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虫歯で肩こりが起こることってある?

虫歯で肩こりが起こることってある?

「最近、肩こりがひどくなったけど、原因がよく分からない…」
「もしかして、虫歯と関係あるの?」

このように感じたことはありませんか?実は、虫歯と肩こりには意外な関係があるのです。歯のトラブルが全身の不調を引き起こすことはよく知られていますが、その中でも肩こりは見過ごされがちです。今回は、虫歯がどのように肩こりを引き起こすのか、そのメカニズム、予防法についてご説明します。

肩こりの意外な原因は虫歯だった?

肩こりの原因として一般的に考えられるのは、姿勢の悪さや長時間のデスクワーク、ストレスなどです。しかし、「なかなか改善しない肩こり」の原因が、実は虫歯にあるケースもあります。この場合は虫歯治療を行わない限り、肩こりが改善しないことがあるので、注意が必要です。

虫歯が原因で肩こりが起こる理由

  • 無意識のうちに噛み方が偏る → 虫歯のある部分を避けて噛むことで、顎の筋肉のバランスが崩れます。
  • 噛み合わせのズレ → 歯の高さが変わることで、顎の位置が変わり、肩や首に負担がかかります。
  • 炎症の影響 → 進行した虫歯による炎症が、神経を刺激し、肩や首のこりや痛みを引き起こします。
  • 歯ぎしりや食いしばりの誘発 → 虫歯が原因で噛み合わせが悪化すると、無意識に歯ぎしりや食いしばりが起こりやすくなり、肩こりが悪化します。

歯の問題が原因かもしれない肩こりのサイン

以下のような症状がある場合、肩こりの原因が虫歯にある可能性があります。

  • 歯の痛みと肩こりが同時に起こる
  • 片側の肩や首だけがこる
  • 朝起きたときに肩こりがひどい(夜間の食いしばりが原因の可能性)
  • 顎の違和感や痛みもある
  • 頭痛や耳鳴りがある

歯科医院での相談も検討を

慢性的な肩こりが続き、他の対策をしても改善しない場合は、歯科医院での診察を受けてみることをおすすめします。特に、噛み合わせの問題がある場合、適切な治療を行うことで肩こりが解消されることもあります。

まずは、定期健診を受けて頂くと、虫歯や歯周病のチェックを受けることが出来ます。虫歯を見つけることはもちろん大切ですし、歯周病は日本人の成人が歯を失う原因のトップですので、早期発見がとても重要になります。

虫歯と肩こりの関係性

虫歯が進行すると、歯の痛みを避けるために無意識のうちに片側の歯で噛むようになります。この「片側噛み」が習慣化すると、顎や首、肩の筋肉に負担をかけ、結果的に肩こりを引き起こすことがあります。

また、虫歯による噛み合わせの変化や炎症が広がることで、筋肉のバランスが崩れ、肩こりが慢性化することもあります。特に、以下のような要因が肩こりに関係します。

  • 噛み合わせの乱れ → 上下の歯が正しく噛み合わないと、顎の筋肉に負担がかかります。
  • 片側噛みの習慣 → 片方の歯だけで噛むと、筋肉のバランスが崩れます。
  • 炎症による神経への影響 → 虫歯が進行すると、炎症が神経を圧迫し、首や肩に痛みを引き起こします。

虫歯が進行すればするほど、これらの影響が強くなり、肩こりが悪化することもあるため、早めの治療が重要です。

片側噛みがもたらす影響

食事中

虫歯の痛みを避けるために、片側だけで噛む癖がつくことがあります。しかし、この「片側噛み」は、次のような問題を引き起こします。

  • 顎のズレ → 片側ばかりを使うと、顎関節の位置がずれてしまうことがあります。
  • 筋肉のアンバランス → 左右の筋肉が均等に使われないため、片側だけが疲労し、肩こりが悪化します。
  • 姿勢が崩れる → 片側ばかり使うことで、体全体のバランスが崩れ、猫背やストレートネックを引き起こします。

このように、片側噛みは筋肉や身体のバランスに悪影響を及ぼし、肩こりの原因となります。

また、片側噛みが長く続くと、顎関節に炎症が起こったり、顔の歪みにつながることもあります。こうした影響を避けるためには、虫歯を早めに治療し、両側でバランスよく噛む習慣をつけることが大切です。

噛み合わせの変化と筋肉のバランス

虫歯や被せ物の高さが合わないと、噛み合わせが崩れることがあります。噛み合わせの乱れは、以下のような問題を引き起こします。

  • 顎関節の負担増加 → 不自然な噛み合わせが続くと、顎関節に負担がかかります。
  • 首や肩の筋肉の緊張 → 顎を正しく動かせないと、周囲の筋肉が緊張し、肩こりを招きます。
  • 神経への影響 → 噛み合わせの変化によって、神経が圧迫され、痛みが生じることもあります。

特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、噛み合わせの影響を受けやすいため注意が必要です。マウスピースを使用するなどして、噛み合わせを整えることが肩こり改善につながる場合もあります。

噛み合わせの変化は、筋肉のバランスを乱し、肩こりの原因となることがあるため、注意が必要です。

炎症の拡大による影響

虫歯

虫歯を放置すると、炎症が歯茎や顎の筋肉、さらにはリンパ節にまで広がることがあります。これにより、以下のような症状が現れます。

  • リンパ節の腫れ → 炎症が広がると、首のリンパ節が腫れ、痛みを伴うことがあります。
  • 神経への影響 → 炎症が神経に及ぶと、頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。
  • 全身の倦怠感 → 慢性的な炎症は、免疫システムにも影響を与え、疲れやすくなります。

奥歯の虫歯は特に炎症が広がりやすいため、放置せずに早めの治療を受けることが重要です。

虫歯が引き起こすその他の症状

肩こり以外にも、虫歯が原因でさまざまな不調が現れることがあります。

  • 頭痛 → 噛み合わせの乱れや炎症が神経を圧迫し、慢性的な頭痛を引き起こすことがあります。
  • 顎の痛み → 顎関節に負担がかかると、開閉時に痛みを感じることがあります。
  • めまい → 神経や血流に影響が及ぶことで、めまいやふらつきを感じることもあります。

これらの症状は、虫歯の治療を適切に行うことで改善されることが多いため、気になる場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

予防と対策

虫歯による肩こりを防ぐためには、次のような対策が効果的です。

  • 定期的な歯科健診 → 虫歯を早期に発見し、適切に治療することで、肩こりを予防できます。
  • 正しい歯磨き → 歯垢をしっかりと除去し、虫歯を予防します。
  • バランスの良い食事 → カルシウムやビタミンDを含む食品を摂取し、歯の健康を維持しましょう。
  • ストレスの軽減 → ストレスは歯ぎしりや食いしばりの原因となるため、リラクゼーションを心がけましょう。

これらの対策を日常生活に取り入れることで、虫歯やそれに伴う肩こりを予防することができます。

虫歯と肩こりは密接な関係があります。日頃から口腔ケアを徹底し、定期的に歯科医院での健診を受けることで、虫歯や肩こりを未然に防ぐことができます。もし肩こりが続く場合は、歯の状態を見直してみることも大切です。

まとめ

虫歯は肩こりを引き起こす原因となることがあります。特に片側噛みや噛み合わせの乱れ、炎症が筋肉や神経に影響を与えることで、慢性的な肩こりが悪化する可能性があります。肩こりの原因がはっきりしない場合は、口腔内の健康状態を見直すことも重要です。

定期的な歯科健診や正しい歯磨き習慣を身につけることで、虫歯を予防し、肩こりのリスクを軽減することができます。もし肩こりが長引くようなら、歯科医院で定期健診を受けてみましょう。歯に異常がなければ、肩こりの原因は他にありますので、肩こりへの対処の仕方も変わります。肩こりの解決に一歩踏み出すためにも、虫歯の有無をチェックすることは大切です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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