。
ビタミンB群の中でも特にビタミンB2・ビタミンB6を積極的に摂ると、口内炎が治りやすいと言われています。
▼ビタミンB2・B6が多く含まれる食べ物はこちらでまとめています。
5. 刺激の少ない食事を心がける
辛いものや酸味の強い食べ物、アルコールなどの刺激物は、口内炎を悪化させる可能性があります。口内炎が治るまでの間は、やわらかい食べ物や温かすぎない飲み物を選び、刺激を避けることが大切です。
6. 塗り薬を使う
口内炎で病院にかかると、炎症を抑える成分や殺菌・消毒成分が含まれた塗り薬を処方されることが多いです。また塗ることで周りの刺激から守る軟膏なども売られています。
7. 飲み薬を使う
口内炎の種類によっては、病院で飲み薬を処方されることもあります。また口内炎がひどくなると痛みが強いため、痛み止めを処方されることもあるようです。
8. 口内炎パッチを使う
口内炎パッチは、「貼る」口内炎治療薬で市販されています。
口内炎パッチ小さくて丸いシールのような形をしています。パッチ自体は唾液などで溶けることはなく、メーカーによると、万が一飲み込んでしまっても身体に影響はないそうです。
9. 免疫力をつける
十分な休養と睡眠を取り、バランスの取れた食事を心がけること。とても基本的なことですが、これにより身体に免疫力がつき、口内炎には効果があると言えます。
口内炎の原因のひとつには疲労やストレスが挙げられます。体をしっかりと休め、十分な睡眠を取ることで、免疫力が回復し、口内炎の治癒が早まります。特に、睡眠不足は体全体の回復力を低下させるため、口内炎が治りにくくなる要因となります。
口内炎の治療に役立つ栄養素
口内炎の治りを早めるためには、栄養素の補給が重要です。特に以下の栄養素は、口内炎の治癒を促進する効果が期待できます。
ビタミンB群
ビタミンB群は、口内炎の発生を抑える働きがある栄養素です。特にビタミンB2とB6は、口内の粘膜の修復を助け、口内炎の治りを早める効果が期待できます。これらの栄養素は、レバー、卵、納豆などに多く含まれています。
ビタミンC
ビタミンCは、免疫力を高める作用があり、口内炎の回復に役立ちます。ビタミンCが不足すると、体の防御力が低下し、口内炎が長引く可能性があるため、果物や野菜を積極的に摂取することが大切です。
亜鉛
亜鉛は、傷の治癒を助けるミネラルで、口内炎の回復にも効果的です。亜鉛が不足すると、体の免疫機能が低下し、口内炎が治りにくくなります。亜鉛は、牡蠣や牛肉、ナッツ類に多く含まれています。
市販薬の利用
口内炎が痛む場合や早く治したい場合には、市販薬を使用することも有効です。以下のような薬を使用すると、症状が和らぎ、治癒を促進することが期待できます。
軟膏タイプの薬
口内炎に直接塗布する軟膏タイプの薬は、炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。特に、ステロイド成分を含むものは、炎症を鎮めるのに効果的です。
口内洗浄剤
口内を清潔に保つために、抗菌作用のある口内洗浄剤を使用することもおすすめです。口内の雑菌を抑えることで、口内炎の治りが早まる可能性があります。
痛み止めの使用
口内炎の痛みが強い場合は、市販の鎮痛薬を一時的に使用することも考慮してください。ただし、長期間にわたる使用は避け、痛みが続く場合は歯科医や医師に相談することが重要です。
こんな場合は病院にかかりましょう
✔︎口内炎のような状態が2週間以上治らない
✔︎舌にしびれやしこりを感じる
✔︎腫れものから出血することがある
✔︎腫れものと周りの粘膜の境目があいまいである
1つでも当てはまる場合は放置せず、病院へかかりましょう。口内炎ではない可能性があるからです。また口内炎があまりに痛くて食べ物が食べられないというときも、我慢せず病院で診てもらいましょう。健康にとって我慢して良いことはありません。
病院に行くときは、歯科・口腔外科にかかりましょう。近くに口腔外科をやっているところがなければ、普通の歯科医院でも良いです。また耳鼻咽喉科や皮膚科、内科でも口内炎であれば診てもらえるようです。
▼最近話題の「舌癌」と口内炎の違いはこちらでまとめています。
https://matsumoto.or.jp/toothteeth/tongue-cancer/
口内炎の予防方法
口内炎の予防法は以下のようなものです。
1. 口内を衛生的に保つ
毎日の歯磨きとフロスの使用で口の中の細菌を減少させることが出来ます。アルコールを含まない口腔洗浄剤を使用して口の中を清潔に保つという方法もあります。
2. 刺激性のある食品や飲料の摂取を控える
スパイシーな食品や、柑橘類、塩辛い食品などは口内炎を刺激する可能性があるため、摂取を控えましょう。アルコールや炭酸飲料の過度な摂取も避けると良いでしょう。
3. ビタミンやミネラルを摂取する
バランスの良い食事を摂ってビタミンB群や鉄、葉酸などの栄養素を摂取しましょう。
4. ストレス解消
口内炎はストレスによって免疫が低下することでも起こります。リラクゼーションや適度な運動、十分な休息をとりましょう。
5. 喫煙を控える
タバコに含まれる有害物質の影響で免疫低下を起こしたり、血流に影響を与え、口内炎のリスクをあげる原因になる可能性があります。
6. 口内の乾燥を避ける
口内を乾燥させないように、水分を十分に摂りましょう。
7. 定期的に歯科健診を受ける
歯科健診を受けることで口内を傷つける尖った歯がないか、矯正装置や入れ歯に不具合がないかチェックしてもらいましょう。
口内炎にかかりやすい場所は?
口内炎はお口の中の頬や唇の裏の粘膜、のど、舌などの膜にできます。痛くて飲食が辛かったり、舌で触れると痛かったりしますので、出来るだけ触らないようにして治るのを待ちましょう。
アフタ性口内炎の出来やすい場所
- くちびるの裏
- 頬の粘膜
- 舌の縁の部分
- 歯と頬の間(歯や入れ歯、矯正装置が当たって口内炎になる場合がある)
口内炎の治し方に関するQ&A
口内炎の治療には、口内炎を抑える成分や殺菌・消毒成分が含まれた塗り薬が効果的です。炎症を抑え、周りの刺激から守る軟膏も利用できます。また、口内炎の種類や症状に応じて、病院で処方される飲み薬もあります。口内炎がひどくなると痛みが強い場合は、痛み止めも処方されることがあります。ただし、症状が2週間以上治らない場合や異常を感じる場合は、病院に相談して適切な治療を受けることが大切です。
口内炎パッチは、「貼る」口内炎治療薬で、大正製薬から販売されています。小さくて丸いシールのような形をしており、口内炎の上に貼って使用します。パッチ自体は唾液などで溶けることはなく、時間が経つとはがれてくる仕組みです。万が一飲み込んでしまっても身体に影響はないとされています。効果的な使い方は、口内炎ができたら清潔な手でパッチを貼り、指示通りに使用期間を守ることです。ただし、症状が長期間続く場合や他の不調がある場合は、病院で相談することをおすすめします。
口内炎が2週間以上治らない場合や以下の症状がある場合は、放置せずに病院を受診することをおすすめします。 ・口内炎のような状態が2週間以上治らない ・舌にしびれやしこりを感じる ・腫れものから出血することがある ・腫れものと周りの粘膜の境目があいまいである これらの症状は口内炎ではない可能性があるため、早めに専門医に相談して適切な診断と治療を受けることが重要です。また、口内炎が痛みを伴い食べ物が摂れない場合も、我慢せずに病院を受診してください。
口内炎の治し方まとめ
いつかはなくなるとわかっていても、痛くてつらい口内炎。まずはお口の中を清潔に保つことが大前提です。いくら病院に行って薬を使っても、お口の中が細菌だらけでは不衛生。口内炎も治りにくいです。
薬や口内炎パッチはあくまで対症療法なので、根本的な部分を見直すことから始めましょう。