
子供の歯並び矯正は、乳歯から永久歯への生え替わりや顎の成長が進む6~12歳頃がベストな時期とされます。このタイミングで治療を始めることで、将来の歯列不正を予防できる可能性があります。子供の歯並びを治療する適切な時期や治療の特徴、開始のサインについてご説明します。
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矯正治療のタイミングに影響する要因
子供の矯正治療を始めるタイミングを見極めるには、さまざまな要因を考慮する必要があります。
1. 乳歯から永久歯への生え変わり
乳歯から永久歯への移行期間は矯正治療の大切なタイミングです。この時期には、以下の点を注意深く観察することが求められます。
生え変わりの順序とペース
永久歯が正しい順序で生えてくることが理想ですが、順序やペースに異常があると、不正咬合につながることがあります。例えば、乳歯が早期に抜けると隣の歯が動き、永久歯の生えるスペースが不足する可能性があります。
スペース不足(叢生)
顎の成長が追いつかず、永久歯が正しい位置に並ぶスペースが足りない場合、歯が重なったり、ねじれた状態になる「叢生」が生じます。これは、早期にスペースを確保する治療が必要になる典型的なケースです。
2. 顎の成長のピーク
子供の顎の成長は年齢や性別により異なります。この成長のピークを捉えることが、矯正治療の効果を最大化するポイントです。
成長予測
女の子は一般的に9~11歳、男の子は10~13歳の間に顎の成長がピークを迎えることが多いです。この時期に治療を行うことで、顎の自然な成長を利用し、骨格の問題を改善することができます。
顎の不均等な成長
上顎と下顎の成長に不均衡がある場合、タイミングを見誤ると治療が難しくなることがあります。たとえば、下顎が成長しすぎる「下顎前突(受け口)」の治療には、成長がピークに達する前に対応することが重要です。
3. 口腔内の習癖(癖)
子供の習癖は歯並びや顎の発育に大きな影響を与えるため、早期に発見して対策を取る必要があります。
指しゃぶり
長期間続くと、開咬や上顎前突(出っ歯)の原因となります。習慣が5~6歳以降も続く場合、早めの治療で改善を図ることが推奨されます。
舌癖
舌が歯を押し出す動きをする癖がある場合、歯列の乱れを引き起こします。舌の位置を正しい位置に戻すためにお口に入れて使うマウスピース型の装置やトレーニングを取り入れることが効果的です。
口呼吸
鼻づまりやアレルギーなどが原因で口呼吸が続くと、上顎が狭くなり、歯並びが悪くなるリスクがあります。この場合は、歯科だけでなく耳鼻科との連携が重要です。
4. 遺伝的要因
家族の歯並びや顎の形状が子供に遺伝することも少なくありません。
親子間の類似点
両親のどちらかに不正咬合や顎の問題がある場合、子供も同様の問題を抱える可能性が高くなります。このような場合、定期的な歯科健診で早期にリスクを把握し、適切なタイミングで治療を開始することが求められます。
遺伝性の顎の問題
遺伝的に顎が小さい、または上顎・下顎の成長に差がある場合は、特に注意が必要です。これらのケースでは骨格矯正を含む計画が必要となることがあります。
5. 生活環境と習慣
子供の成長環境や日常生活の習慣も矯正治療のタイミングに影響を与えることがあります。
栄養バランス
十分な栄養が取れていない場合、顎や歯の発育に影響が出ることがあります。例えば、硬いものを噛む機会が少ないと顎の発達が遅れる可能性があります。
事故や外傷
歯の外傷により、歯並びや永久歯の生え方に影響が出ることがあります。これにより、治療タイミングが前倒しになる場合もあります。
6. 医療技術と治療法の進歩
最近の医療技術の進歩により、治療の選択肢が広がり、タイミングの柔軟性が増しています。
早期治療装置
プレート型装置や簡易的な矯正器具を使用することで、幼少期から治療を開始できる場合があります。
本格的な矯正治療
ワイヤー矯正やマウスピース型矯正(インビザライン)などの選択肢が増えたため、治療計画がより個別化されています。
矯正治療を始めるタイミングに影響する要因には、子供の成長や生活習慣、遺伝など様々なものがあります。適切な時期を見極めるためには、歯科健診を定期的に受けて、担当医と相談しながら計画を立てることが大切です。
年齢別の矯正治療の特徴
6~8歳(乳歯期後期)
- 顎の成長や歯並びの問題を早期に発見するための観察期間です。
- 指しゃぶりや舌癖(舌の位置が正しくない習慣)が原因となる不正咬合に対処することが可能です。
- 補助的な装置(プレートなど)を使うことがあります。
9~12歳(混合歯列期)
- 乳歯と永久歯が混在する時期で、矯正治療の計画を立てる重要な段階です。
- 永久歯が生えるスペースを確保したり、顎の成長を正しい方向に導くための治療が行われます。
12~16歳(永久歯列期)
- ほとんどの永久歯が生え揃い、治療を本格的に行う時期です。
- ワイヤー矯正やインビザラインなど、さまざまな治療法が選択可能です。
子供の歯並び矯正をすべき時期
一般的に、歯列矯正の開始時期は6歳から12歳頃がベストとされています。この時期は、乳歯から永久歯への生え変わりが進行中であり、顎の成長もまだ進んでいるため、歯を正しい位置に導くための治療が効果的に行えます。特に、顎の成長を利用するため、早期の介入が後の大がかりな矯正を防ぐことができます。
子供の歯並びを歯列矯正により治すとき、大人と違って2つの時期に分けられます。
乳歯(子供の歯)がまだある
骨格の矯正が中心
②第2期
永久歯(大人の歯)が生えそろった
歯並びの矯正が中心
上記のように、乳歯(子供の歯)がまだあるかどうか・永久歯(大人の歯)のそろい具合で2つの時期に分けられます。ゆえにおおむねの目安は第1期が6〜10歳くらい、第2期が11〜15歳くらいとなります。
矯正開始のサイン
永久歯が生え始めた頃に、不正咬合や歯のスペース不足、出っ歯などが見られる場合、歯科医師に相談することを推奨します。
子供の歯並び矯正の特徴

子供の歯並びを治してあげたい!
そうは言っても、気になるのは歯並びを治すのにかかる費用・料金ですよね。
歯列矯正は保険がきかないので、全額自己負担となります。
歯並び治療【第1期】
第1期の歯並び治療は、まだ乳歯(子供の歯)があるときに行うもの。生え変わった後永久歯(大人の歯)がきれいに並ぶように、骨格の矯正が中心です。
歯並び治療【第2期】
永久歯(大人の歯)が生えそろったら、第2期の歯並び治療を行います。歯並びを整えていく治療なので、基本的な治療方法は大人と同じです。歯科医院や矯正装置の種類によって費用・料金は変わってきます。
思春期の矯正治療
思春期(10~14歳頃)は、顎の成長が大きく進む時期であり、矯正治療に最適なタイミングとされます。この時期に治療を行うことで、顎の成長をコントロールしながら歯並びを整えることができ、効率的に矯正が進みます。
早すぎる矯正のリスク
早期すぎる治療は、顎の成長が不十分なために再度矯正が必要になる場合があります。そのため、適切な時期に治療を開始することが重要です。
まとめ
子供の歯並び矯正は、成長期を活かして効率的に進めることが可能です。第1期では骨格を整えることを中心に、将来の歯並びを整える土台を作り、第2期では永久歯の歯並び矯正を行います。
思春期は特に矯正治療に適したタイミングですが、開始時期が早すぎると再治療が必要になる場合もあります。お子さんの歯並びに不安を感じたら、まずは歯科医師に相談し、適切な治療計画を立てましょう。