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歯並び・歯列矯正

歯並びが悪い原因。大人になってからも歯並びは変わる

歯並びが悪い原因。大人になってからも歯並びは変わる

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

子供の頃から歯並びが悪い原因としては、遺伝や生活習慣の影響が挙げられますが、大人になってからも歯並びが変わることがあります。子供と大人では歯並びが悪くなる理由やその対処法が異なるため、早めの予防や矯正が大切です。歯並びが悪くなる原因と、それに対する対策についてご説明します。

子供の歯並びが悪い原因

歯並び

歯並びが悪い原因は、大きく2に分けられます。まずは子供の場合からご説明します。

  1. 遺伝による場合(先天的)
  2. 遺伝に関係ない場合(後天的)

1. 遺伝による場合

子供の歯並びが悪い原因が、①か②のどちらか知るには?

親の歯並びを見ればわかります。顎が小さかったり大きかったり、歯そのものの大きさが遺伝することもあります。

子供の歯並びが悪くなる原因の中で、最も大きな要因は遺伝です。両親や祖父母に歯並びや顎のサイズに問題がある場合、それが子供にも遺伝することが多いです。例えば、顎が小さい家系では、スペースが不足し、歯が重なり合ってガチャガチャに生えやすい傾向があります。逆に顎の骨が大きい場合には、すきっ歯になることもあります。

2. 指しゃぶり、爪噛み、口呼吸などの習慣・癖

親の歯並びはそれほど悪くないのに、子供の歯並びが悪い場合。それは遺伝に関係なく、生活習慣による影響が考えられます。

▼子供の口呼吸は口臭の原因にもなります。

https://matsumoto.or.jp/toothteeth/breath-children-smell/

乳歯では指しゃぶり爪噛み口呼吸など、歯に力が加わる習慣は歯並びに影響を与えます

また乳歯がむし歯などにより早い段階で抜歯すると、それにより空いたスペースに周りの歯が寄ってきてしまい、永久歯が綺麗に並ばないことがあります。

指しゃぶり

長期間の指しゃぶりは、上の前歯が突き出る「出っ歯」や、上下の前歯が噛み合わない「開咬(かいこう)」を引き起こすことがあります。

口呼吸

口呼吸を続けると、舌が正しい位置に保たれず、上顎の発達が抑制されてしまい、歯並びが悪くなる原因となります。

舌の位置や癖

舌を前方に押し出す癖があると、出っ歯や歯と歯の間に隙間ができることがあります。

3. 乳歯の早期喪失

乳歯が虫歯や外傷で早く抜けてしまった場合、永久歯が生えるスペースが確保されずに、歯並びが悪くなることがあります。乳歯は、永久歯が正しい位置に生えるためのガイドの役割を果たしているため、乳歯の健康管理も重要です。乳歯の抜けるタイミングが適切でないと、歯の混み合いやねじれなどの不正咬合が引き起こされやすくなります。

4. 顎の発育不全

子供の顎が正常に成長しない場合、歯がきちんと並ぶスペースが不足することがあります。特に、現代の食生活において柔らかい食べ物が多くなっていることが原因とされることがあります。硬い食べ物をしっかりと噛むことが少なくなったことで、顎の発達が不十分になり、結果として歯並びが悪くなるリスクが高まります。

5. 噛み合わせが悪い

歯並びが悪い子供の中には、上下の噛み合わせが正しくないケースもあります。例えば、上顎と下顎の成長バランスが崩れている場合や、下顎が前方に突出して「受け口」になっているケースなどです。こういった噛み合わせの問題も、歯並びが悪くなる原因となります。

 

上記のような要因によって起こっている場合は、早期の矯正治療が有効です。特に、子供の成長期に合わせた治療を行うことで、顎の発育をサポートし、将来の不正咬合を予防することができます。また、成長期に歯列矯正を始めると、顎の成長を利用して無理のない治療が可能になります。

大人の歯並びが悪い原因

歯並び

子供だけでなく、大人になってからも歯並びが悪くなることがあります。

  1. 虫歯歯周病が原因
  2. 親知らずが原因
  3. ストレスが原因
  4. 生活習慣姿勢が原因

1. 虫歯・歯周病

虫歯歯周病も歯並びが悪くなる原因となります。乳歯・子供の歯と同様、むし歯や歯周病により歯を抜いた後適切な処置を受けないでいると、空いたスペースに周りの歯が寄ってきてしまい、歯並びが悪くなる原因となります。

抜歯までいかなくとも、歯周病は歯を支えている骨が溶けてしまうため歯が動きやすくなります

2. 親知らずの存在

乳歯・子供の歯などと違い、親が生え始めを知らない・・・というこから名付けられた「親知らず」。親知らずの生え方や、親知らずを抜歯した後のスペースなどにより歯並びは変化します。これも大人になってから歯並びが悪くなる原因のひとつです。

3. 食いしばり、噛みしめ

ストレス精神的な苦痛を感じると、人は無意識に歯を食いしばったり噛みしめたりします。大人になってからは仕事や人間関係など、ストレスを感じる場面も多くなってきます。

この「食いしばり」「噛みしめ」は、想像以上に歯に負担がかります。見た目に変化はなくても歯や歯茎、歯を支えている骨、あごの関節にまで負担がかかります。たとえ1回あたりの力は弱くても「塵も積もれば山となる」。持続的な力は想像以上に大きなダメージを与えるのです。

これらが直接的に歯並びを悪くする・・・というよりは、この負担は歯周病や歯が揺れる原因となります。それにより歯が抜けた・抜歯が必要になることがあります。

適切な処置を受けないでいると、空いたスペースに周りの歯が寄ってきてしまい、歯並びが悪くなる原因となります。抜歯までいかなくとも、歯周病は歯を支えている骨が溶けてしまうため歯が動きやすくなります。

ストレスや歯ぎしり・食いしばりなどは、患者さんご本人でもコントロールが難しいものです。歯医者でも手助けすることはできますが、根本的な解決はご本人でないと難しいです

4. 生活習慣・癖・姿勢

大人になってから、幼少期のような指しゃぶりのような癖はなくてもやわらかいものばかり食べていたり、頰づえをつく癖があったり、姿勢が悪いというのはかみ合わせに影響を与えます。それにより歯並びも影響を受けることがあります。

大人でも歯並びは治せる?

歯並びの変化が起こる一方で、大人になってからも矯正治療で改善が可能です。大人の矯正治療には以下の選択肢があります。

  • インビザライン・・透明なマウスピース型矯正装置を7日~10日程度で付け替えながら、段階的には並びを治す方法。目立たずに治療が可能。1日に22時間以上装着する必要がある。

  • ワイヤー矯正・・歯の表側にブラケットを貼り付け、ブラケットにワイヤーを通して引っ張り、歯を動かしていく。殆どの種類の不正咬合を治療する事が出来る。

  • 裏側矯正・・ブラケットとワイヤーを歯の裏側につける。装置が他人から見えない。発音しにくい音があるので、慣れるまでは少し発音の練習が必要。

  • 外科的矯正・・顎の骨格に大きな問題がある場合には外科手術を併用する場合があります。

まとめ

矯正装置

歯並びが悪くなる原因は、子供と大人それぞれに異なる特徴があります。遺伝や生活習慣が子供の歯並びに影響を与える一方、大人の場合は虫歯や歯周病、ストレスによる歯ぎしり、悪い姿勢や様々な癖が関係することがあります。

歯並びの乱れは見た目だけでなく、健康や噛み合わせにも影響を与えるため、早期発見と適切な治療が重要です。子供の成長期には予防的な矯正を、大人の場合は生活習慣の見直しや必要に応じた治療を取り入れることで、美しく健康的な歯を保ちましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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