今回は「受け口・しゃくれを矯正すべき時期」について書いていきます。
目次
矯正を検討するタイミング
受け口(反対咬合)やしゃくれは、成長期に特に注意が必要です。矯正治療を始める最適なタイミングは、子供の顎の成長と歯の発育状況によって決まります。一般的には、6歳から8歳頃が初期治療を開始する目安とされています。この時期に治療を開始することで、骨格の成長を適切な大きさや形に導くことが出来ます。
受け口・しゃくれを治療すべき時期
受け口(しゃくれ)に限らず、子供の歯列矯正は2つの時期に分けられます。
第2期:11〜15歳
このように分けられるのには、お子さんのあごの成長や歯の生え変わりの時期が関係しています。骨の成長を利用しながら顎の形を整え、歯をきれいに並べていくのが子供の歯列矯正の基本的な考え方です。
▼子供の歯の生え変わりについてはこちらでまとめています。
https://matsumoto.or.jp/toothteeth/haekawari/
第1期治療(6〜10歳)
小学校入学前後〜小学校中学年くらいまでが第1期治療の時期に当たります。この時期は乳歯と永久歯が混在している時期で、永久歯がきれいに生えてくるように顎の大きさを調整したり、かみ合わせのバランスを整えます。
乳歯と永久歯が混在している状態でも、装置などをつけず観察のみで永久歯が生えそろうのを待ち、永久歯が生えそろったタイミングで第2期治療を始めることもあります。
第2期治療(11〜15歳)
小学校高学年〜中学3年生の時期です。この時期は乳歯が抜け永久歯が生えそろった時期。大人の歯列矯正と同じように本格的に歯を動かし、歯並びをきれいにしていきます。
早期から受け口を矯正するメリット
早期に矯正を始めることで、以下のようなメリットがあります。
成長を利用した治療が出来る
成長期における骨の柔軟性を利用して、顎の位置や形を正しく調整できるため、永久歯がきれいに並びやすく、大人になってから矯正治療や大掛かりな外科矯正を避けられることがあります。
第2期の治療が必要なくなることも
第1期治療(6〜10歳)ころから歯列矯正を始めていると、第2期の治療が必要なくなったり、簡単な治療で済む可能性があります。また歯並びや不正咬合がそれ以上悪くなるのを防ぐことができます。
ただ身長や体重などと同じで、あごや顔の成長は個人差が大きいです。しっかり検査・診断を行っても予想通りに成長しないこともあります。そのため、必ずしも第1期治療を行っておけば第2期治療が必要なくなるとは言えません。
抜歯のリスクが減る
また永久歯が生えそろってから行う矯正では、歯並びを整えるために抜歯をすることも多くあります。しかし早期から歯科医院で相談していれば、あごの成長に合わせながら歯列矯正を行うことができるので抜歯しないで済む可能性が高まります。
外見を気にするころ歯並びに悩まなくて済む
歯列矯正は、矯正方法によっては外見や見た目に影響を及ぼすのが事実です。早期から歯列矯正を始めれば、中学生や高校生など外見をより気にし始めるころには、歯並びがきれいに治っている可能性が高いです。
特に骨格が原因で受け口になっている場合は、下顎が前に出るのを抑えるためにチンキャップという装置をつけていただくこともあります。大人になってから治すのは難しいが顎の成長期にある子供の場合は下顎が前に出るのを抑制しながら成長させることできれいな輪郭になることが期待できます。
早期から受け口を矯正するデメリット
経済的な負担が大きくなる
第1期治療、第2期治療行うとなると、治療期間が長くなるとその分経済的な負担も大きくなってきます。
あくまで目安ですが、第1期治療ではおよそ15〜50万円ほど、第2期治療ではおよそ20〜120万円ほど費用がかかります。費用は使用する装置によって様々で、歯科医院によっても料金の設定は変わります。
虫歯や歯肉炎のリスクが高まる
歯列矯正の装置によっては、歯磨きがとても難しくなります。それにより虫歯や歯肉炎のリスクが高まることも。どこまでお子さん本人が頑張れるか、歯科医院に頑張って通えるかが重要になってきます。
子供がストレスを感じる可能性
また大人でさえ邪魔に感じる矯正装置ですから、子供はより嫌がるでしょう。矯正によって子供は大きなストレスを感じるかもしれません。
矯正を遅らせるべきケース
一方で、すべてのケースで早期治療が必要というわけではありません。例えば、顎の成長がまだ不安定な場合や、永久歯が完全に生え揃っていない場合は、治療のタイミングを遅らせた方が良いこともあります。永久歯が生え揃う10歳から12歳頃に治療を始めるのが適切なケースも多いです。
子供の受け口・しゃくれを矯正すべき時期 に関するQ&A
子供の受け口やしゃくれを矯正するべき時期は、第1期治療(6~10歳)と第2期治療(11~15歳)に分けられます。年齢や歯の生え変わりの時期によって適切な治療時期が異なります。
第1期治療(6~10歳)から早期に受け口を矯正すると、第2期治療が必要なくなったり、簡単な治療で済む可能性があります。また、歯並びや不正咬合が悪化するのを防ぐことができます。
早期から受け口を矯正する場合のデメリットとしては、治療期間が長くなり経済的な負担が大きくなることがあります。また、歯列矯正の装置によっては歯磨きが難しくなり、虫歯や歯肉炎のリスクが高まる可能性もあります。また、子供が矯正装置にストレスを感じることも考えられます。
子供の受け口(しゃくれ)を矯正すべき時期まとめ
子供の受け口やしゃくれの矯正治療を始めるタイミングは一人ひとりの成長状況によりますが、6歳から8歳の初期治療が一般的に推奨されています。専門医と相談し、最適な治療時期を見極めることが、効果的な治療への第一歩となります。
監修
歯科衛生士
医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科
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