
入れ歯洗浄剤の正しい使い方や使用時間を守ることで、入れ歯を長持ちさせるだけでなく、口腔内の健康を保つことができます。また、その特徴を理解しておくことも大切です。入れ歯洗浄剤の使用方法や成分、そして万が一の対応策についてご説明します。
入れ歯洗浄剤の使用時間

入れ歯の洗浄に使用する水の量は商品によって多少差がありますが、一例をご紹介します。
まず150mlほどのぬるま湯を用意します。150mlはコップ1杯より少し少ないくらい。ぬるま湯は40〜50℃くらいが目安です。60℃以上の熱いお湯は、入れ歯を変形させる可能性があるのでやめましょう。
そこに入れ歯洗浄剤を1錠入れます。
目安は5分程度〜一晩中漬けていても構いません。漬けた後は洗浄液を水でよく洗い流し、歯ブラシで軽く磨きましょう。
使用後の入れ歯洗浄液は捨てましょう。使い回しは不潔になります。
- 短時間タイプ・・5〜10分程度で効果を発揮するもの。忙しい方に適しています。
- 長時間タイプ・・6〜8時間以上、主に就寝中に使用するもの。入れ歯の細菌や汚れをしっかりと除去します。
注意点
- 洗浄剤を長時間放置すると、入れ歯の素材が劣化する可能性があります。指定された時間を守ることが大切です。
- 洗浄後は、流水でよくすすぎ、洗浄剤の残留物をしっかりと取り除きましょう。
入れ歯洗浄剤の成分

入れ歯洗浄剤には酵素、漂白剤、界面活性剤、発泡剤などが含まれています。これらにより入れ歯を除菌したりニオイ・着色を取り除くことができます。
入れ歯の材料や素材によっては、入れ歯洗浄剤で変色することもあるようです。その場合は使用をやめ、歯科医師に相談しましょう。
入れ歯洗浄剤は、以下の成分で構成されています。それぞれが異なる役割を果たします。
- 漂白剤(過酸化物系成分)・・茶渋やタバコのヤニなどの着色汚れを分解します。過酸化水素や過硼酸ナトリウムが含まれている場合、使用頻度を守らないと素材に影響を与える可能性があります。
- 抗菌剤(塩化ベンザルコニウムなど)・・細菌やカビの繁殖を抑制します。
- 酵素・・食べ物のカスやタンパク質を分解します。
- 香料・・入れ歯の臭いを取り除き、清潔感を保ちます。
天然成分の製品も増加中 近年、ミントやハーブエキスなどの天然成分を含む洗浄剤が人気です。化学成分に敏感な方や環境に配慮する方に適しています。
入れ歯洗浄剤を誤飲してしまったら

万が一、入れ歯洗浄剤を誤飲してしまった場合は、水や牛乳を多めに飲ませて様子を見ます。吐かせるのは逆効果です。
入れ歯洗浄剤をそのまま誤飲した場合
②吐かせない
水や牛乳を多めに飲んで病院へ行きましょう。この時誤飲した商品やパッケージなどを持って行き医師に見せましょう。
また誤飲したものを出そうと無理に吐かせないこと。かえって危険です。
入れ歯洗浄剤が溶けた液を誤飲した場合
②吐かせない
③異常が見られれば病院へ
水や牛乳を多めに飲んで様子をみてください。牛乳は胃の内部(胃壁)を保護して、誤飲した成分による影響を弱める働きがあります。
誤飲したものを出そうと無理に吐かせないこと。かえって危険です。またジュースや炭酸飲料は飲ませないでください。空気やガスが発生し危険です。
少量を誤飲した場合
- 口内をすぐに水で洗い、コップ1〜2杯の水を飲む。
- 気分が悪くなる、または喉の違和感が続く場合は、すぐに医師に相談してください。
大量を誤飲した場合
- 直ちに医療機関を受診してください。
- 医師に以下の情報を伝えます・・使用した洗浄剤の名前、誤飲した量、誤飲後の症状
入れ歯洗浄剤が目に入った場合
まず応急処置として目をよく洗い流します。15分以上、十分に洗い流すことが大切です。眼科に行く時は、目に入った商品のパッケージなどを持って行き医師に見せましょう。
- 目に入った場合・・清潔な流水で15分以上洗い流し、異常があれば眼科医を受診する。
- 皮膚に付着した場合・・石鹸と流水で洗い流し、異常があれば皮膚科医を受診する。
入れ歯洗浄剤を安全に使用するためのポイント
入れ歯洗浄剤を効果的かつ安全に使用するためには、正しい使い方と注意点を理解しておくことが重要です。
1. 使用前に説明書を確認
入れ歯洗浄剤は製品ごとに成分や使用方法が異なるため、まず説明書を確認しましょう。
理由
- 使用時間や水の温度、濃度の指示が異なるため。
- 一部の製品には特定の素材(軟性義歯など)に適さないものがある。
- 長時間の漬け置きが必要な製品もあれば、短時間で十分な製品もある。
具体的な注意事項
- 「熱湯禁止」などの注意がある場合、誤って熱湯を使用すると入れ歯が変形する可能性があります。
- 必要な洗浄液の量や濃度を守らないと、洗浄効果が薄れる場合があります。
2. 子供の手の届かない場所に保管
誤飲事故を防ぐために、入れ歯洗浄剤を適切に保管することが重要です。
適切な保管方法
- 高い棚や鍵付きの収納に保管。
- 子供やペットがいる家庭では、目立たない容器に入れ替えない(製品表示が分からなくなるため)。
誤飲防止の工夫
- 誤飲を防ぐため、子供が触れにくい上部に蓋があるタイプの専用ケースを使う。
- 「洗浄剤は食品ではありません」という警告シールを貼ると、家族全員で意識を共有できます。
3. 適量を守る
適切な量を守ることで、入れ歯や洗浄剤の効果を最大限に引き出せます。
適量を守る理由
- 洗浄剤が多すぎると、入れ歯の素材が痛むことがある。
- 少なすぎると洗浄効果が不十分になり、細菌や臭いの原因が残る可能性が高まります。
目安としての基準
- 洗浄剤の錠剤タイプは1回につき1錠。
- 粉末タイプや液体タイプは製品ごとの分量を守る。
- 水の量と洗浄剤のバランスが大事です。製品の指示通りに調整しましょう。
4. 入れ歯専用ケースを活用
入れ歯洗浄剤を使用する際には、専用のケースを使うことをおすすめします。
専用ケースの利点
- 入れ歯全体が均等に洗浄剤に浸かるよう設計されている。
- フタ付きのケースを使用することで、洗浄中にこぼれる心配が
- 入れ歯を安全に保管する場所としても利用可能。
ケース選びのポイント
- 丈夫で密閉できるものを選ぶ。
- 底がメッシュ状になっていると、入れ歯の取り出しが簡単。
5. 洗浄後のすすぎを徹底する
洗浄後、流水ですすぎをしっかり行うことが重要です。
すすぎを怠るリスク
- 洗浄剤の成分が残ると、口腔内に刺激や炎症を引き起こす可能性があります。
- 特に抗菌成分が残ると、口腔粘膜に影響する場合があります。
効果的なすすぎの方法
- 流水で1〜2分程度、入れ歯全体をくまなく洗い流す。
- ブラシで軽くこすりながらすすぐと、残った汚れも除去できます。
6. 他の洗浄方法と併用する
入れ歯洗浄剤だけでなく、手洗いや超音波洗浄器を併用することでさらに効果的です。
手洗いの重要性
洗浄剤で除去できない歯垢や頑固な汚れをブラシで落とします。
柔らかいブラシを使うと入れ歯を傷つけません。
超音波洗浄器
細かい部分や目に見えない汚れを取り除くのに効果的。
洗浄剤と組み合わせて使用すると、より清潔な状態を保てます。
まとめ

入れ歯洗浄剤は、入れ歯の衛生を保つための重要なアイテムです。適切な使用方法を守ることで、入れ歯の効果を最大限に引き出し、快適に使用することができます。一方で、誤飲や目への接触といったトラブルに対する適切な対応を知っておくことも重要です。
入れ歯洗浄剤を安全に利用し、日々のケアを習慣化することで、健康的な口腔環境を維持しましょう。